島 定義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 22:41 UTC 版)

定義

海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)第121条では、

  • 自然に形成された陸地であること。
  • 水に囲まれていること。
  • 高潮時に水没しないこと。

の3つの条件を満たすものを「島」と定義している。

この条件から外れると領海を形成するために有効な領土ではなくなる。日本が沖ノ鳥島消波ブロックなどを設置し、波浪による侵食によって満潮時に水没しないようにしているのはこのためである。

同条約同条2項では「島の領海、接続水域、排他的経済水域及び大陸棚は、他の領土に適用されるこの条約の規定に従って決定される。」とされている。一方3項では「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。」としている。すなわち、広義の「島」であっても狭義の「島」と「岩」に条約上の扱いが分かれるので注意が必要である(この場合の「岩」は領土であり領海は持つ)。

日本の海上保安庁は「満潮時に海岸線の延長距離が100m以上の陸地」を島と定義している一方、国土地理院は「航空写真に写る陸地」を島と定義している。また、国土地理院の定義では島未満の地形として、暗礁や洗岩、干出岩、水上岩からなる岩礁がある。

「島」という言葉・文字

「島」という漢字は、意符「山」と音符「鳥」からなる形声文字である。異体字として「㠀・嶋・嶌」などがある。和語「しま」は四方を囲われた狭または締の意味。朝鮮語で島を意味する固有語「섬(seom)」の語源である百済語の「斯馬」と同語源だという説もある。

島弧

プレート境界(沈み込み帯)に位置する列島を島弧、あるいは弧状列島とも言う。島弧はマントル対流の沈み込みによって地殻が盛り上がって生成する。このような島は弓状に分布することが多く、島弧と呼ぶ。島弧は太平洋プレートの周辺(環太平洋火山帯)に目立つ。以下に北極側から反時計回りに記す。

島の成因

「小大陸」と呼ばれるグリーンランド

海洋に位置する島を成因によって分類すると、大きく3つに分かれる。プレートテクトニクスにより大陸から分離した「小大陸」と見なせる島、陸島、洋島である。

大陸から分離した島

大陸からの分裂で誕生した島の代表例はグリーンランドマダガスカル島である。

大陸プリュームによるマントル対流によって、数センチメートル/年程度の速度で移動している。約6億年前の古生代石炭紀に、先行する超大陸が南北に分離した。それぞれ、ゴンドワナ大陸ローラシア大陸と呼ばれる。ゴンドワナ大陸は現在のアフリカ大陸南アメリカ大陸インド亜大陸南極大陸オーストラリア大陸アラビア半島、マダガスカル島を含んでいた。1億6000万年前からゴンドワナ大陸自体も数次にわたって分裂を続けた。7000万年 - 9000万年前の中生代白亜紀後期の最後の分裂の際、インド亜大陸と分離したのがマダガスカル島である。そのため動植物の分布がアフリカ大陸とは異なっている。

ローラシア大陸は、現在のユーラシア大陸北アメリカ大陸、グリーンランドを含んでいた。約5000万年前(新生代第三紀)に、グリーンランドは北アメリカ大陸と分離した。

陸島

「陸島」の代表例の一つ、グレートブリテン島

大陸棚に存在する島を陸島という。海退時や隆起によって大陸と陸続きになりがちで、海進、沈下などの原因により大陸と切り離されることで孤立した陸地である島となる。地質構造や陸上の地形に大陸との類似が見られる。代表例はカリマンタン島グレートブリテン島台湾島である。カナダ北部の島々も陸島である。海洋プレート大陸プレートの下に沈み込んでいる場所では、大陸プレートの周辺部に、海洋プレートの沈み込みによって生じる海溝があり、この海溝に沿うように、大陸側に島が並んで形成される例が多い。その配置が弧状になることが多いため、弧状列島、あるいは島弧と言われる。

