ライプニッツの調和三角形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/26 00:57 UTC 版)
性質
一般の項は二項係数を用いて
で与えられる。特に、項は全て単位分数(分子が 1 の分数)であり、分母は順に
- 1, 2, 2, 3, 6, 3, 4, 12, 12, 4, 5, 20, 30, 20, 5, …(オンライン整数列大辞典の数列 A3506)
である。さらに、調和三角形は左右対称であり、その第 r 行は、パスカルの三角形の第 r 行の逆数を r で割ったものである。また第 c 列は、パスカルの三角形の第 c + 1 列の逆数を c で割ったものである。このため第2列は矩形数の逆数になる。
パスカルの三角形の r 行 c 列の項を P(r, c) とおくと、1 < c < r に対して
が成り立つことと対比して、調和三角形においては定義からすぐに導かれるように
が成り立つ。すなわち、調和三角形のある項は、そのすぐ右下の数から左斜め下に進む先の全ての項の無限和に等しい。三角形の第1列の和は調和級数であって発散するが、これを除く第 c 列の和は 1/(c - 1) である。例えば、第2列の和は三角数の逆数の和の 1/2 であり、これは 1 に等しい。ゆえに、三角数の逆数の和は 2 である。第3列の和は四面体数の逆数の和の 1/3 であり、これは 1/2 に等しい。ゆえに、四面体数の逆数の和は 3/2 である。第4列の和は五胞体数の逆数の和の 1/4 であり、これは 1/3 に等しい。ゆえに、五胞体数の逆数の和は 4/3 である。以下同様に、n + 1 次元単体数の逆数の和は 1 + 1/n となる。
- ^ ボイヤー、pp. 14, 15
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