小田急2000形電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 15:10 UTC 版)
概要
新宿発着の各駅停車8両編成化を推進する目的で、1995年に2編成が登場した[7]。その後は2600形(NHE車)8両編成の置き換え用として[8]2001年(平成13年)まで断続的に増備が続けられ、最終的には8両×9編成の合計72両が製造された[7]。
基本設計と意匠は1000形に準じているが、座席数を確保しつつ客用扉の幅を拡大したのが大きな特徴となっている[9]。
1995年(平成7年)に当時の通商産業省よりグッドデザイン商品に選定された[10]。
登場の経緯
小田急では1990年(平成2年)から1000形の一部の車両で、乗降時間の短縮を図って客用扉の幅を2mに拡大したワイドドア車両を運用していた[1]。乗降時間の短縮自体は効果があったものの[1]、扉幅拡大による座席定員の減少が問題視された[1]。1991年に1000形ワイドドア車両を増備した際に座席定員の増加を図る[1]一方で、在来通勤車両と同等の座席定員確保と乗降時間の短縮を両立するために、モックアップによる乗降試験も含めた検討が行なわれた[1]。この結果、座席定員の確保には客用扉間の座席を7人がけとし[11]、客用扉の幅は1,600mm程度とすることが最適という結論となった[11]。
一方で、電子機器や走行装置のシステムについても、高性能かつメンテナンスフリーの機器類が開発されていた[1]ことから、1000形をベース車両として車体構造の変更や各種機器の見直しを行なった[1]。設計にあたって、騒音や振動の少ない「環境にやさしい車両」[9]、快適に乗車できる「お客さまにやさしい車両」[9]、旅客の案内や安全確保に専念できるように付随的な作業を自動化した「乗務員・駅員にやさしい車両」[9]、熟練を要する機器の排除や機器のモニター監視などを可能にした「保守にやさしい車両」[9]、といったテーマを掲げた車両として登場したのが本形式である。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k 『鉄道ピクトリアル』通巻679号 p.216
- ^ a b c d e f g h 『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.313
- ^ PHP研究所「小田急電鉄のひみつ」34頁
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 『鉄道ジャーナル』通巻342号 p.88
- ^ a b c d 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOCK&MACHINERY」2017年4月号研究と開発「2000形PS・MS刃形スイッチ動作不良防止について」22-25P内の25Pに記載。
- ^ 『鉄道ダイヤ情報』通巻145号 p.15
- ^ a b c 『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.258
- ^ a b c d e f g h i j k l 『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.260
- ^ a b c d e f g h i j k 『鉄道ジャーナル』通巻342号 p.86
- ^ “Gマークに5車種、2施設”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1995年10月16日)
- ^ a b c d e f g 大幡 (2002) p.48
- ^ a b c d e f 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2007年6月号21-23頁
- ^ a b c d e f g h 『鉄道ピクトリアル』通巻679号 p.217
- ^ 『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.259
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 『鉄道ジャーナル』通巻342号 p.87
- ^ a b c d 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」1995年10月臨時増刊号新車年鑑1995年版記事
- ^ a b c d 大幡 (2002) p.50
- ^ a b c d 大幡 (2002) p.51
- ^ 『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.190
- ^ a b c 『鉄道ピクトリアル』通巻679号 p.218
- ^ a b c d e f g 『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.261
- ^ 『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.199
- ^ a b c 『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.57
- ^ 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2010年7月号103頁Topic Photos「小田急2054編成の袖仕切を変更」
- ^ 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2012年7月号105頁「小田急2000形青帯に変化」記事
- ^ 『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.191)
固有名詞の分類
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