岩のドーム 信仰

岩のドーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/11 06:02 UTC 版)

信仰

聖なる岩。岩の下の洞穴が「魂の井戸アラビア語版英語版」と呼ばれるお堂になっている。聖書では大洪水後にノアが上陸した岩。

ユダヤ教

ユダヤ教において「聖なる岩ヘブライ語版アラビア語版英語版」は、アブラハムが息子のイサクを神のために捧げようとした台であるとされる(イサクの燔祭)。またダビデ王はこの岩の上に契約の箱を納め、ソロモン王はエルサレム神殿を建設した。また初期キリスト教でも聖地として扱われていた。支持者は少ないが、岩のドームを現在の場所から取り除いた上でその場にエルサレム神殿を再建しようとする運動すら存在している(神殿研究所を参照)。

イスラム教

イスラム教にとってもイブラーヒーム(アブラハムのアラビア語読み)は重要な預言者の一人であるが、犠牲を捧げようとした場所であるとはみられていない。イスラム教においてこの岩が神聖とされるのは、預言者ムハンマドが一夜のうちに昇天する旅(ミウラージュ)アラビア語版英語版を体験した場所とされることである。クルアーンでは、マディーナ(メディナ)の預言者のモスクに住していた時代のムハンマドが、神の意志により「聖なるモスク」すなわちマッカ(メッカ)のカアバ神殿から一夜のうちに「遠隔の礼拝堂」すなわちエルサレム神殿までの旅をしたと語っている(17章1節)。

伝承によると、このときムハンマドは大天使ジブリール(ガブリエル)に伴われエルサレムの神殿上の岩から天馬ブラークアラビア語版英語版に乗って昇天し、神アッラーフの御前に至ったのだという。

この伝承は、ムハンマドの死後から早い時期にはすでにイスラム教徒の間では事実とみなされており、神殿の丘におけるムハンマドが昇天したとされる場所にはウマイヤ朝の時代に岩のドームが築かれた。また、丘の上には「遠隔の礼拝堂」を記念するアル=アクサー・モスク(銀のドーム)が建設され、聖地のひとつと見なされている。

シーア派は、聖なる岩の下の天然の洞穴「魂の井戸アラビア語版英語版」で審判を待つ死者の魂の声が聞こえるとするが、スンナ派はこれを否定している。


注釈

  1. ^ エベン・シュティヤ("基礎石"の意)[2]、エッサフラ[2]、あるいはサフラ[1]とも。

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