ロード (コンピュータ) ロード (コンピュータ)の概要

ロード (コンピュータ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/09 17:10 UTC 版)

ストレージ内の不活性状態のデータを、CPUおよびプログラムからアクセス可能なメインメモリに読み出して活性状態にする動作を、火器の弾薬を弾倉から薬室へセットし射撃可能状態にする装填動作(load、loading)に喩えたもの[要出典]である。

データの保持に電源供給が必要な揮発性メモリのうち、DRAMSRAMよりも低速だが大容量であり、また各種ストレージ機器よりも小容量だが高速に読み書きできるため、コンピュータの主要な作業用データ保持領域として適しており、メインメモリやビデオメモリ(VRAM)に使われている。一般的なアプリケーションソフトウェアは、プログラミング言語の標準ライブラリやオペレーティングシステムに用意されているファイルI/OなどのAPIを使用して、ストレージに保存(永続化)されている情報をメインメモリにロードして作業し、必要に応じて作業結果をファイルに書き戻すことで、高速な処理を実現している。

コンピュータプログラムにおいて、セーブとロードの機能をサポートすることで、作業の中断・終了時に後から途中再開できるようになったり、保存されたデータを別の機器で読み出せるようになったりする。データを不揮発性メモリやストレージに保存しておくことで、電源が切れるなどの不測事態対策にもなるが、書き込み処理の途中で電源が落ちた場合、データが破損して読み出せなくなる可能性もある。重要なデータを保存する場合や、ストレージ容量に余裕がある場合は、いったん別のファイルに書き込んでおいて、書き込みが最後まで完了した後に古いファイルと新しいファイルをスワップする技法が使われる。

同義語は他にもいくつかあるが、多くのBASIC環境でLOADという命令ではない)であったことなどもあり、ロードという表現がポピュラーである。

なお、プロセッサのレジスタとメインメモリの間のやりとりにおいては、メモリからレジスタへの読み出しにはロード命令、レジスタからメモリへの書き込みにはストア命令が使われる。

現代的なCPUの内部には通例SRAMによるキャッシュメモリがいくつかの階層に分けて搭載されており、レジスタにロードするためにメインメモリから読み出したデータはキャッシュメモリにも自動的にロードされて、よく使われるデータへのアクセスを高速化する仕組みになっているが、一般的なコンピュータシステムにおいて、このキャッシュメモリの存在はアプリケーションソフトウェアからは隠蔽されており、キャッシュメモリ上のデータとメインメモリ上のデータの一貫性(キャッシュコヒーレンシ)を自動的に保つようになっている。


注釈

  1. ^ ROMカートリッジの時代でも、データロード中の処理に工夫がなされている作品もある。スーパーファミコン版の『聖剣伝説2』のオープニングでは、圧縮された高精細画像データの展開(デコード)に時間がかかるため、バックグラウンドでデコード処理をしつつオープニングデモを表示している[2]

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