川崎市 歴史

川崎市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/23 04:12 UTC 版)

歴史

六郷の渡し 1860年代

市成立前

原始以前

北西部の丘陵地帯に人が定住したのは古く、黒川などでは旧石器時代縄文時代の遺跡が確認できる。しかし、多摩川沿いや臨海部の低地はかつて海底だった場所が多く、多摩川の堆積作用や海面の低下により徐々に陸地化が進んだ。

古代

7世紀に律令体制の整備により武蔵国橘樹郡(たちばなぐん)の一部となり、奈良時代には現在の高津区に郡衙が置かれ、地域行政の中心になったと推定される。平安時代からは荘園が発達し、稲毛氏が広い地域を支配した。

中世

前述の稲毛氏の一族稲毛三郎重成源頼朝の御家人の1人となって活躍した。また大治3年(1128年)には川崎大師(平間寺)が建立され、門前町の形成が始まる。その後鎌倉時代から戦国時代にかけては小規模領主による分治が進み、やがて北条氏の支配下に入った。

近世

慶長16年(1611年)には小泉次大夫の指揮により二ヶ領用水が完成、中野島から大師・大島に至る多摩川流域平野のほぼ全域を流れ、農業生産力の向上をもたらした。二ヶ領用水で潤った水田で生産された米は稲毛米と呼ばれ、江戸で寿司飯として人気となる。また江戸幕府が成立したことで東海道中原街道の重要性が高まり、川崎宿(現川崎駅周辺)の整備が進んだ。ただし、川崎宿が正式な宿場に指定されたのは東海道五十三次の中で最後となる元和9年(1623年)のことである。このとき多摩川の橋は流され、以後川崎宿は六郷の渡しの渡河点、及び川崎大師への玄関口として繁栄する。この他にも中原街道丸子の渡し大山街道二子の渡し津久井街道の登戸の渡しが整備され、いずれも後に東京への鉄道が建設される宿場町が形成された。

近代

大山街道の商店 溝の口

明治・大正期は川崎駅周辺で都市化が急速に進行する一方、丘陵地帯では従来の農山村も維持されていた。その後昭和前期になると鉄道路線の開業が相次ぎ、私鉄沿線には住宅地が、多摩川沿いの南武線沿線には主に工業地が展開した。

  • 明治5年6月5日1872年7月10日) - 日本最初の鉄道開業(現東海道線)に伴い川崎駅が設置される。その後、郵便・電気などの公共サービスが整備される。
  • 1883年(明治16年) - 多摩川に六郷橋がかかる。
  • 1889年(明治22年) - 町村制施行により、後の市域を形成する橘樹郡川崎町、及び12か村(うち2村は都筑郡)が成立。
  • 1893年(明治26年) - 大師河原村(現川崎区)の当麻辰二郎がの新種「長十郎」を発見(ただし発見年には諸説あり)。
  • 1899年(明治31年) - 大師電気鉄道(現在の京浜急行電鉄)が大師線の一部を開業する。以後、品川横浜に向けて路線を延長していく。
  • 1910年(明治43年) - 日本蓄音機商会(現在は日本コロムビア)が川崎町で創業。
  • 1912年(明治45年) - 神奈川県と東京府(現東京都)との境界が多摩川を境に整理される。
  • 1912年(明治45年) - 日本鋼管(後にNKK、現在はJFEスチール)川崎製鉄所が設立。臨海部の工業化が開始される。
  • 1914年大正3年) - 川崎〜溝口(当時は高津村)間での乗合馬車運行が始まる。
  • 1914年(大正3年) - 味の素川崎工場が設置される[11]
  • 1921年(大正10年) - 川崎町で上水道整備が始まる。

市成立後

近代

京浜工業地帯

現代

大師橋

行政区域の変遷

この他、明治以降の埋め立ての進行で市域は海に向かって拡大している。


注釈

  1. ^ 政令指定都市では、12,208人/km2の大阪市に次いで2位。
  2. ^ a b 川崎駅、新川崎駅武蔵小杉駅などからバス利用が便利。
  3. ^ 現在の日本女子大学西生田キャンパス。
  4. ^ 非道府県庁所在地では北九州市に次いで二つ目の政令指定都市。
  5. ^ 当時の川崎市助役へのリクルート社からのリクルートコスモス株譲渡による利益供与が明らかになり、やがて中央政界に影響が波及する。
  6. ^ テナントのイトーヨーカドー新百合ヶ丘店は全国売り上げナンバーワンを記録。
  7. ^ 東急側は「1960年代後半から70年頃に川崎市が鉛を含む焼却灰などを搬入したことが汚染原因」などと、市が汚染の原因者であると主張していた。
  8. ^ 2014年まで実施。
  9. ^ その後2019年9月30日に相模原市の伊勢丹相模原店が閉店したことにより、現在は川崎市のほか相模原市も百貨店のない政令指定都市となっている。
  10. ^ 三菱石油日本石油新日本石油、旧東燃→東燃ゼネラル石油
  11. ^ 矢向事業所・川崎事業所・玉川事業所・小杉事業所
  12. ^ 市域内の路線は主に貨物線として利用され、旅客駅はない。旅客営業は臨時列車のみ。
  13. ^ a b 本来の大井町線側には二子新地駅・高津駅にホームがなく、各駅停車(G各)は両駅を通過する。両駅に停車するのは二子玉川駅 - 溝の口駅間で田園都市線を走行する各駅停車(B各)に限られる。
  14. ^ 現在でも神奈川県道140号川崎町田線の一部が「市電通り」と呼ばれている。
  15. ^ 8月28日から遊園地→大駐車場→サッカー場→スカイロード→遊園地の周回コースで環状軌道となっている。当時世界最長のモノレール・日立アルヴェーグ式で、園内遊具扱ではなく、地方鉄道法の免許を受けた「交通機関」であった。

