剣竜類 剣竜類の概要

剣竜類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/23 01:18 UTC 版)

剣竜類
Stegosauria
ステゴサウルスの骨格
地質時代
ジュラ紀 - 白亜紀
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
階級なし : 頬竜類 Genasauria
亜目 : 装盾亜目 Thyreophora
下目 : 剣竜下目 Stegosauria
学名
Stegosauria
Marsh1887
和名
剣竜類 (けんりゅうるい)
肉食恐竜の足を骨折させていた尾のサゴマイザー

概要

ジュラ紀から初期白亜紀に生息した。主に現在北アメリカ中国に当たる北半球で発見される。最初期の剣竜は中国で発見されているものの、断片的にはイングランド南部でも見つかり、地理的な起源は明らかではない。このグループの名のもとになったステゴサウルスはもっとも有名な剣竜でもある(日本語の剣竜、中国語の劍龍はもともとステゴサウルスの訳語である)。剣竜類はジュラ紀に繁栄のピークを迎えたが、その痕跡は白亜紀前期で途絶え、中生代の終わりを待たずに絶滅したと思われる。一方、同じ装盾亜目であり、姉妹グループに当たる曲竜類は白亜紀後期に繁栄し、中生代の終りまで生存していた。彼等の命運を分けた要因については、未だに詳細は解明されていないが、白亜紀以降のソテツ類はじめとする裸子植物の衰退と関連があるのではないかともされる。

古生物学

すべての剣竜は剣板(あるいは骨板)と呼ばれる特別な骨の列を持っており、これらが背部から尾部にかけてのプレートとスパイクへと発達している。多くの場合は中間的な形態でスプレイト (Splate) と呼ばれる。

頭骨

特徴的な長く、狭い頭と角質に覆われた嘴をもち、嘴は上顎前方(前上顎骨)、下顎の前方(前歯骨)である。同様の構造がカメ目鳥類でみられる。ファヤンゴサウルスを除き剣竜は前上顎骨の歯を失っている。

姿勢

すべての剣竜が四足歩行性で、四肢には蹄に似たつま先を持つ。ファヤンゴサウルスより後のすべての剣竜は前肢が後肢より短くなっている。短い肢が速度に制限を加え、またその体のサイズが二足歩行を妨げた、そのため速く走れなかったことを示す。

分類学

剣竜はもともとO・C・マーシュにより1887年爬虫類の一つの目として命名された、今日では一般的には装甲を持つ恐竜である装盾類に含まれる下目(あるいは単にクレード)として扱われる。剣竜にはファヤンゴサウルス科 (Huayangosauridae) とステゴサウルス科 (Stegosauridae) が含まれる。

ファヤンゴサウルス科は初期の剣竜の科であり、初期から中期のジュラ紀に生息していた。一般的に後のステゴサウルス科より体が小さく、短く高さのある頭骨を持っていた。通例、中国産の模式属ファヤンゴサウルスのみが含まれる。しかしながら、イングランドより非常に断片的にのみ知られるレグノサウルス (Regunosaurus) は下顎が非常に似ており、この科に含まれる可能性がある。

大多数の剣竜類恐竜はステゴサウルス科に属し、後期ジュラ紀から前期白亜紀に生息していた。最もよく知られた剣竜ステゴサウルスを含んでいる。この科は広範に生息し北半球からアフリカに亘って生息していた。最後の剣竜類の化石はウエルホサウルスなど前期白亜紀の中央アジアから見つかっている。確実かつ最も新しいとされる剣竜はモンゴル産のモンゴロステガスである。

かつて、剣竜に属するとされたドラヴィドサウルス (Dravidosaurus) はインドの後期白亜紀の地層から発見され、最後の剣竜ともみなされたが、現在では剣竜ではなく首長竜あるいは首長竜などが混じった「キメラ」ではないかとされている。古生物学者ピーター・ガルトン等によるそれへの反論及び、インドでは白亜紀末期とされるラメタ累層で剣竜のような足跡化石が見つかっているという指摘もあるが、いずれにせよ、これらは断片的なものであり確実ではない。




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