オオクチバスとの差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 10:08 UTC 版)
「フロリダバス」の記事における「オオクチバスとの差異」の解説
フロリダバスとオオクチバス(ノーザンラージマウスバス)を形態的に区別する決定的な形質は側線有孔鱗数であり、オオクチバスでは68枚以下であるのに対して、フロリダバスでは70枚以上であるとされている (Tomelleri and Eberle, 1990)。幽門垂数や脊椎骨数にも相違がみられる (Chew, 1975)。また体側の縦帯が、オオクチバスでは明瞭で連続した帯であるのに対して、フロリダバスではこれが不明瞭で、しばしば断続的になる (Tomelleri and Eberle, 1990)。 遺伝的にも両種は明らかに相違し、フロリダバスとオオクチバスの間ではいくつかのアイソザイム系遺伝子座で対立遺伝子が置換し (Philipp et al. 1983)、またミトコンドリアDNA分析の結果でも両種に固有なハプロタイプが報告されている (Bremer et al. 1998)。 その他の特徴として、フロリダバスはオオクチバスよりも成長度が卓越しているとされ、全長70cmを越えるものも珍しくないと言われている。しかしながら、北米においてフロリダバスとオオクチバスを同じ条件で飼育した多くの研究結果では、むしろフロリダバスの方が成長が劣り(Zolczynski Jr. and Davis 1976; Isely et al. 1987; Kleinsasser et al. 1990; Williamson and Carmichael 1990; Philipp and Whitt 1991)、フロリダバスの成長がよいのはフロリダ半島という生息地の温暖な気候によるものであろうと考えられている (Chew, 1975)。 さらに、継続的接触機会を与えられた両種は生殖能力のある種間雑種を容易に生じ (Tomelleri and Eberle, 1990)、戻し交雑も多い (Isely et al. 1987)。
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