坂物語り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/15 15:44 UTC 版)
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当時角川書店社長だった角川歴彦からパーティーの席上で大倉がゲームデザインを行った『センチメンタルグラフティ』ノベライズ版『センチメンタルグラフティ 〜約束』『センチメンタルグラフティ 〜再会』2作の続編要請を受けたものの実現には至らず、『センチメンタルグラフティ』のコンセプトを踏襲したオリジナルの企画として立ち上げられた作品[1]。メディアミックスでは漫画版の他、主人公後藤ときなのフィギュアがユージン(現タカラトミーアーツ)より発売された[2]。
ストーリー
幼い日、初恋の少年と「10年後に再会する」約束を交わした少女は、記憶の彼方にある《誓いの場所》を友人たちの助力を得て探し始める。長崎、神戸、尾道…旅先で出会う様々な人達の「坂」に秘められた物語りに勇気を得、励まされながら各地を巡る彼女は、少年との再会を果す事が出来るのか?
登場人物
- 後藤ときな
- 主人公。源氏山女子学園に通う17歳の帰国子女。幼い頃、再会を誓った少年に会うため「坂」のありかを探すHPを友人たちの協力で開設する。そのホームページが精巧に再現されたウェブサイトがかつて存在したが、現在は閉鎖されている。
- 雄也
- ときなが捜し求める少年。作品の中核たる存在でありながら謎が多く、苗字も不明。
- 美奈子
- ときなの親友で世話好き。メインキャラクターであるが、3人組の中で唯一苗字が不明。
- 小林由佳
- 同じく、ときなの親友。3人組のまとめ役。
- 吉川桃子
- 源氏山女子学園の教師で、ときな達の担任。『セブン』のマスターはオジ[3]。
- マスター
- ときな達が懇意にしている喫茶店『セブン』の主人。本名は「喜久夫」だが苗字は不明。湘南が気に入って開業したらしい。吉川桃子は彼の姪である。
- 七々子
- 尾道の喫茶店『れんが坂[4]』の女性主人で、喜久夫の元恋人。喫茶店『セブン』の名は彼女から採られた。苗字は不明。
- 七々美
- 七々子の姪。喜久夫の七々子への気持ちを確かめるため、鎌倉を訪れ、その道中にときなと出逢う。結局は喜久夫に逢うことが出来ないまま尾道に帰るが、尾道に帰った数日後に、尾道の地でときなと再会する。顔は少女時代の七々子と瓜二つ。苗字は不明。
- 澤村雅也
- 最近芸能界デビューしたばかりで今後の活躍が期待される大型新人歌手。彼が発表した曲の歌詞がときなと雄也の想い出に酷似しているため、ときなたちは彼を雄也と誤認したが別人だったことが判明。実は雄也の親友であり、ときなの探し求めている坂の場所が北海道に在ることを雄也から聴いたとときなに伝える。
書誌情報
純愛・学園ロマンティックシリーズ、角川スニーカー文庫刊、イラスト:甲斐智久。第1巻第3章「長崎の出逢い坂」のみ、主人公である後藤ときなが一切登場せず、物語の本線とも無関係になっている。
- キミといたあの夏 2000年11月1日初版発行、ISBN 978-4044186036
- キミと吹かれた秋色の風 2001年3月1日初版発行、ISBN 9784044186043
- キミを見つけた冬の朝 2001年8月1日初版発行、ISBN 978-4044186050
- そしてキミと出会う夏 2002年4月1日初版発行、ISBN 978-4044186067
- ^ 大倉らいた 「あとがき」『坂物語り 〜キミといたあの夏』、初版、222頁。ISBN 978-4-04-418603-6。
- ^ “坂物語り 後藤ときな”. 2016年5月30日閲覧。
- ^ 伯父と叔父のどちらなのかは不明。
- ^ この『れんが坂』という喫茶店は尾道市西久保町に実在しており、後書にも紹介がある。また、店内にも作中と同じく旅人が自由に書き込みできる旅ノートが用意されている。
固有名詞の分類
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