美濃和紙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/23 21:10 UTC 版)
美濃和紙には機械ですいたもの(「美濃機械すき和紙」という)も含まれるが、手すきのものは「美濃手すき和紙」といい、特に一定の要件を満たした伝統の製法の手すき和紙を「本美濃紙」という[2][3]。このうち美濃手すき和紙は経済産業省指定の伝統的工芸品に指定されており、特に本美濃紙は文化庁により国の重要無形文化財に指定されている。またユネスコの無形文化遺産にも登録されている[2]。
本美濃紙は重要無形文化財の指定要件を満たしたものをいい、生産量は美濃和紙全製品のうちの1割ほどである[3]。
本美濃紙
定義
本美濃紙は伝統の製法で作られる薄くて丈夫な紙で[2]、以下の指定要件を満たすもののみをいう(重要無形文化財「本美濃紙」指定要件)[3][4]。
歴史
1969年(昭和44年)4月15日、本美濃紙の技法は重要無形文化財に指定された[5]。重要無形文化財の保持団体として本美濃紙保存会が認定されている[3]。
2014年(平成26年)11月26日、「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」として、「石州半紙」(島根県浜田市)「細川紙」(埼玉県小川町、東秩父村)とともに、本美濃紙がユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産登録として認定された[6]。
美濃和紙ブランド協議会の美濃和紙のブランド認定基準で、本美濃紙は、原料規定で大子那須楮(白皮)のみ、製法規定で完全に伝統的な製法によるとし、美濃市内で生産されるものとしている[4]。
美濃手すき和紙
定義
美濃手すき和紙は本美濃紙の技術を基にして製造される手すき和紙をいい、用途に応じた多種多様な手すき和紙が生産されている[2]。手すき和紙の工房で構成される美濃手すき和紙協同組合があり岐阜県紙業連合会に加盟している[4]。
美濃和紙ブランド協議会の美濃和紙のブランド認定基準で、美濃手すき和紙は、原料規定で国内産の楮や雁皮等の皮を用いた非木材繊維のみを使用したものとし、製法規定で流し漉きの技法とし、美濃市内で生産されるものとしている[4]。
歴史
1985年(昭和60年)5月22日、通商産業省(現・経済産業省)によって伝統的工芸品に認定された。
美濃機械すき和紙
美濃機械すき和紙は美濃紙の手すき和紙の技術を基に機械化して製造された和紙で、絶縁紙や導電紙、不燃紙など特殊な用途の紙も生産されている[2]。
美濃和紙ブランド協議会の美濃和紙のブランド認定基準で、美濃機械すき和紙は、原料規定で非木材繊維を少しでも含むもの、製法規定で手すきに近い品質が出せる機械で製造したものとし、美濃市、岐阜市、関市で生産されるものとしている[4]。
- ^ a b 「美濃和紙」についての資料の探し方 岐阜県立図書館 2022年12月1日閲覧
- ^ a b c d e f g ふるさと名物 岐阜県美濃市 中小企業庁 2022年12月1日閲覧
- ^ a b c d e 本美濃紙とは 美濃市 2022年12月1日閲覧
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t パルプ・紙・紙加工品 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター 2022年12月1日閲覧
- ^ “本美濃紙”. 岐阜県. 2013年5月13日閲覧。
- ^ [1]
- ^ “美濃和紙の歴史”. 2011年10月6日閲覧。
- ^ 紙屋塚 垂井町 2022年12月1日閲覧
- ^ a b 太田尚宏「日本歴史資料の形態と種類」マレガプロジェクト・ワークショップ1 国文学研究資料館 2022年12月1日閲覧
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