好中球 白血球の核形の左方推移

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好中球

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/10 05:10 UTC 版)

白血球の核形の左方推移

好中球は、正常な状態では末梢血中に分葉核球(2〜3葉が多い)が多く認められる。

感染症などの場合、免疫応答による好中球増加が見られるが、その初期の段階では桿状核球が増加し更に幼若な後骨髄球骨髄球が末梢血に出現することがある。出血貧血や、医療行為による骨髄抑制などによる汎血球減少からの回復期にも同様のことが起きる。このような一核細胞の増加を「核の左方推移」と呼ぶ。好中球を早急に動員しなければならない事態のために、最終成熟形態でない好中球も動員されるためである[5]

上記は「造血の立ち上がり」にみられる一過性の左方推移の例であるが、骨髄異形成症候群慢性骨髄性白血病などの場合は骨髄球-顆粒球系細胞の分化成熟能力自体に異常を生じているため、左方推移状態が持続する。なお、逆に分葉核球の比率が増えた状態=右方推移は、悪性貧血などのときに起こる。

好中球の異物貪食動画像

白血球の一種、好中球がカビの胞子を貪食している様子。一コマ30秒毎の撮影で約1/200に時間を圧縮している。
好中球がカンジダ菌(緑色)およびコウジカビの胞子を貪食している様子。一コマ30秒毎の撮影で約1/200に時間を圧縮している。

[1] Neutrophils display highly directional amoeboid motility in infected footpad and phalanges. Intravital imaging was performed in the footpad path of LysM-eGFP mice 20 min after infection with LM. [16]


  1. ^ 小川 哲平、大島 年照、浅野 茂隆編著、『血液学』、内外医学社、1991年
  2. ^ 日本検査血液学会編 編『スタンダード検査血液学』(第2版)医歯薬出版、2008年5月、p.p.47-48頁。ISBN 4-263-22276-8 
  3. ^ 日本検査血液学会編、『スタンダード検査血液学 第2版』、医歯薬出版、2008年、p.50
  4. ^ a b c d e 浅野 茂隆、内山 卓、池田 康夫 監修、『三輪血液病学 第3版』文光堂、P300
  5. ^ a b c d 『三輪血液病学 第3版』、p.301
  6. ^ a b 渭原博『医療関連職種のための臨床検査概論』p.39
  7. ^ 喫煙、飲酒および加齢が検査値に及ぼす影響
  8. ^ a b 『三輪血液病学 第3版』、p.289
  9. ^ a b 矢田 純一 著『医系免疫学 第11版』中外医学社、2009、p.364
  10. ^ a b 『三輪血液病学 第3版』、p.290
  11. ^ a b c d 『医系免疫学 第11版』p.367
  12. ^ a b 『三輪血液病学 第3版』、p.293.294.295
  13. ^ a b c d 『医系免疫学 第11版』、p.370
  14. ^ a b c d 『三輪血液病学 第3版』、P262
  15. ^ 日本検査血液学会編、『スタンダード検査血液学 第2版』、医歯薬出版、2008、p.43
  16. ^ Public Library of Science


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