出典

  1. ^ 熊本市PDF資料(P3参照)
  2. ^ 川崎市:財政状況資料集(令和3年度決算)”. www.city.kawasaki.jp. 2023年7月28日閲覧。
  3. ^ 【初詣】はいつからいつまで?正しい参拝方法や起源を徹底解説”. THE GATE. 2022年10月31日閲覧。
  4. ^ プレスマンユニオン編集部 (2019年12月18日). “初詣 人気&人出 ランキング 全国ベスト20”. ニッポン旅マガジン. 2022年10月30日閲覧。
  5. ^ 全国トップクラスの実力 水島臨海工業地帯”. クラシキ文華. 2023年10月4日閲覧。
  6. ^ 川崎市の”. 川崎市の昼間人口. 2020年9月15日閲覧。
  7. ^ 川崎市プロフィール”. 2023年1月22日閲覧。
  8. ^ 川崎市麻生区:地形”. www.city.kawasaki.jp. 2022年6月28日閲覧。
  9. ^ 川崎市の世帯数・人口、区別人口動態、区別市外移動人口(令和2年9月1日現在)”. 川崎市. 2021年3月26日閲覧。
  10. ^ 外国人国籍地域別統計(オープンデータ)(令和2年度分)”. 川崎市. 2021年5月8日閲覧。
  11. ^ 味の素グループ年表|社史・沿革
  12. ^ 村島鐵男. “川崎市に爆發流行せる赤痢の病原菌竝に、菌検出率に就いて”. 日本感染症学会. 2020年2月9日閲覧。
  13. ^ 「川崎の小売商が結束、デパートを襲撃」『東京朝日新聞』1935年7月23日(昭和ニュース事典編纂委員会 『昭和ニュース事典第5巻 昭和10年-昭和11年』本編p.99 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  14. ^ 「六大府県で味噌、醤油の割当配当」『朝日新聞』1942年1月8日夕刊(昭和ニュース事典編纂委員会『昭和ニュース事典第8巻 昭和17年/昭和20年』本編p.124 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  15. ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、70頁。ISBN 9784816922749 
  16. ^ 川崎・土壌汚染訴訟で市側に責任なしと東京地裁、東急の訴え棄却/神奈川新聞・カナロコ
  17. ^ “川崎市人口、京都超え”. 日本経済新聞. (2015年4月16日). https://www.nikkei.com/article/DGKKZO85728760V10C15A4L83000/ 2023年9月22日閲覧。 
  18. ^ “川崎市の人口が6位に 政令市で神戸抜き、次は福岡”. 産経新聞. (2019年5月22日). オリジナルの2019年5月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190522152830/https://www.sankei.com/smp/life/news/190522/lif1905220033-s1.html 2019年10月30日閲覧。 
  19. ^ 川崎市:新本庁舎で発生した火災について(第1報)”. www.city.kawasaki.jp. 2023年7月28日閲覧。
  20. ^ 日経クロステック(xTECH) (2022年11月15日). “建設中の川崎市新本庁舎24階で起こった火災、鋼板の切断時に断熱材に引火か”. 日経クロステック(xTECH). 2023年7月28日閲覧。
  21. ^ 川崎市新本庁舎”. skyskysky.net. 2023年7月28日閲覧。
  22. ^ 『日本の歴代市長』第1巻、歴代知事編纂会、1983年。
  23. ^ “武蔵小杉の西武・そごう閉店へ 高級路線では客足伸びず”. 朝日新聞. (2017年5月17日). https://www.asahi.com/articles/ASK5K54RZK5KULOB00Y.html 2018年1月13日閲覧。 
  24. ^ 西武・そごう武蔵小杉SHOP 営業終了のお知らせ”. そごう・西武. 2018年1月13日閲覧。
  25. ^ 下水道事業の概要”. 川崎市. 2019年8月7日閲覧。
  26. ^ 川崎市:羽田連絡道路整備事業について”. 2019年3月27日閲覧。
  27. ^ 大田区vs川崎市 「多摩川スカイブリッジ」開通の裏にあった、知られざる対決の歴史とは Merkmal 2022年7月27日
  28. ^ 武蔵小杉が「デジモンアドベンチャー:」の舞台!?”. 川崎市中原区. 川崎市中原区 (2021年). 2022年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月19日閲覧。
  29. ^ 川崎市麻生区:麻生区イメージソング 『かがやいて麻生』”. 川崎市. 2016年3月12日閲覧。






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