多体波動関数 1粒子波動関数からの構成

多体波動関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:32 UTC 版)

1粒子波動関数からの構成

相互作用のない同種のN粒子系を考える。i 番目の粒子のシュレーディンガー方程式は次のように書ける。

ここでそれぞれの固有状態・固有エネルギーをでラベル付けした。1粒子波動関数完全系から、上述のように対称化・反対称化されたN粒子波動関数を構成することを考える。例えば、次のようなものを考えてみる。

この波動関数は確かにN粒子系の全ハミルトニアンの固有関数になってはいるが、対称化・反対称化されていないために上述の同種なN粒子波動関数としての資格を有していない。よってこの波動関数に対称性・反対称性を持たせる必要がある。

ボース粒子

ボース粒子の場合、次のような対称化演算子によって多体波動関数は対称化される。

ここでは規格化定数であり、和はN!個の置換全てについての和を表す。これはij 列行列要素にもつN×N行列パーマネント (数学)である。

フェルミ粒子

フェルミ粒子の場合、次のような反対称化演算子によって多体波動関数が反対称化される。

これはij 列行列要素にもつN×N行列行列式であり、スレーター行列式と呼ばれる。


  1. ^ a b 田崎晴明『統計力学I』培風館、2008年。ISBN 4563024376


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