在日韓国・朝鮮人の歴史 現在

在日韓国・朝鮮人の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 00:33 UTC 版)

現在

今日、在日韓国・朝鮮人は、日本で民族的アイデンティティーを重視した独自のコミュニティーを形成する者、新たに形成することを志す者、帰化する者、日本人配偶者を得て日本人として生きている者、それらの中間的立場や混合的立場をとる者、と生き方している。

在日韓国・朝鮮人の諸組織・朝鮮学校からは、民族教育の必要性が主張されてきた。しかし、同胞に誘われたり、自発的に入学、普通学校から転入など朝鮮学校に通っていた者が同胞教師からの暴力や反米反日金日成崇拝洗脳教育、日本語使ったことを暴露して追い込んでくる「友人」など同級生との自己批判という毎日の総括などの衝撃から朝鮮学校に批判的な立場を取ったり、民族的なモノから忌避する者が増えて人口比から言っても入学する割合が減少している[192][193]

朝鮮学校の卒業生は、各種学校卒のため、日本の学制から除外されているが、国公立大学でも2004年前後から朝鮮学校の卒業を大学入学資格として認定されている。在日韓国・朝鮮人であることを明らかにして、本名で活動する人が以前増えている。日本側では大衆には韓国という国家への認知度は低かったが、2002年FIFAワールドカップ日韓共催、2005年頃から韓流によって韓国への認知度があがっている。オウム真理教の幹部だった村井秀夫を殺害して懲役を終えた元暴力団の在日韓国人男性は2012年のインタビューで「今はリサイクル関係の仕事をしながら、北朝鮮拉致被害者救出の署名集めをしています。僕は在日社会が拉致事件でもっと動くべき、というのが持論です」と拉致問題への在日社会の消極的関与姿勢への意見を述べている[194]

社会的地位

社会的地位の指標として最も重要と考えられている教育年数、職業威信スコアの平均値はいずれも在日韓国・朝鮮人は日本人と同等(差が統計学的に誤差の範囲内におさまっている)である[195]。教育年数、職業威信スコアと並んで社会的地位の指標として重要と考えられている収入には統計学的に有意な差異があり、関西学院大学金明秀教授と埼玉大学福岡安則教授による調査(1997年)、SSM調査研究会による社会階層と社会移動全国調査(1995年)では在日韓国・朝鮮人の方が収入は高くなっている[196]

帰化と日本国籍取得

在日韓国・朝鮮人誕生・死亡・帰化者数

帰化後に利用出来る文字は2008年以前では一部制限があり「澤」・「濱」といった文字が使用できなかった、また「崔」・「鄭」といった韓国人の代表的な名字の利用も出来なかったが2009年に施行された改正国籍法に伴う法務省の通達で利用できる文字が拡大した[197]

在日韓国・朝鮮人から日本に帰化する者の数は、95年に一万人を超えたのを皮切りに年間で毎年4000 - 5000人に上っている。帰化を許可された者は国籍法第10条に基づき、『官報』に帰化前の名前・住所・生年月日が公示される。

また1990年代までに比べれば、韓国・朝鮮系日本人にも韓国・朝鮮系であることを公表する者が増えている。更に最近になると、韓国・朝鮮系は被差別属性であると一方的に決めることこそ差別にほかならず、このような主張をする者は(韓国・朝鮮系か、その他であるかを問わず)いわゆるソーシャル・ジャスティス・ウォーリアーに過ぎないと主張する韓国・朝鮮系日本人も存在する。

日本人との婚姻

在日韓国・朝鮮人の婚姻

2006年、韓国・朝鮮籍所有者と日本国籍者の婚姻件数は8376件で、1961年の1971に比べおよそ4倍、日本国内全体の婚姻件数73万971件のうち、約1%を占めていた[198]。2017年の韓国・朝鮮籍所有者との日本国籍者の婚姻数は3526件、日本国内全体の婚姻件数60万6866件の内約0.5%で2006年と比べると数も割合も半分近く減少している[199][200]

在日韓国・朝鮮人女性と日本人男性間の婚姻件数は1990年の8490件を最高に2015年には2268件、一方、韓国・朝鮮人男性と日本人女性間の婚姻件数は2015年末現在で1566件,1984年に2000件を超えてたが、2010年に2000件を割り減少となっている[201][202]。減少の背景に結婚適齢期世代の少子化があると考えられる。


  1. ^ 「1965年の日韓国交正常化を前に、日本政府が在日韓国人帰還について協議を持ちかけた時も、韓国政府は「彼らの措置は日本が好きにやればいい」と答えており、「棄民政策」と批判されている」[74]
  2. ^ 昭和24年08月13日 5-参-地方行政委 斎藤昇の発言「殊に朝鮮人の問題で一番問題とされまするのは、やはり或る種の政党と特別の関係を持ち、いわゆる共産党員が犯すような事件の際には、朝鮮人の或る者は大抵随伴しておるという問題でありまする」
  3. ^ 昭和25年12月07日 9-衆-本会議 田嶋好文の発言 「日本の犯罪件数の約三分の一は朝鮮人が関連を持つておる。そうした朝連糸を主体といたしました朝鮮人と常に密接な連絡をとり日本共産党が動いておるといたしますならば、この点に対して関心を持つものであり」
  4. ^ 昭和26年02月20日 10-参-予算委 大橋武夫国務大臣「最近共産党員及びこれと同調する一部の朝鮮人等の策動が惡質化。これらによる暴力主義的犯罪が多数発生を見るに、この状態は今後も或る期間続くものと予想いたしております。これは国家治安の上から申しまして極めて重大なこと」
  5. ^ 昭和27年06月30日 13-衆-本会議 中村寅太の発言「共産党がとみに暴力主義的運動の方針を暴力行為による騒擾事件の多くの場合に左傾朝鮮人が主役を演じ北鮮政府の指令によつて多数の在日朝鮮人がわが国の政府当局に向つて正面から戰闘をいどみ治安を撹乱し民生に不安を感ぜしめ」
  6. ^ 昭和27年02月27日 13-参-地方行政委 鈴木一の発言 「一昨年の十月から入国管理庁が発足いたしまして約一年間の間に三千百九十名という朝鮮人を送り帰しておる。今の密入国の大半は、九〇%は朝鮮人でございます」
  7. ^ 昭和25年11月01日 8-衆-外務委「朝鮮人の密入国は対馬を基点といたしまして、その周辺の各県にまたがる地域が圧倒的数字を示しており、 大体全国総数の七割ないし八割が同方面によつて占められているという状況であります。」





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