変成作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/23 14:29 UTC 版)
温度・圧力
温度と圧力は変成作用にでおける物理的条件の主要例で、温度や圧力の変化により再結晶が起こり、原岩の鉱物組成や組織が変化することで変成作用が進行する[15]。特に高温であるほど変成作用の速度は上昇する[17]。高温時の再結晶作用は昇温期変成作用(prograde metamorphism)とよばれる[17]。しかし、温度上昇が停止し冷却が開始すると反応は終了し、変成岩の形成は完了する[18]。この時を温度ピーク(thermal peak)とよぶ[19]。ただし、水が十分にある場合などではその後の温度低下中でも変成作用が起こり、後退変成作用(retrograde metamorphism)という[19]。これらの温度変化は、温度-圧力図の上で表示することができる[20]。
なお、変成岩の形成時の温度や圧力の推定のときは、多形鉱物や地質温度計を用いるとよい[21]。
脚注
参考文献
- 周藤賢治、小山内康人 『記載岩石学 : 岩石学のための情報収集マニュアル』共立出版〈岩石学概論〉、2002年。ISBN 4-320-04639-0。
- 角替敏昭 著「変成岩」、指田勝男・久田健一郎・角替敏昭・八木勇治・小室光世・興野純(編) 編 『地球進化学』古今書院〈地球学シリーズ〉、2007年、99-104頁。ISBN 978-4-7722-5204-1。
- 榎並正樹 『岩石学』共立出版〈現代地球科学入門シリーズ〉、2013年。ISBN 978-4-320-04724-2。
関連項目
- 圧力-温度-時間経路
- 変成相
- ^ a b 周藤・小山内 2002, p. 113.
- ^ 角替 2007, p. 99.
- ^ a b 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2。(J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター)
- ^ 都城秋穂・久城育夫 『岩石学II - 岩石の性質と分類』 共立出版〈共立全書〉、1975年、110-112頁、ISBN 4-320-00205-9。
- ^ 黒田吉益・諏訪兼位 『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』 共立出版、1983年、282-288頁、ISBN 4-320-04578-5。
- ^ 角替 2007, p. 100.
- ^ 周藤・小山内 2002, p. 114.
- ^ a b 榎並 2013, p. 119.
- ^ a b 周藤・小山内 2002, p. 115.
- ^ a b 周藤・小山内 2002, p. 116.
- ^ a b 周藤・小山内 2002, p. 117.
- ^ a b c d 榎並 2013, p. 120.
- ^ 榎並 2013, p. 122.
- ^ 周藤・小山内 2002, p. 118.
- ^ a b 周藤・小山内 2002, p. 119.
- ^ 周藤・小山内 2002, pp. 118–119.
- ^ a b 榎並 2013, p. 117.
- ^ 榎並 2013, pp. 117–118.
- ^ a b 榎並 2013, p. 118.
- ^ 周藤・小山内 2002, p. 137.
- ^ 角替 2007, p. 101.
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