ピカール=リンデレーフの定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/30 03:16 UTC 版)
その他の存在定理
ピカール=リンデレーフの定理は、解が存在することと、それが一意であることを示す。ペアノの存在定理は存在のみを示し、一意性は示さないが、これは f がリプシッツ連続ではなく、 y において連続であることのみを仮定している。例えば、方程式の右辺が dy/dt = y 1/3 を初期条件 y(0) = 0 として計算すると、連続ではあるがリプシッツ連続ではない。実際、この方程式は一意ではなく、次の3つの解を持っている[3]。
さらに一般的なものとしてはカラテオドリの存在定理があり、これは f に関するより弱い条件の下で(より一般的な意味での)存在を証明するものである。これらの条件は十分条件でしかないが、岡村の定理のように、初期値問題の解が一意であるための必要十分条件も存在する[4]。
- ^ Coddington & Levinson (1955), Theorem I.3.1
- ^ Arnold, V. I. (1978). Ordinary Differential Equations. The MIT Press. ISBN 0-262-51018-9
- ^ Coddington & Levinson (1955), p. 7
- ^ Agarwal, Ravi P.; Lakshmikantham, V. (1993). Uniqueness and Nonuniqueness Criteria for Ordinary Differential Equations. World Scientific. p. 159. ISBN 981-02-1357-3
- ピカール=リンデレーフの定理のページへのリンク