廉価版 廉価版の概要

廉価版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/19 23:56 UTC 版)

低価格と廉価は類似した言葉であるが、低価格は相対的に価格が低いものを示し、廉価は絶対的に価格が低い含意がある(10億円を9億円にした製品は低価格ではあるが、廉価とは呼ばない。)。

口語や俗語としては「廉価」や「低価格」は「お求めやすい価格」などといった絶対的な価格が低いものに対して使われる。

以下に各分野の具体例を挙げる。

パーソナルコンピュータ

パーソナルコンピュータの部品(パーツ)は、低価格化の要求に応えるために性能を一部削って価格を下げたものが多数存在する。例えばCPUにおいてかつてはPentiumの廉価版がCeleronAthlonの廉価版がSempronDuronであったが現在ではPentiumもAthlonもそれぞれ廉価ブランドの位置づけになっている(Intel Pentium (2010年)、およびAthlon Neo参照)為、Intel Core iシリーズ(X/i9/i7/i5/i3/m7/m5/m3)の廉価版がPentium(Atom系マイクロアーキテクチャベースを含む)、さらに低価格なものがCeleron(Atom系マイクロアーキテクチャベースを含む)となる。AMDでは2018年現在の場合RyzenFXA-Seriesの順(ノートPC用ではRyzen、A-Seriesの順)となっている。

ビデオカードでもメモリ搭載量や帯域幅を削るなどして機能を抑えた廉価版がある。チップはハイエンドを軸に設計し、その動作速度、内部のシェーダーの数、メモリの量・速度・帯域幅などで差別化して廉価版としている。

また、完成品のパソコンにおいても、特に自作パソコンと構成的にほとんど変わらないホワイトボックスパソコンを主力製品としている直販メーカーでは、ケースについてそれ単体ではなくATX電源がセットになっている物を調達したり、マザーボードCPUメモリなどのパーツ単位で見ても、パーツメーカーや電機メーカーが型落ちや余剰品として抱えている在庫のパーツを大幅な値引きと引き替えに一括大量購入したりするなどの手法でパーツの調達価格を抑制し、廉価版モデルの低価格化を実現させている場合もある。その為、直販メーカーの廉価版モデルの中には、CPU・マザーボードなどで現行モデルのローエンド向けパーツではなく、1~2世代前のミドルレンジ向けパーツが使用されているなど、事実上、ミドルレンジ製品の数シーズン型落ちとでも言うべき構成となっている製品が見受けられることがある。また、廉価版パソコンの場合には画像出力にはマザーボードに内蔵されたグラフィック機能が使用され、ビデオカードは省略されていることが多い。

ソフトウェア

業務用のアプリケーションソフトウェアは素人には高性能だったり、あまり必要のない機能が多数搭載されており高価なため、機能を限定したり、取り扱えるデータ量や性能を低くして価格を下げたものが多数存在する。これらは「機能限定版」「簡易版」などと呼ぶこともある。「LE」は「Limited Edition」の略、「Express」は「特定の」、「Elements」は「要素」、「Essential」は「本質」という意味で主要・不可欠な機能のみに絞っているという意味である。

また、ソースネクスト社から発売されているソフトウェアの中にも、他社からソフトウェアの旧バージョンの提供を受け、低価格で販売しているものがある。


  1. ^ ラインナップは4作のみで、何れも12月22日発売。『スーパーシュヴァルツシルト2』(工画堂スタジオ)、『スプリガンmark2』(ナグザット)、『ソル:モナージュ』(アイレム)がSUPER CD-ROM2用タイトルで、『イースI・II』(ハドソン)のみがCD-ROM2用タイトル。
  2. ^ 新発売"ペヨング"とペヤングの違いを広報に直撃! 「おおむね同じだが……」”. マイナビ (2016年3月8日). 2016年5月1日閲覧。


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