猿の惑星 (映画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/10 14:11 UTC 版)
人間
「猿の惑星」の人間は、原始人を思わせる粗末な毛皮を身に付けているだけで、実質上は男女ともほぼ裸体である。言葉はまったく話せず、野蛮で知性を欠いた、文字通りの「獣」と化している。ほとんど家畜同様の扱いで、去勢やロボトミーなどをはじめとするさまざまな生体実験などの実験動物として利用されている。また、「野生」の人間を狩る「人間狩り」も、猿(主にゴリラ)たちの間では趣味として人気が高い。一方、一部の人間は核戦争後の放射線による影響から高い知能を持つミュータントと化しており、地下で長く潜伏しながら暮らしている。ミュータントたちは独自のテレパシー能力も持っており、『続』ではコバルト爆弾「アルファ・オメガ」を神として崇めている。
- ジョージ・テイラー大佐
- 『猿の惑星』『続・猿の惑星』に登場。ANSA宇宙船・リバティー1(イカルス号)の船長で宇宙飛行士。厭世的で偏屈な性格から宇宙飛行に志願し、仲間と共に未来の地球へ到着する。猿が決して足を踏み入れない「禁断の地」において衝撃的な事実を知った後、恋人ノヴァと連れ立って砂漠を放浪中に奇怪な現象に遭遇し、真実を確かめるべくノヴァを残して崖の底に消える。後にミュータントたちによって捕らえられ、地下でノヴァやブレントたちと無事に再会する。猿軍との交戦中、起動されたアルファ・オメガの発射を阻止しようと奮闘するが、ノヴァとブレントを立て続けに失ったうえに自身も被弾して瀕死の重傷を負い、最後はすべてに絶望して死の間際にアルファ・オメガの発射装置を作動させた。
- ジョン・クリストファー・ブレント少佐
- 『続・猿の惑星』に登場。テイラーと同じく、ANSA所属の宇宙飛行士でニューヨーク出身。行方不明となったテイラー隊の救難のために打ち上げられた、宇宙船・リバティー2の搭乗員(当初は船長のドノバン・マドックス大佐〈演 - トッド・アンドリュース〉も無事であったが、彼はまもなく死亡した)。テイラーと別れた後のノヴァと出会い、地下で彼との再会を果たした。ミュータントたちを掃討して地下を制圧した猿軍がミュータントに起動されたアルファ・オメガを粗雑に扱い、爆発させかねない状況を見て反撃を開始した後、ウルサス将軍を射殺するなど奮戦したものの、最後は大勢の兵士たちによる掃射を浴びて死亡した。
- ノヴァ
- 『猿の惑星』『続・猿の惑星』に登場。原始的な若い人間女性で、テイラーに気に入られて「ノヴァ」の名前を与えられ、行動を共にする。テイラーと近しくなって彼の名前を呼べるようになった直後、猿の兵士に銃撃されて死亡した。
- ルイス・ディクソン博士
- 生物学者。コーネリアスとジーラに対して終始好意的。
- スティービー・ブラントン博士
- 生物学者。ディクソンの友人で、彼同様にジーラとコーネリアスに対し好意的。
- アルマンド
- コーネリアスとジーラに理解を示す、サーカス団の団長。コーネリアス夫妻から息子のマイロを託されて匿う。夫妻の死後は自らの手でマイロを育てていたが、興行の宣伝のために訪れた都市でふとしたことから管理派に目を付けられてしまう。
- オットー・ハスライン博士(ハスレイン博士とも)
- 合衆国大統領科学顧問を務める物理学者。公聴会におけるコーネリアス夫妻の発言から地球の終末を聞き出したことで、猿が支配者になった未来の地球がわずか2000年で滅亡すると見抜く。知的な猿の存在が地球の滅亡を招くと危険視し、将来猿の指導者になりうるコーネリアス夫妻を子孫共々抹殺しようと目論む。
- フレッグ
- 人間が猿を奴隷同然に扱っていた時代の、北米の大都市の白人知事。今は亡きハスライン博士の残した資料から猿たちの力を恐れており、猿を徹底的に人間の管理下に置こうと目論む。オークションで購入したシーザーを、「言葉が分かる猿」と知るや処刑しようとするが、猿管理局局員マクドナルドの手引きと、咄嗟にそれを察知したシーザーの巧妙な演技によって失敗してしまい、監視の目から逃してしまう。密かに生き延びていたシーザーの指揮で引き起こされた猿の反乱に対し、戒厳令を布告して鎮圧しようとしたが、対応の遅れとシーザー側の入念な準備により大敗を喫し、逆に執務室まで攻められて捕らえられる。のちに、核戦争による放射線障害のため死亡した。
- マクドナルド(兄)
- 猿管理局局員。黒人出身でフレッグ知事の側近。猿の運命を黒人の歴史と重ねているため、猿が奴隷化されることには批判的である。シーザーが生き延びる手引きをしたが、彼が起こした反乱については否定する。
- コルプ知事
- ミュータント化した人間たちの指導者。『猿の惑星・征服』ではフレッグ知事の側近として、人間に歯向かう猿たちへの処罰を行なっていた。反乱を世界に波及させて人類社会を滅ぼした猿たちへの強い憎悪に凝り固まっており、核戦争で廃墟と化した都市の地下で、他のミュータントたちを率いてシーザーの村へ侵攻する。
- マクドナルド(弟)
- 『猿の惑星・征服』に登場したマクドナルドの弟でシーザーの良き理解者。猿と共存する人間の代表者として、シーザーを補佐する。
- ^ “Planet of the Apes”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年5月4日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)251頁
- ^ a b c d e “ひっかき回し37%”. サンケイスポーツ (産業経済新聞社): p. 11. (1974年1月8日)
- ^ 品川四郎「吹替洋画新聞 第四号」『宇宙船』Vol.112(2004年5月号)、朝日ソノラマ、2004年5月1日、112頁、雑誌コード:01843-05。
- ^ テイラー大佐が猿に向かって言う『気狂い』『気違い猿』など
- ^ “20世紀FOXホームエンターテイメント”. 2015年1月1日閲覧。
- ^ 『理科年表 平成25年』 丸善 2012年刊
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