広島電鉄70形電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 03:37 UTC 版)
概要
1977年の運行開始65年記念を機に、日本国外の車両を導入する話が浮上。ドルトムント市電が地下線新設のため車両更新した際、余剰になった8軸連節車のGT8形2編成を1981年に購入した。広島での使用条件に合うように冷房改造などを行い、翌年より運用を開始した。
本形式は当時、西ドイツ国内向けに大量製造されたデュワグカーの一つであるが、
- 多段式直接制御であること…点検整備は車体外部の点検蓋から行う構造。また、他車とはノッチ進段が逆回しである。
- 駆動方式が標準のモノモーター式の直角カルダン駆動ではなく、釣り掛け駆動を採用している。
といった特徴がある。 こうした特徴を有するものはこれ以外には数例しかない。また、片運転台・片側面ドア方式が主流のドイツにおいて両運転台・両側面ドア式というのも少数派である。
1984年に広島電鉄がグローリア賞を受賞した際、この車両を導入したことも理由に含まれていた。
運用
当初は荒手車庫に在籍し、宮島線直通用で使用されていた。 しかし、高速走行時に振動が発生するなどの問題が発生。また、運転取扱上の違いが多く、保守整備に際しても支障する点が多いことから、3700形以降の新型直通車が増えると、あまり使用されなくなった。 その後、1994年に市内線の輸送力強化のために千田車庫に転属し、5号線(比治山線)でラッシュ時に使用された。 しかし、市内線に3000形が転属してきたため1998年からは再び使用されなくなり、77は部品取り用として長期留置の後2006年1月に廃車解体された。その後は76のみが残り、運転台を広島電鉄仕様に改修の上車内にテーブルやカーテン、マイクを設置して「ビール電車」などの貸切専用車となっていたが、老朽化が進んでいることや部品の調達が困難になりつつあることから、2008年以降は営業運転を行っていなかった[1][2]。営業休止後は、当初は荒手車庫に、その後移動され江波車庫の奥で保管・保存状態になっていた。
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77 荒手車庫(廃車前・許可を得て撮影)
2004年6月撮影 -
77 荒手車庫(廃車前・許可を得て撮影)
2005年1月撮影
- ^ a b “ドルトムント電車乗車会50回 広電、修理で「一休み」”. asahi.com. (2008年6月1日) 2012年6月9日閲覧。
- ^ “独路面電車、余生はカフェに”. 中国新聞. (2012年5月29日) 2012年6月9日閲覧。
- ^ 電車開業100周年記念事業実施のお知らせ (PDF) - 広島電鉄 2012年5月11日
- ^ a b レストラン電車「トランヴェール・エクスプレス(仮称)」等のオープン、広電本社前電停上屋のヨーロッパ風デザイン化 (PDF) - 広島電鉄、2012年05月31日
- ^ “ドルトムント電車でお食事を 広島にレストランオープン”. 朝日新聞. (2012年7月11日) 2012年7月13日閲覧。
- ^ “レストラン:ドイツ気分で乾杯 広島電鉄、車両改装し本社前にオープン/広島”. 毎日jp. (2012年7月12日) 2012年7月13日閲覧。
- ^ “消えるドルトムント市電のレストラン。”. 鉄道ホビタス. (2013年3月26日)
- ^ “トランヴェール・エクスプレス、イオン西風新都へ移設・事前イベントも”. Tabetainjya. (2017年5月18日)
- ^ “広電展示の「ドルトムント電車」が引っ越し 本社前からイオンモールに”. 産経WEST. (2017年5月29日)
- ^ “THE OUTLETS HIROSHIMA - ジ アウトレット広島 :: イベントニュース”. the-outlets-hiroshima.com. 2018年5月15日閲覧。
- ^ “THE OUTLETS HIROSHIMA | NEWS | 電車がワープ!時空を超えたプロジェクションマッピング!”. the-outlets-hiroshima.com. 2023年3月1日閲覧。
- ^ 「ワープする路面電車!常設プロジェクションマッピングが「ジ アウトレット広島」に」『』、2018年4月29日。2018年5月15日閲覧。
- ^ 【聖】メリークリスマス🎄31年目となる広電・冬の定番「クリスマス電車」特集! - YouTube
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