パルムの僧院
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/12 04:26 UTC 版)
作品について
スタンダール自身の手紙によれば、この小説は口述筆記によりわずか52日間で書き上げられたという。
小説の舞台はフィクションである。スタンダールが小説に登場させたパルム大公エルネスト4世なる人物は存在せず、当時実際にパルマ公国を治めていたのはナポレオンの皇后だった女公マリア・ルイーザ(在位:1814年 - 1847年)である。
また、当の「パルムの僧院」はパルマ郊外の未舗装道路の端にあって、現在はイタリアの刑務所・警察学校の敷地内にある。シャルトリューズ会修道院(Chartreuse)は、小説に描かれる僧院(Chartreuse)は、自分たちと何の関係もないとしながらも、身分証明書(パスポート)を提示すれば、季節により時間は異なるが、訪問・見学できるようになっている。なお、当の建物たる僧院は、物語を通じ、たった一度のそれも最終ページに登場するのみで、さして重要な意味を持ってないが、それを題名にしたことがきまって読む人たちを驚かせる。
日本語訳
- 大岡昇平 訳 『パルムの僧院 上』新潮文庫、1951年(改版1997年)。ISBN 978-4102008010。
- 大岡昇平 訳 『パルムの僧院 下』新潮文庫、1951年(再改版2005年)。ISBN 978-4102008027。
- 生島遼一 訳 『パルムの僧院 上』岩波文庫、1952年(改版1970年)。ISBN 978-4003252659。
- 生島遼一 訳 『パルムの僧院 下』岩波文庫、1952年(再改版2014年)。ISBN 978-4003252666。
関連作品
- 1947年に『パルムの僧院』という題名でジェラール・フィリップ主演で映画化された。彼は後に、同じスタンダール原作の『赤と黒』でも主演している。
- 1981年にマウロ・ボロニーニ監督でTVシリーズされた(イタリア=フランス=ドイツ合作)。
- 1982年に宝塚歌劇団がミュージカル作品『情熱のバルセロナ』として脚色舞台化した。
- 1964年製作の映画『革命前夜』(監督ベルナルド・ベルトルッチ)は、この小説を元にしたものである。
- 2014年に宝塚歌劇団がミュージカル作品『パルムの僧院 - 美しき愛の囚人 -』として舞台化している。
- 1 パルムの僧院とは
- 2 パルムの僧院の概要
- 3 作品について
- 4 脚注
固有名詞の分類
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