戦闘空中哨戒 戦闘空中哨戒の概要

戦闘空中哨戒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/29 07:49 UTC 版)

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概要

戦闘機を用いた効果的な防空行動である。戦闘機をあらかじめ必要地域で空中待機させることにより、接近する敵航空機を早期に排除することができるようになる。現代的なCAPは、早期警戒網や地上要撃管制システムと組み合わされている。空中にある戦闘機は周回しつつ待機し、自編隊のレーダーのほか、早期警戒レーダー・早期警戒機などの情報を受け、敵機を要撃することとなる。

基地より離陸する場合と比較し、敵機への対応時間は短くなるが、燃料消費問題がある。そのため、空中給油機による空中給油は、滞空時間を延長しローテーション間隔を長くできるなど、CAPをより効率的に運用させられるようになる。

CAPは空母機動部隊の戦闘により発生してきたものである。航空母艦は航空基地であると同時に航空攻撃に対し脆弱であるため、早期に敵機を撃破し空母を防衛することが求められていた。当初は空母の直上でのCAPにあたったが、レーダーや無線航空管制の発達により、より敵方向へ前方待機してのCAPも行われるようになった。

主なCAP

BARCAP (Barrier Combat Air Patrol) バリアー戦闘空中哨戒
阻止線上に戦闘機を展開し、線の突破を試みる敵機を撃退する行動。
CAP/Strike キャップ/ストライク。
CAPと航空攻撃とを組み合わせたもの。爆弾などの兵装を搭載し爆撃行動を行うが、敵機に遭遇した場合はCAP任務を優先し、敵機の撃破を行うこと。
FORCAP (Force Combat Air Patrol)
友軍部隊上空で行われるCAP行動。
HAVCAP (High Value Asset Combat Air Patrol) 高価値資産戦闘空中哨戒
早期警戒管制機などの高価値資産を防御するためのCAP。語順はHVACAPだが語呂の収まりからHAVCAPと呼称する。
MiGCAP
ベトナム戦争時にアメリカ軍で用いられた語。MiG戦闘機に対するCAP行動を指して用いられた。
RESCAP(Rescue Combat Air Patrol)
戦闘救難活動を行う友軍部隊を支援するCAP。
SARCAP(Search and Rescue Combat Air Patrol)
RESCAPに同じ。
Slow CAP
大型低速機に対するCAP。ベトナム戦争時にはEB-66EC-121に対して用いられた。後にHAVCAPと同等のものとして、この名称は用いられなくなった。
Strike/CAP ストライク/キャップ
CAPと航空攻撃とを組み合わせたもの。爆弾などの兵装を搭載し爆撃行動を行うが、爆撃行動などが優先であり、敵機から直接攻撃を受けるか、爆撃行動終了後にCAP任務を行う。
TARCAP(Target Combat Air Patrol) 目標戦闘空中哨戒
攻撃目標近辺でCAP行動を行い、自軍航空攻撃部隊の行動の安全を図るCAP。

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