リエナクト 批判

リエナクト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/28 06:42 UTC 版)

批判

ドイツ陸軍のリエナクターによるロシア戦線の再現

リエナクトメントについては多くの批判が存在している。

多くの人がリエナクターの平均年齢は、ほとんどの戦闘での兵士の平均年齢よりも遥かに高いと指摘している。 また体型について、現代人の平均的に以前の歴史上の兵士達より肥満傾向にある。 しかし年齢や体型に基づいて区別する再現ユニットはほとんど無い。 米国ではリエナクターは圧倒的に白人が多く、南北戦争の再現では、黒人の扱いについて常にデリケートな問題に直面している。 また人種による再現性については、見た目上の問題であるとする見方も存在している。 人種による再現の不整合(または適正!)を言う場合、それはFarbな人々によって行われる場合が多くある。 逆にプログレッシブでは人種を問題とせず、兵士の置かれた状況を、本格的に体験するのであれば人種を問わない場合が多いようである。

ある本[8]ではエリート部隊に対する人気について記述されている。

つまり、コマンドー、空挺部隊、武装親衛隊などの「エリート」ユニットに引き寄せられるリエナクター者の傾向について説明している。言わば子供の憧れとして、これらは一般的に再現コミュニティでの過小評価をもたらしている。

ヨーロッパでも同様の問題が存在している。たとえば、英国では、ナポレオン戦争の再現者の大部分が第95ライフル連隊のメンバーとして演じており(おそらくリチャードシャープの架空の人物の人気のため)、中世のグループはプレート装甲の兵士の割合が多すぎるであろう。

一部の退役軍人は「人間の悲劇」を称賛するものとして軍事リエナクトメントを批判している。 ある第二次世界大戦の退役軍人の言葉を借りれば。「 『彼らが戦争がどのようなものかを知っていたならば、決してそれで遊ぶことはなかった』」となる。

日本におけるWW2ドイツ陸軍機関銃陣地の再現

しかし、同時に退役軍人の中には自分自身や自分の戦友、そして部隊の記憶的遺産を引き継ぐ者として、リエナクトを捉える者もいる[9]。 これは個人的な感情や経験の差と、対象となるリエナクターの再現に対する態度によるものであろう。 また過去の戦争において、女性は前線に立つ事が少なかった事に起因する問題がある。 [10] 軍服を着た女性リエナクターの外観が完璧であっても、その戦闘への参加はほとんどの男性のリエナクターには受け入れられないと見なされる。 しかし、日本では大変少数ながら女性リエナクターも各地のイベントに参加してきた歴史がある。 [11]一定の距離から男性の兵士として見えるならば、女性が戦闘員として参加することが許可されている。


  1. ^ リエナクト(Reenactment)”. www.eonet.ne.jp. 2021年7月8日閲覧。
  2. ^ リエナクト(Reenactment)”. www.eonet.ne.jp. 2021年7月8日閲覧。
  3. ^ Strauss. "In the United States, hobby organizations participate in the public reenactment of historical events. The most popular is Civil War reenacting, which can be viewed as a manifestation of the unresolved nature of that war ... Among reenactors, the quest for historical authenticity is considered a core value."
  4. ^ Stanton. p. 34
  5. ^ Hadden pp. 209, 219
  6. ^ Hadden p. 8. "Ross M. Kimmel states that it was used at the Manassas reenactment in 1961 ... George Gorman and his 2nd North Carolina picked up the term at the First Manassas Reenactment in 1961 and enjoyed using it constantly with condescension and sarcasm directed toward other units."
  7. ^ a b Lowenthal, David, ed. (2015), “Replacing the past: restoration and re-enactment”, The Past Is a Foreign Country ? Revisited (Cambridge: Cambridge University Press): 464?496, ISBN 978-0-521-85142-8, https://www.cambridge.org/core/books/past-is-a-foreign-country-revisited/replacing-the-past-restoration-and-reenactment/85D12C84DD94F5010CDFFC5C348101F3 2020年12月3日閲覧。 
  8. ^ Thompson, Jenny. Wargames: Inside the World of 20th Century Reenactors (Smithsonian Books, Washington, 2004). ISBN 1-58834-128-3ISBN 1-58834-128-3
  9. ^ リエナクト(Reenactment)”. www.eonet.ne.jp. 2021年7月8日閲覧。
  10. ^ Joseph B. Mitchell, quoted in Brown, Rita Mae (1988年6月12日). “Fighting the Civil War Anew”. The New York Times. https://www.nytimes.com/1988/06/12/travel/fighting-the-civil-war-anew.html 2020年12月3日閲覧。 
  11. ^ Auslander, Mark (2013). “Touching the Past: Materializing Time in Traumatic "Living History" Reenactments”. Signs and Society 1: 161?182. doi:10.1086/670167. https://www.journals.uchicago.edu/doi/pdfplus/10.1086/670167. 





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  リエナクトのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「リエナクト」の関連用語

リエナクトのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



リエナクトのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのリエナクト (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS