甲府城 甲府城跡の建築物

甲府城

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 02:11 UTC 版)

甲府城跡の建築物

機山館

機山館は甲府城内稲荷曲輪に所在した公会堂施設。「機山」は武田信玄の道号に由来する。本丸を挟んで対角線上の西側には二の丸に築造されていた甲府中学校(現在の甲府市美咲・山梨県立甲府第一高等学校)が所在している。2階建てルネサンス風洋館で、付近にはあずま屋も存在した。1905年(明治38年)5月に赴任した山梨県知事・武田千代三郎により推進された建築で、1906年(明治39年)9月に落成。同年10月1日の山梨県主催・ 一府九県連合共進会において恒久的な公会堂として企図され、市町村・民間有志から四万円の出資を得て建築される。共進会では第一会場として使用される。

1912年(明治45年)には皇太子嘉仁(1912年(明治45年/大正元年)7月30日に即位して大正天皇)が最後の地方行幸として山梨行幸を行う。皇太子嘉仁の山梨行幸は上京した知事・熊谷喜一郎が内示を受け、3月23日に正式に通知された。行幸準備として機山館は御宿泊所として使用されることが決定し、若尾財閥の二代当主若尾民造が出資して改修した。なお、予備の宿舎として甲府八日町(甲府市中央)の若尾銀行が充てられている。

皇太子嘉仁の行幸は同年3月27日から同年4月4日の日程で実施され、初日の3月27日(水曜日)に臨時列車で甲府駅に午後4時15分に到着すると、そのまま機山館へ宿泊した。皇太子の山梨行啓では数多くの行啓写真が残されており、機山館や甲府中学校全景を写したものがあり、機山館に関しては建物の意匠やあずま屋の存在を示した画像史料として注目されている。

機山館は1917年(大正6年)に正式に山梨県の所有となるが、1938年(昭和13年)に火災で焼失した。

謝恩碑


  1. ^ 平成31年2月26日文部科学省告示第20号。
  2. ^ 史跡等の指定等について”. 文化庁 (2018年11月16日). 2022年5月7日閲覧。
  3. ^ 平山 1993, pp. 11–13.
  4. ^ 平山 1993, p. 18.
  5. ^ 平山 1993, p. 19.
  6. ^ 平山 1993, p. 14.
  7. ^ a b c 山梨県立博物館 2011, p. 7.
  8. ^ 富士山NET
  9. ^ a b c d e 飯田文弥・坂本徳一著『写真集 明治大正昭和 甲府』ふるさとの想い出 10、図書刊行会、昭和53年、国立国会図書館蔵書、2019年3月22日閲覧
  10. ^ 県指定史跡甲府城跡に鉄門が復元整備されました”. 山梨県. 2013年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月7日閲覧。
  11. ^ 鉄門への道”. 山梨県. 2022年5月7日閲覧。
  12. ^ 山梨県立博物館 2011, pp. 155–156.
  13. ^ a b c 山梨県立博物館 2011, p. 156.
  14. ^ 望月祐仁他編著『甲府城跡山手御門 甲府市歴史公園山手御門埋蔵文化財の試掘調査・発掘調査・整備報告書 甲府市文化財調査報告50』甲府市教育委員会、2010年。
  15. ^ 甲府城本丸から出土した鯱瓦は推定130センチメートルで、現存する松本城天守全長130センチメートルの鯱瓦と同規模である。
  16. ^ a b 存在しなかった(かもしれない)甲府城天守閣を「再建」したい地元の言い分”. タウンニュース (2014年6月10日). 2014年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月7日閲覧。


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