フロリダバス 分類・分布

フロリダバス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/29 23:28 UTC 版)

分類・分布

フロリダバスが最初に正式に記述されたのは1822年のことで、フランス人博物学者のシャルル・アレクサンドル・ルスールによりCichla floridanaと記された。 分類学上のタイプは東フロリダから採種された。オオクチバス (M. salmoides)と同じ種でありつつもその亜種であると考えられていたが、しかしながら近年では、はっきり別の種であると扱われている[2]。2022年の系統発生の研究によると、これらが別個の種であることを支持するだけでなく、それまで考えられていたよりも広範囲に分布していたことも判明した。実際にM. salmoidesのタイプ産地はM. floridanusの生息域内であることが判明した。つまりベルナール・ジェルマン・ド・ラセペードによって1802年にM. salmoidesだと記された種は、フロリダバスであってオオクチバスではないということになる。この場合、フロリダバスの正しい二名法による学名はM. salmoidesであって、M. floridanusジュニアシノニムということになる。オオクチバスはM. nigricans (Cuvier, 1828)と改名され、オオクチバスの生息域であるヒューロン湖をタイプ産地としている[3]

本種は本来日本に生息していなかったが、1990年代後半になって奈良県池原貯水池に生息するブラックバスからフロリダバスの遺伝子が発見された(北川ら、2000)のが本種が日本で公式に確認された最初の記録である。

形態

全長50-70cm、体重3-6kgほどだが、85cm、11.35kgのものが捕獲されている(スレ掛かりだったため、公式には認められていない)[要出典]。体は非常に延長してやや側扁する(左右に平たい)。口は大きく、下顎は上顎よりも前に突出する。口裂の後端は瞳孔直下よりもうしろに位置する。背鰭(せびれ)と臀鰭(しりびれ)の棘(とげ)は鋭い。全身を大きな櫛鱗(しつりん)で覆われる。体色は暗いオリーブ色で腹側は色が淡く、体側に幅広い暗色で不明瞭な縦帯(縦縞)がある。

生態

止水環境を好み、フロリダ半島湖沼や流れの緩やかな河川に生息する。肉食性で、小魚や大型甲殻類ザリガニなど)を食べる。春から初夏にかけてが繁殖期で、雄は浅いすり鉢状の産卵巣を作り、そこに雌を導いて産卵させる。孵化した仔魚を雄が保護する習性がある。日本における生態は、未だ研究事例がないので不明である。


  1. ^ a b シノニム・学名の変更 日本魚類学会 2023年1月5日更新 2023年1月23日閲覧
  2. ^ Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2022). "Micropterus floridanus" in FishBase. June 2022 version.
  3. ^ Daemin Kim; Andrew T. Taylor; Thomas J. Near (2022). “Phylogenomics and species delimitation of the economically important Black Basses (Micropterus)”. Scientific Reports 12 (9113). doi:10.1038/s41598-022-11743-2. 






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