リオ・アビセオ国立公園 リオ・アビセオ国立公園の概要

リオ・アビセオ国立公園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/29 02:46 UTC 版)

リオ・アビセオ国立公園
ペルー
英名 Río Abiseo National Park
仏名 Parc national Río Abiseo
面積 274,520 ha
登録区分 複合遺産
IUCN分類 II(国立公園)
登録基準 (3), (7), (9), (10)
登録年 1990年
拡張年 1992年
公式サイト 世界遺産センター(英語)
使用方法表示

一帯は2016年にユネスコの生物圏保護区にも指定された[2]

地形・気候・植生

この国立公園は、マラニョン川(Marañón)とワジャガ川英語版(Huallaga)に挟まれたサン・マルティン地方に位置し、およそアビセオ川流域の70 % をカバーする形で 2,745.2 km2 の面積を持っている。海抜標高は 350 m から 4200 m である。

公園内は少なくとも7つの気候帯に分かれ、年平均降水量は場所によって約 500 mm から約 2000 mm である。

植生は山地性森林(montane forest)、山地性多雨林(montane rainforest)、熱帯高山性森林、高地アンデス草原帯(パラモ英語版)、乾燥した森林帯などを含んでいるが、公園内のほとんどを構成しているのは高高度の多雨林の一種である山地性雲霧林(montane cloud forest)であり、これは低木や地衣類などで構成されている。この生態系はおよそ標高2300 m 以上の場所に見られる。恒常的に高湿度で、1年を通して降雨に恵まれているが、標高の高い場所ではとりわけそうである。土壌は酸性である。

公園内の高地では980種の植物が記録されており、そのうち13種が固有種である。公園全体では5,000種の植物が生息している。Polylepis multijuga英語版Ceroxylon quindiuense英語版(Andean palm)などが挙げられる[2]

一方、コカの栽培および河川への外来種ニジマスの侵入などは公園内の生態系に悪影響を及ぼしている[3]

野生動物

かつて絶滅したと思われていたヘンディーウーリーモンキー英語版Lagothrix flavicauda)がこの公園内に生息していることが確認されており、この地方の固有種のようである。この地方が1983年に国立公園になり、1990年に世界遺産に登録された大きな理由の一つは、このサルの絶滅が危惧されていることによる。

この公園で見られる他の動物には以下のものがいる。

遺跡

リオ・アビセオ国立公園内に残る遺跡のうち、最大でかつ最も良く知られているものはチャチャポヤス文化英語版(Chachapoyas)の遺跡であるグラン・パハテン英語版(Gran Pajatén)である。この遺跡はサン・マルティン地方の境界線に近い丘の頂上にある。そのそばには、一連の断崖の石墓群であるロス・ピンチュドス遺跡英語版(Los Pinchudos)がある。

リオ・アビセオでの考古学的な調査のほとんどは、コロラド大学の主導で行われている。


  1. ^ Report of the 16th Session of the Committee
  2. ^ a b c d e f g Gran Pajatén Biosphere Reserve, Peru” (英語). UNESCO (2020年6月). 2023年3月29日閲覧。
  3. ^ a b Río Abiseo National Park” (英語). UNESCO World Heritage Centre. 2023年4月29日閲覧。


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