日本酒 日本国外での人気

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日本酒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/24 17:40 UTC 版)

日本国外での人気

日本国外への輸出

近年、日本ではビールウイスキーも含めたアルコール飲料全般の消費量が減少しており、日本酒もその例に漏れない[88]

一方、日本国外では21世紀に入ってから日本酒の人気が拡大しており、日本酒は日本語の「酒」にちなみ「sake(サケ、英語読みはサキィ)」と呼ぶ。(参照:「日本酒の歴史」- 昭和時代以降)。アメリカ合衆国フランスの市場では日本酒、特に吟醸酒の消費が拡大し、イギリスでも2007年から国際ワインコンテストに日本酒部門が設置された。アジア圏においても日本酒の消費量が以前に比べて拡大し、2015年にはとりわけ和食が普及するソウル香港台北シンガポールにおいて高い値を示す[89]タイ王国では日本酒の需要の急増で日本の蔵元が挙って市場に参入し、競争が激化した[90]。また訪日外国人観光客による、高級な日本酒のまとめ買いも増えている[91]

日本酒の輸出額は、2013年に初めて100億円を超えた[92]。2020年の日本酒輸出額は241億円で、酒類輸出総額710億円の34%を占めたが、輸出額が急増するジャパニーズ・ウイスキー(271億円、38.2%)に20年ぶりに抜かれて、酒類における最多輸出額品目の地位から陥落した[93]

2023年の日本酒の輸出額は前年比13%減の410.8億円であり13年連続で続いていた前年比増の記録が途絶えた。中国とアメリカへの輸出が減少がしたことが主要因であり、中国は景気減速や日本産水産物輸入の一次停止等の措置に伴う高級日本食レストランの不振、アメリカは前年入庫在庫調整や人員不足とインフレに伴う消費マインドの低迷が原因とみられた。輸出先順位5か国(地域)は、中国124.7億円、アメリカ90.9億円、香港60.2億円、韓国29億円、台湾26.7億円の順であった[94]。2023年の輸出額410.8億円は、同年の酒類輸出総額1,350億円の約30.4%を占め、酒類の品目別に言うとジャパニーズ・ウイスキーの501億円に次いで2位であった[95]

このように日本酒の輸出は好調に推移しているが、フランスのワイン輸出額は約2兆円(155億ユーロ、2021年)[96]、英国北部スコットランドスコッチ輸出額は約5,600億円(38億ポンド、2020年)[97]と、日本酒輸出額の12倍から42倍の差がある。また日本酒の最大市場となりえるアメリカの2020年のアルコール飲料消費量のうち、日本酒はわずか0.2%にすぎず(ビール・ウイスキー・ワインの三大アルコールで60%)、そのうち流通量換算でいえば8割が安価な現地生産の日本酒である[98]

なお、酒に関する規制や税制は各国で異なる。例えば、アメリカ合衆国ではアルコール添加を行った日本酒は、税制上蒸留酒と同一の区分となり、純米酒より酒税が大幅に高くなるため、アメリカ合衆国へ輸出される日本酒の多くが純米酒となっている[99]

高価格帯の輸出を後押しするため輸出専用の免許が設定されている[24]

日本国外におけるSAKE生産

清酒を海外で造る取り組みは、明治時代にハワイに移住した日本人が行って以来の歴史がある。現代においては地理的表示(GI)の規制により「日本酒」を名乗ることはできないため「SAKE」などの名称で販売している。

海外で生産された酒は水や米の違いから日本産とは味が異なるためライバルとはならず、日本酒ファンを増やす可能性が指摘されている[1]

各国でのSAKE造りは、以下のような状況である[100]

大手日本酒メーカーの大関、松竹梅、月桂冠などは80年代から進出しており現地生産しているが、アメリカ人が経営する少量生産のクラフト・サケも増加している[101][1]。2023年には獺祭ブランドを擁する旭酒造ニューヨークに蔵を建設して操業を開始した。「DASSAI BLUE」ブランドで日本酒の販売を開始する[102]。同年には南部美人で2年間修行したアメリカ人らがアーカンソー州ホットスプリングスに「Origami Sake」銘柄の日本酒を製造する蔵を設立した。アーカンソー州はコシヒカリを生産するなどアメリカでの米生産の5割を占めており、旭酒造や「Origami Sake」は同州産の山田錦も使用する[103][102]

このほかメキシコオーストラリアニュージーランドで各1社が酒造りをしている。


注釈

  1. ^ 日本をニッポンと読んで、ニッポン酒の略。
  2. ^ 酒税法2条1項は「酒類」について、「アルコール分1度以上の飲料…をいう。」と定義している。
  3. ^ 酒税法施行令2条は「清酒の原料として定める物品」として、アルコール、焼酎ぶどう糖その他財務省で定める糖類、有機酸、アミノ酸塩、清酒を定める。
  4. ^ この政令で定める物品の重量の合計は、米と米こうじの重量の50%を超えないものに限られる(酒税法3条7号ロ)。
  5. ^ 酒税法上は「その他の醸造酒」(3条19号)、構造改革特別区域法では「酒税法第3条第19号に規定するその他の醸造酒(米…、米こうじ及び水又は米、水及び麦その他の財務省令で定める物品を原料として発酵させたもので、こさないものに限る。)」(28条1項2号)、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則では「濁酒」(11条の5、「米、米こうじ及び水を原料として発酵させたもので、こさないもの」)と定義される。
  6. ^ 削られた部分は米粉、あるいは飼料用に転用されて再利用されている。
  7. ^ しかし、これらの雑味の中には調理に有効な旨味成分も多く含まれていることから、料理酒用として醸造される日本酒の中にはあえて雑味を残す醸造方法をとっているものもある。どちらを使えばいい?「料理酒」と「清酒」の【5つの違い】家のコトで役立つ 東京ガスくらし情報サイト ウチコト 2019年7月31日閲覧
  8. ^ 中国ではパスツールより700年以上前の代の1117年政和7年)に序文が書かれた醸造技術書『北山酒経』の中に、「」という表現が見られ、加熱殺菌を意味する「煮酒」の技法が記載されている。しかし同書が室町時代頃までに日本にもたらされたか否かについては定かでないので、日本の火入れの技法が中国大陸から伝来したものか、日本が独自で辿り着いたのかについては、現在まだ分かっていない。

出典

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