フォージャサイト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/04 17:23 UTC 版)
合成
フォージャサイトは他のゼオライトと同様に、アルミン酸ナトリウムなどのアルミニウム源とケイ酸ナトリウムなどのシリカ源から合成される。カオリナイトなどの他のアルミノケイ酸塩も原料として使われる。これらの原料を水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ条件下で溶解させ、およそ70から300 °C (典型的には100 °C) の条件下で結晶化させる。
一般にゼオライトはSi/Al比が高くなるにつれ安定性が向上することから、比較的Alの少ないゼオライトYは高温条件下で安定な固体酸触媒として利用できる。まずNa+型のゼオライトYをアンモニウム (NH4+) 型へイオン交換処理をする。その後500 °C以上で加熱する事でアンモニア (NH3) が脱離し、プロトン (H+) 型となる。
ゼオライトYに対し水蒸気処理および酸処理により脱アルミニウムをする事でさらに安定化できる。こうして得られたものはUSY (Ultra Stable Y) ゼオライトと呼ばれ、工業的に重要な触媒である。さらに徹底的に脱アルミニウム処理を行うとシリカ (SiO2) に近いフォージャサイトが得られる[7]。
用途
フォージャサイト、特にゼオライトYは重油からガソリンや軽油といった軽質な炭化水素を得る流動接触分解の触媒として使われる。白金やパラジウムを担持させることで水素化分解に用いることもでき[7]、芳香族に富んだ生成物を得ることができる。
一方、ゼオライトXは吸着剤として有用である。比較的大きな分子の吸着に使われるモレキュラーシーブ13Xとして知られる。また、ガス流からCO2を選択的に吸着することが報告されている[8]。空気分離において空気の予備精製に使われている。
- ^ a b The Faujasite group on Mindat
- ^ a b Faujasite. Handbook of Mineralogy.
- ^ a b Faujasite. Mindat.
- ^ a b Faujasite Mineral Data. Webmineral.
- ^ International Zeolite Association, Database of Zeolite Structures
- ^ Hriljac J.A.; Eddy M.M.; Cheetham A.K.; Donohue J.A.; Ray G.J. (1993). “Powder Neutron Diffraction and 29Si MAS NMR Studies of Siliceous Zeolite-Y”. Journal of Solid State Chemistry 106: 66–72. Bibcode: 1993JSSCh.106...66H. doi:10.1006/jssc.1993.1265.
- ^ a b Scherzer, Julius (1989). “Octane-Enhancing, Zeolitic FCC Catalysts: Scientific and Technical Aspects”. Catalysis Reviews 31 (3): 215. doi:10.1080/01614948909349934.
- ^ A1 USA US20020178914 A1, Timothy Golden, "Process for reducing the level of carbon dioxide in a gaseous mixture", published Dec 5, 2002
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