太陽黒点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/29 06:29 UTC 版)
太陽黒点と電波伝播
地球の電離層は、太陽黒点の数に影響を受ける。短波帯以下の電波伝播は電離層の影響を大きく受けるため、無線の通信状態も大きく影響を受ける。独立行政法人情報通信研究機構・宇宙天気情報センターでは観測された黒点数を「指数」(SSN:Sun Spot Number) として発表している。
伝説
古代の中国では、太陽に「カラス」が住んでいるとした。これは肉眼黒点と呼ばれる、肉眼で見ることができる面積数千キロメートルの太陽表面の黒点を観察したものと思われる。肉眼黒点は、日食や日没など太陽光が減光された際にまれに見られる現象であり、大きな黒点であれば肉眼で観測できる。この黒点が観測する度に移動していることから、カラスなどの動物が住んでいると思われていた。なお、この太陽に住むカラスの話は、日本の「
その他の事柄との関係
景気循環と太陽黒点周期
景気循環論の一つに、景気循環と太陽黒点周期の関連を主張する太陽黒点説がある。著名な太陽黒点説論者としては、ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズや、嶋中雄二(三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長)がいる。ジェヴォンズによれば、太陽黒点面積の増減は10年から11年ほどの周期があり、穀物価格の騰貴、下落にもほぼ同様の周期があり、恐慌の発生にもまた同様の周期があるという。この説は必ずしもジェヴォンズの創始にかかわるものではなく、既にウィリアム・ハーシェルがこの説を提唱し、リチャード・キャリントンがこれを祖述したが、十分な論証を与えることができず、ジェヴォンズによって実証的説明が与えられ[1]、のちにその子ハーバート・スタンリー・ジェヴォンズによって修正が施された。
地震活動との関係
近年、地震活動と太陽黒点周期(太陽活動)の関係を指摘する研究発表も一部で行われている[2]が、両活動における比較期間などの精度が十分でなく、また太陽活動(太陽フレアなど)による影響は地球の磁気圏により大部分が遮られ地球内部まで到達しているとは考えにくいため、疑問視する声も出ている[3]。
固有名詞
- ^ W.S.Jevons: Investigations in Currency and Finance, 1884, pp.194-243
- ^ 太陽:黒点少ない時期、巨大地震頻発 九州大宙空環境研が分析(毎日新聞 2011年9月26日), 宙空環境研究センター(九州大学)のサイトで記事閲覧可(ニュース・トピック > 新聞記事等掲載情報)
- ^ 太陽黒点と地震の関係(妄想科學日報 2011年9月26日)
太陽黒点と同じ種類の言葉
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