マンドリンオーケストラ ドイツ・オーストリアへの普及

マンドリンオーケストラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 03:52 UTC 版)

ドイツ・オーストリアへの普及

ドイツでもマンドリンは盛んで、現在も多くの作品が発表されている。ドイツではマンドリンオーケストラはツプフ・オーケストラ(Zupforchester)と呼ばれ(ツプフとはドイツ語で、はじくの意味)、編成はマンドロンチェロを除いた弦楽5部が主体で(ギタローネ/バスギターやリュート、テオルボなどが加わる場合がある)、出発点が小規模な室内楽的なものであったことがうかがえる。

ドイツでは1920年代からコンラート・ヴェルキ管楽器打楽器を加えて大規模な編成を想定した作品を発表しイタリアのマンドリンオーケストラに対抗するかのような動きもみられたが、1933年ヘルマン・アンブロジウスがまったく逆の発想で作曲した「組曲第6番」を発表し、ツプフ・スタイルを確立した。

アンブロジウスが確立したツプフ・オーケストラの特徴は、トレモロ奏法ではなくピック奏法を中心にすえていることである。曲調も旋律に重きを置くロマン派の影響が色濃いイタリアの作品とは異なり、楽曲の構造を重視した新古典主義音楽が理論的支柱になっているようである。

それ以後、ヴェルキもツプフ・スタイルの曲を作るようになり、クルト・シュヴァーエンディートリヒ・エルトマンヘルベルト・バウマンジークフリート・ベーレントらがそれに続いたが、往年のイタリアと事情が異なるのはマンドリンのための作品を主体に作曲活動を行っているのではない一般の作曲家もマンドリンオーケストラのための作品を数多く手掛けていることである。近年は北欧、南米、東欧出身の作曲家も参入しており、現代音楽民族音楽の要素を取り入れた多様な作品が発表されている。

なお同じドイツ語圏のオーストリアではツプフオーケストラではなくMandolinenorchesterの語が用いられており、編成や作品の傾向も異なる。




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