陸島のうち大陸や他の大きな島に近いものは砂州によって大陸などと陸続きになることがある。これを陸繋島と呼ぶ。

後述するサンゴ礁のみからなる陸島もある。例えばオーストラリア大陸東岸北部に約2000kmにわたって伸びるグレート・バリア・リーフ大陸棚に位置する700個前後の島で発達した堡礁である。

洋島

火山噴火によって形成された「洋島」、ハワイ島

大陸棚ではなく、海洋底から直接海面に達している島を洋島という。基本的には火山活動によるが、単純な火山性の島と、火山島などの沈下によって形成されたサンゴ礁に分かれる。海洋島ともいう。

火山島

火山噴火によって形成された「火山島」、三宅島

洋島のうち、火山島はホットスポット上に多く位置する。ホットスポットとは下部マントル付近から上部マントルに向かって定常的に熱い物質が上昇している場所のことである。例えばハワイ諸島の場合、約7000万年にわたって、同一のホットスポットが多数の島を生成してきた。古い島は侵食を受け、海面下に海山として残っている。アイスランド島もホットスポット上にある。

この他にカリブ海東端の小アンティル諸島に属する島、例えばマルチニーク島などは、カリブプレートと北アメリカプレートの沈み込み帯上に位置する火山島である。

サンゴ礁

サンゴ礁により形成された「洋島」、マーシャル諸島・オメレク島(Omelek Island

サンゴ礁は、刺胞動物花虫綱などに属する造礁サンゴの骨格などが積み上がって形成される地形である。サンゴ礁の主成分は石灰岩炭酸カルシウム)からできている。石灰岩はサンゴ類の骨格(骨片)のほか、共生藻の分泌物の沈着によって生成する。石サンゴは細胞内に共生する褐虫藻光合成に依存している。このため、太陽光が十分透過する水深40m - 60mよりも浅い海中でなければサンゴ礁は成長しない。水温も最低でも18度前後でなければならない。

サンゴ礁は島の周辺の海岸を取り囲む裾礁(きょしょう)として発生する。代表例は小笠原諸島奄美群島沖縄諸島先島諸島である。裾礁が形成された後に、中央の島が沈降すると、島の海岸線から数km離れた位置にドーナツ型のサンゴ礁からなる陸地が形成される。これを堡礁(ほしょう、バリアリーフ)と呼ぶ。沈降がさらに進むと中央の島は消え、ラグーンと呼ばれる礁湖を取り囲む幅数100m - 1km程度のドーナツ型の陸地だけが残る。これを環礁(かんしょう、アトール)と呼ぶ。サンゴ礁自体が成長することから、波による侵食に強く、孤島であっても波浪による侵食に耐える。

サンゴ礁に基づく島にはさまざまなバリエーションがある。サイパン島グアム島を含むマリアナ諸島や小笠原諸島はプレート境界に位置する火山島とサンゴ礁が複合した裾礁の段階にある。南太平洋に位置するメラネシアポリネシアでは、堡礁や環礁の段階に達している。東部ミクロネシアに位置するマーシャル諸島共和国の国土は30個弱の環礁だけから成る。

宮古島石垣島などの先島諸島は裾礁形成後に隆起したため、サンゴ礁段丘や隆起サンゴ礁と呼ばれる特異な地形がよく発達している。

サンゴ礁の隆起等を成因とする標高の低い島を低島といい、成因が地質構造と関連し山地を有する島を高島という[4]


  1. ^ コトバンク:日本大百科全書(ニッポニカ)「島」の解説”. 2021年9月26日閲覧。
  2. ^ 常用外漢字であることから、しばしば「島しょ」と表記される。
  3. ^ 日本の島の面積 国土地理院
  4. ^ 小田静夫「琉球弧の考古学」(青柳洋治先生退職記念論文集編集委員会編 『地域の多様性と考古学-東南アジアとその周辺-』雄山閣、2007年3月20日、pp.37-61 所収)
  5. ^ III しまの状況(長崎県)[リンク切れ]


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