安楽死 消極的安楽死(延命停止)・合法化国

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安楽死

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 09:10 UTC 版)

消極的安楽死(延命停止)・合法化国

消極的安楽死(しょうきょくてきあんらくし、英語: negative euthanasia , passive euthanasia)とは、予防・救命・回復・維持のための治療を開始しない、または開始しても後に中止することによって、人や動物の延命を止める行為である。延命治療が苦しみを招き、患者が最期のときまで、自分らしく尊厳をもって生きるために、本人意思(自己決定)を尊重し、「延命治療をやめて病状を自然の状態に戻す」ことを指す[3][23]。①自発的安楽死、 ②非自発的安楽死 ③反自発的安楽死の3種類がある[23]

医療上の消極的安楽死の場合は、病気・障害を予防する方法、発症した病気・障害から救命・回復する方法、生命を維持する方法、心身の機能を維持する方法が確立されていて、その治療をすることが可能であっても、患者本人の明確な意思(意思表示能力を喪失する以前の自筆署名文書による事前意思表示も含む)に基づく要求に応じ、または患者本人が事前意思表示なしに意思表示不可能な場合は、患者の親・子・配偶者などの最も親等が近い家族の明確な意思に基づく要求に応じ、治療をしないか治療開始後に中止することにより、結果として死に至らせることである。

終末期の患者には延命可能性が全くないか、または余命は長くても月単位なので、世界の諸国では終末期の患者に対する消極的安楽死は広く普及している。治療により回復の可能性がある患者、回復の可能性はなくても死に至るまで長い年月がかかる患者など、終末期ではない患者の場合は、大部分の人は一般的に病気からの回復や生命・健康の維持の欲求を持っているので、消極的安楽死が選択される事例よりも、治療による回復や延命が選択される事例が多数派である。

韓国では、最高裁判所に相当する大法院の判決で2009年の女性の高齢者の請求により尊厳死が認められた後、2017年に韓国で「延命医療決定法(尊厳死法)」の試験事業が施行されて患者の意思によって延命医療を中止することができるようになった[24]。約1か月前にソウル市内のとある総合病院で、消化器系のがんの治療を受けていた50代男性が「延命医療を受けない」という治療計画書に署名していた。男性の医療陣は本人の意思に基づき、臨終が近づいた時に人工呼吸器装着・心肺蘇生・血液透析・抗がん剤投与などを実施しなかったが、男性が延命医療中止を選択していても栄養・水の供給、痛みの緩和、治療は継続した。患者は2017年11月21日の一週間前に安楽死を選択して死去し、韓国で合法的安楽死の事例初となるケースとして確認された。事前医療意向書の実践を推奨する代表は「難しい状況の中、患者の男性は大きな決断を下した。今回の決定は延命医療中止について悩む多くの方々に勇気を与える事例だ」と語った[24]

日本の国内法での扱い

日本の法律では、患者本人の明確な意思表示に基づく消極的安楽死(=消極的自殺)は、刑法199条の殺人罪、刑法202条の殺人幇助罪・承諾殺人罪にはならず、完全に本人の自由意思で決定・実施できる。ただし、法律により強制隔離と強制治療が義務付けられている感染症は例外である。

日本の国内法では、一般的に他人(一般的には医師)が行う場合は下記の条件のいずれかを満たす場合に容認される(違法性を阻却され刑事責任の対象にならない)。

  1. 患者本人の明確な意思表示がある(意思表示能力を喪失する以前の自筆署名文書による事前意思表示も含む)。
  2. 患者本人が事前意思表示なしに意思表示不可能な場合は、患者の親・子・配偶者などの最も親等が近い家族(より親等が遠い家族や親戚は親等が近い家族に代わって代理権行使できない)の明確な意思表示がある。

日本では、患者本人や家族の明確な意思表示に基づかず、医師が治療の中止をした場合は、刑法199条の殺人罪が成立する。患者本人の明確な意思表示に基づかずに、または家族の明確な意思表示に基づかずに治療を開始しなかった場合も殺人罪または保護責任者遺棄致死罪が成立する。 

大韓民国

韓国では2018年2月から回復が見込めない終末期の患者の延命治療を、法律に基づいて取りやめることができる尊厳死制度が導入された。韓国政府から制度運営を委託される財団法人によると、導入4カ月間で、尊厳死を希望した中で約8500人の延命治療が取りやめられた[25]


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