伏線 伏線の概要

伏線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/10 17:18 UTC 版)

ワーグナーニーベルングの指環』より。ラインの乙女英語版たちがジークフリートに与える警告は、のちに起こる「神々の黄昏」への伏線となる(アーサー・ラッカム画)

ミスリードとなるように企まれた伏線はレッドへリング(燻製ニシンの虚偽)と呼ばれる。また伏線と似た物語上の技術にフラッシュフォワードと呼ばれるものがある。伏線が暗示やほのめかしにとどまるのに対して、フラッシュフォワードは物語上において後で描かれる場面の一部を、読者・観衆に前もって明示的に描出する手法である[5][6]

米国の文芸評論家ゲイリー・モアソン英語版は、「伏線」(foreshadowing)のアナロジーで、その逆を意味する“sideshadowing”という概念を提示している[7]。これはトルストイドストエフスキーの長編小説に顕著にみられるもので、物語上で描かれるある場面が、後で振り返ると物語の主筋とは何の関係もなかったことが分かるというものである。モアソンによれば、こうした方法はフィクションの真実らしさの度合いを高めるのに役立つ。なぜなら、読者は現実の生活が小説のように首尾一貫したものではないことを知っているからである。そしてこうした方法によってもたらされる構成欠如の感覚は、読者に現に起こる出来事の意味を問い、解釈させることを促す[8]

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