ピール地区教育委員会
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民族的・文化的な許容度
カナダの学区において、ピール委員会は最も民族的・文化的に多様性がある。ピール地区教育委員会は、様々な文化や民族集団を受け入れて包括することを意図した手続きや方針を制定しており、教育委員会理事ブライアン・ウッドランドはこの地区では多様な宗教が受け入れられていると語った[12]。様々な背景の学生を収容するために、教育委員会はカリキュラムを随時変更している。 例えば、宗教・文化的背景から学生が人物を描くことを禁じられている場合、学校は美術のカリキュラムを変更する。ピール地区は、学生が教室でもキルパン[注釈 1]を着用できるようにした、カナダで最初の教育委員会のひとつである。当教育委員会は、宗教指導者が学校内で礼拝式典を執り行うことは認めていない[12]。
プログラム
成人と継続教育
ピール委員会は、様々な成人用プログラムを昼夜と週末に提供している[13] 。中学校のディプロマ(学位)修業を目指す成人を支援するクレジットプログラム、英語能力の発展向上を目指す成人を支援するアダルトESLプログラム、特定の技能向上を目指す成人を支援するリテラシー&基礎スキルコースなどがある。
2011年に設計された、(移民の)新カナダ人が教職に就くことを支援する外国人教師養成コースは、メディアでも報じられた[14]。
ピール委員会はまた、学齢者向けの国際語学プログラムも週末に提供している[15]。中等段階では、中学校のディプロマに向けて単位を取得することが可能である。生徒達は、夜間学校や夏季学校、語学や数学の支援、オンライン教室にもアクセス可能である[16]。
代替プログラム
ピール委員会のオルタナティブ校 (PAS) では、学生の個々の要望に合わせて設計された多彩な代替プログラムを提供している。 以下のプログラムがある。
- 「基盤プログラム(Foundations Program)」-は9学年と10学年の学業を満たしていない高校3年生[注釈 2]のためのプログラム。小規模の学級と個別指導で、学期ごとに3単位の取得を行うもの。
- 「休学・退学でのフレッシュスタートプログラム(Fresh Start Suspension and Expulsion Programs )」-はピール委員会の学校から休学・退学になった学生のうち、行動を変える(再び学びたい)意欲がある者が、フレッシュスタートに参加できる。このプログラムを通して、学生たちは学業を続ける一方で、学校や地域社会の集団関係でうまくやっていくのに必要な技能を学ぶ。
- 「中学・高校の代替プログラム(Junior High, Intermediate, and Senior Alternative Programs)」-は学校から落伍してしまう(授業についていけなくなる)危険のある生徒を対象としている。小規模の学級と個別指導を通じて、学校や社会に対する社会的スキルや態度を改善向上させる。
- 「監督されつつの代替学習(Supervised Alternative Learning、SAL)」-は様々な理由により学校を中退してしまう危険がある、14歳から17歳の生徒向けのプログラムである。SALは、オンタリオ州の中学校のディプロマを取得したり、その他の教育的・個人的な目標を達成するための取り組みを支援するために作られた。
- 「一時的な外部学習リンク(Temporary External Learning Link、TELL)」-は少なくとも高校3年生(日本の学校教育でいう高校2年生)を対象としている。これらの学生は、家庭や仕事の約束のために柔軟なスケジュールを必要としている。
- 「ティーン教育と母性プログラム(Teen Education and Motherhood Program、TEAM)」-は14歳から20歳、9学年から12学年で妊娠または子供がいる学生を対象としている。学業プログラムは、各学生のニーズを満たすために個別化されている。子育てに焦点が当てられており、生徒たちはピール地区の看護婦により実施される毎週のワークショップ(体験講座)に参加している。
地域プログラム
地域プログラムは、6学年、7学年(日本でいう小学校6年、中学1年)あたりから始まる。地域プログラムの学生は、オンタリオ州のカリキュラムの全要件を満たしつつも、自分の興味のある分野を重点学習できる (秋に翌年受けるカリキュラム選択がある)。分野としては、芸術、フレキソ印刷、国際バカロレア、アドバンスト・プレイスメント、国際ビジネス、科学技術、スポーツ、弦楽器、などがある。
フランス語浸け
フランス語のイマージョン・プログラムは1学年から始まり、エクステンディド・フレンチ[注釈 3]は7学年より始まる。ピール委員会は、フランス語浸けにすることが子供のために適切かどうかを決める方法およびフランス語学習に関するその他情報について、オンライン情報を保護者に提供している[18]。
専門家の高技能プログラム
専門家の高技能を学べる主要プログラムは11学年(日本でいう高校2年)から始まり、以下の分野で提供されている。
- 芸術
- ビジネスと起業の研究
- 建設業
- 環境
- 健康とウエルネス
- 接客業と観光業
- 情報通信技術
- 司法、地域社会の安全と緊急サービス
- 製造業
- スポーツ
- 運輸業
地域強化プログラム
ピール地区教育委員会はIELC地域強化プログラムを運営している。これはギフテッド教育プログラムで、「正規の学校プログラムで通常提供されるものを超えた深さと幅の、差別化された学習経験を必要とする、尋常ではないほど高度な全般的知能[19]」を有する、と定義づけられる生徒が対象となる。
中学校段階の強化プログラムのカリキュラムには、このギフテッドに挑戦するための特別な課題やプロジェクトが含まれる。高等学校の段階では、コース教材は同じだが、教授法と課題は生徒のニーズに応じて異なる 。
ピール地区には強化センターとして指定された高等学校が5校あり、9学年から12学年までの強化プログラムとカリキュラムを提供している[20]。強化コースの詳細は学校によって異なるが、ほとんどの学校では強化の核となる必須コースが提供される。強化コースの学生のためのバスと交通は当教育委員会によって提供される[20]。
中学校ランキング
ピール地区教育委員会はフレーザー研究所ランキング制度[注釈 4]を正式にサポートしておらず、学校のランク付けをしていない。同研究所による最新ランキングはフレーザーのウェブサイトで確認できる。
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- ^ “Work In Peel Associate Director of Operational Support Services/Treasurer”. Peel District School Board. 2012年6月8日閲覧。
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- ^ Grewal, San (2011年2月4日). “Tribunal to probe Peel school board discrimination”. Toronto Star
- ^ “Research Report: Hiring and Promotion at the Peel District School Board”. Peel Schools. Turner Consulting Group (2013年1月22日). 2018年12月23日閲覧。
- ^ a b c d Brown, Louise (2013年1月23日). “Peel school board launches plan to hire on the basis of merit, not nepotism”. The Star
- 1 ピール地区教育委員会とは
- 2 ピール地区教育委員会の概要
- 3 民族的・文化的な許容度
- 4 差別の不祥事
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