ペイルライダー (ガンダムシリーズ) 量産検討機

ペイルライダー (ガンダムシリーズ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 07:20 UTC 版)

量産検討機

ペイルライダー・キャバルリー

PALE RIDER CAVALRY

漫画版『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』に登場(型式番号:RX-80PR-2)。

ペイルライダー計画の集大成となる量産検討機で、そのため「キャバルリー(騎士団)」の名を冠する。量産化のための安定性とコストダウンのために再設計され、余剰な装備が排除されているものの、高い機体性能を誇る。頭部は額部にV字アンテナが追加され、ツイン・アイのゴーグルが廃され形状もガンダム・タイプに近くなっている。塗装も白・青(ダーク・ブルー)・赤のトリコロールを採用している。一般兵士用にHADESはデチューンされてリミッターが設けられているが[2]、発動時には戦況を変えるほどの性能を発揮する[2]。ただし、機動時にはかなりの負担がかかり、暴走の危険性も残されたままである。

主兵装は複合型特殊武装「シェキナー」を携行。これはジャイアント・ガトリング、メガ・ビーム・ランチャー、マイクロ・ミサイル・ランチャーを一つに集約したもので、複数の武装を装備する際のデッド・ウェイトを解消している。ミサイル・ランチャーは、試作型シェキナーよりビームの出力が下げられ、それにより期待されていた火力が得られないために増設されたものである[24]。また、ペイルライダーと共通する頭部バルカン砲、ビーム・サーベル(兼ビーム・ジャベリン)×2、ハイパー・ビーム・ライフル、シールドも標準兵装とする。また、胸部・肩部・腰部前後・膝部・足首に原型機にはない増加装甲がほどこされている[注 3]

ソロモン攻略戦の際に、グレイヴが座乗するペガサス級強襲揚陸艦「フォレスタル」に随伴するアンティータム級補助空母に1機が搭載されるが、グレイヴに謀反を企てるスレイヴ・レイスにより、奪取される。トラヴィス・カークランド中尉が搭乗し、そのままフォレスタルを撃沈しようとするが、ビグ・ザムの砲撃をHADESによって間一髪でかわし、その高速機動でトラヴィスは脳震盪を起こす。その後、半壊したムサイの艦内にてエドワード・リーにより、シールドにスレイヴ・レイスの部隊章が描き込まれる。ア・バオア・クー攻防戦の最中、ジオン軍マルコシアス隊を全滅させたペイルライダーと交戦して行動不能にすると、フォレスタルのブリッジへの肉薄から紆余曲折を経て、バルカン砲でグレイヴの暗殺を遂げる。その後、本機の去就は不明。

原典であるゲーム版には登場せず、展開も異なることから、実機の存在自体に疑問を呈する資料もある[25]

ペイルライダー・デュラハン

漫画版『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』に登場(型式番号:RX-80PR-3)。名称と型式番号はWEB企画『アナハイム・ラボラトリー・ログ』第2話により[10]、漫画版の作中では単に「デュラハン」と呼ばれる。

一年戦争終結後に、組み立て途中で投棄されていたキャバルリーをもとに復元した機体[25]。HADESが搭載されていないことから、首なし騎士「デュラハン」のコードネームが付与されているが[25]、それ以外にキャバルリーとの差はない(ただし、増加装甲はほどこされていない)。専用武装であるシェキナーが失われていることから[25]ジーライン・アサルトアーマーのヒート・ランスやジム・ガードカスタムのガーディアン・シールドといった、ほかの機体の特殊装備が集められている[25]。また、一般装備のハイパー・バズーカも使用している。塗装はブルー・グレーとクリーム・イエローを基調とする[25]

HADES被験体の生き残りであるフィル・デールが搭乗。宇宙世紀0080年6月5日、地球に降下するコムサイにペイルライダー(グライスナー機)が搭載されていることを偶然確認し、HADES奪還のために地上で追撃を続ける。マリアナ諸島での戦闘でペイルライダーに組み敷かれてともに湖に沈み、ペイルライダーのバックパックの爆発によって大破する。なお、ゲーム版には登場しない。

ペイルライダーD II

諸元
ペイルライダーD II
PALE RIDER D II
型式番号 RX-80PR-4
所属 ティターンズ
頭頂高 18.0m[10]
本体重量 43.7t[10]
全備重量 56.7t[10]
装甲材質 ルナ・チタニウム合金[10]
武装 複合型特殊武装シェキナー
ビーム・ライフル
ビーム・サーベル×2
シールド

アナハイム・ラボラトリー・ログ』第2話に登場。

ペイルライダー・デュラハンの兄弟機であり[2]、宇宙世紀0084年における近代化改修が加えられた[10]後継機[2]。改修はオーガスタ研究所が担当している[10]ティターンズジム・クゥエルに代わる次期主力機を検討している段階でデータ収集のために運用されており、ティターンズ・カラーである濃紺を基調に塗装されている[10]

ジム・スナイパーIIをベースとし[2]、パーツはデュラハンのファーストロット損失に伴い、新たにセカンドロットとしてティターンズが用意させている[10]。HADESはオミットされたままであり、機体構造もデュラハンと共通するが[2]、リニア・シートの導入、センサー類・アビオニクスの刷新、スラスター類の強化など数々の近代化改修を施し、性能向上が図られている[10]。頭部はV字アンテナが廃され、カメラ・アイにゴーグルが装着されており、初代ペイルライダーに近い外観となっている。また、シェキナーや増加装甲も用意され[10]、中距離戦闘を中心としてより多彩な戦況に対応可能となっている[2]

宇宙世紀0084年9月、アレキサンドリア級重巡洋艦アル・ギザ所属の第7小隊に配備された機体がジオン残党軍と交戦し、ガルバルディα1機を撃破するが、別の青い高機動型ガルバルディαに両腕を切断され、戦闘不能となる[26]

漫画『機動戦士ガンダム ウェアヴォルフ』では、0087年にティターンズ所属のペガサス級強襲揚陸艦「ヘカーテ」に予備機を含む3機が搭載されている。また、0085年のサラミス改級巡洋艦を母艦とする同じ部隊のMS隊隊長ロビソン・シュライカー大尉が搭乗し、ジム・クゥエル2機をしたがえている。


注釈

  1. ^ "Rymm・Pa" とする資料もある[18]
  2. ^ 後に隊長機が満身創痍ながら自力で活動できる状態で再登場するためブラックライダーも残存している可能性があるが、作中で爆発後の状態・所在について語られることはなかった。
  3. ^ 漫画第2巻の巻末に、装甲を外した状態の設定画が掲載されている。
  4. ^ ただしアルファベット表記は "TODESRITTER"。

出典






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