午後のこ〜だ 名称

午後のこ〜だ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/11 21:28 UTC 版)

名称

午後のこ〜だの名称は、かつてアングラサイト上で「MP3」を逆綴りで「3PM」とし、そこから「午後3時」「午後」と呼んでいた隠語に由来する。MP3のエンコーダ、すなわち午後のこ〜だとなる。また、キリンビバレッジの『午後の紅茶』にかけた駄洒落でもある。

波ダッシュ)が正式な表記であり「午後のこだ」は誤記である。

バイナリ配布問題

2000年11月から、MP3特許ライセンス問題のために実行可能形式およびライブラリ形式での配布が中止された。

そのため、利用希望者はソースコードをダウンロードした上で、自力でコンパイル作業を行う必要があった。プログラミングの知識が無い一般利用者にとって、これは実質的な「配布停止」であった。

結局、2002年3月にMinGWを元にしたコンパイル環境を同梱し、インストール時に半自動的に実行バイナリを生成する方法に変更され、一般にはこれをもって「配布再開」と認識されている。しかし現在でもバイナリ形式での配布は行われていない。

個々の利用者が動作環境で実行ファイルを作成するのだから、それらは私的な生産物であり特許侵害とはならない、という考え方であるが、ダウンロードしたファイルを実行すればほぼ自動的にバイナリが得られる点で、バイナリを配布しているのとほとんど手間が変わらず、この手法をグレーゾーンであるとする意見もある。もっともこの意見では、再配布可能で自動実行できるコンパイラが存在しなければ、ソースコードを配布する事は「グレー」ではなかったのか、といった点で論拠が不明瞭である。

また、名目としても、実問題の処理最適化の研究としてのエンコーダ配布と位置づけられ、利用者がベンチマーク結果を製作者側に送付する(機能として備わっている)ことで研究に協力している、という体裁を取っていた。これにより、午後のこ〜だはmp3のアルゴリズムを業として実施するものではないという建前になっていたが、実際に情報処理学会で午後のこ〜だの開発成果報告が行われている[3]

フロントエンド

ライブラリ(gogo.dll)とフロントエンド(wingogo.exeなど)は別個のソフトウェアとして扱われている。これはgogo.dllを単独で再配布可能とすることで、外部ソフトウェアからの利用を促進するためであったが、上記のバイナリ配布問題が浮上してからは、MP3のライセンス問題をフロントエンドのプログラムに波及させないための一種の防衛手段となった。

2000年に開催されたコミックマーケット58、59で、gogo.dllをACMコーデックとして利用するための「午後のこ〜でっく」と、フロントエンド「午後のこ〜だ with さくらとも呼ばれるひと」が収録されたフロッピーディスクが販売された。このディスクにはgogo.dllは収録されていなかったので、エンコード機能を利用するには別途gogo.dllを入手する必要があった。


  1. ^ 2014年5月15日現在、ソースコード単独では入手できない。
  2. ^ 第200回:iPodに最適なMP3を作る その2 ~ 128kbpsでは表現しきれない「16kHzの壁」 ~”. 藤本健のDigital Audio Laboratory (2005年8月1日). 2023年1月30日閲覧。
  3. ^ MP3エンコーダの高速化”. CiNii Research. 2023年1月30日閲覧。


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