ハリー・ポッターシリーズの魔法一覧 ハリー・ポッターシリーズの魔法一覧の概要

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ハリー・ポッターシリーズの魔法一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/29 07:25 UTC 版)

ハリー・ポッターシリーズ > ハリー・ポッターシリーズの魔法一覧

概要

ハリー・ポッター』シリーズでは、魔法薬を用いることで魔法を行使できる。熟練者であれば、杖を持たない状態でも、あるいは呪文を唱えなくとも効力が現れる(無言呪文)。ただし、熟練者でも杖を持つことで、あるいは呪文を唱えることで効力を上げる効果があるようである[注 1]。逆に呪文を唱えなければ効力は(使い手によっては比較的)減衰するが、一部の呪文に関しては省略形でも同じ効果が得られる[注 2]。また、呪いなどにおいて同時に使うと効果が混ざって発動するものがある[注 3]。呪文を言い間違えると、まったく効果が出ないか、目的と違う効果(たとえば、対象が燃え上がる、爆発する、別の物に変わるなど)が現れる。一部の呪文には、効果が対になる呪文(開くものと閉めるものなど)が設定されており、これを作中では「反対呪文」と呼ぶ。

呪文のほとんどがラテン語に由来した造語で、複数の言語を組み合わせた造語もある。ラテン語はインド・ヨーロッパ語族に多大な影響を与える言語であるため、インド・ヨーロッパ語族の読者であれば呪文名から意味を想起することができる[1]。よって、正しい言語の知識を持っていれば、新しい呪文を生み出すこともできる。作中ではセブルス・スネイプが新しい呪文を幾つか生み出している。

原書において、各呪文に対する魔法名は、

  • Spell - 対象者/物を変容させる魔法、および呪文全般
  • Charm - 対象者/物に働きかける魔法
  • Jinx - ユーモアのある呪い
  • Hex - 軽度の呪い
  • Curse - 強度の呪い、および闇の魔術

と分類されており、2006年にローリングの公式サイトで定義が解説された[2][3][注 4]

日本語訳には「」「呪文」「魔法」「呪い」「呪詛」などが用いられているが、とくに規則性・統一性はない。また日本語版の小説には「アクシオ 来い!」「ステューピファイ 麻痺せよ!」のように、日本語読者に分かりやすいよう呪文の意味が併記されている。連呼する場合は「アクシオ!出てこい!アクシオ!」や「ステューピファイ! 麻痺せよ!」「麻痺せよ!」のように片方だけになる。

呪文一覧

あ行

アグアメンティ(Aguamenti / 水よ・水増し)
「水増し呪文」。杖の先から水を噴出させる。反対呪文は「インセンディオ(燃えよ)」。ホグワーツ魔法魔術学校では、6年生で習う。
アクシオ(accio / 来い)
「呼び寄せ呪文」。離れた場所にある物体を、術者の側に呼び寄せる。ホグワーツでは4年生の「呪文学」で習う。
良くも悪くも効力は非常に強く、呪文学教授のフィリウス・フリットウィックはテスト用紙を集める際に使用するが、用紙全部が勢い良く飛んできたため、小さなフリットウィックは吹き飛ばされた[4]

アセンディオ(Ascendio /上昇せよ・昇がれ)

「上昇呪文」。物体を持ち上げる呪文。第4巻『炎のゴブレット』でハリー・ポッターが水の中から出るために使用。

アナプニオ(Anapneo / 気の道開け)
気管に食べ物などの障害物が詰まった際、その障害物を取り除くことができる。第6巻『謎のプリンス』でマーカス・ベルビィが雉肉を喉につまらせた際にホラス・スラグホーンが使用。
アパレシウム(Aparecium / 現れよ)
透明インクで書かれた文字を強制的に出現させる。第2巻『秘密の部屋』でハーマイオニー・グレンジャーリドルの日記に対して使用。
アロホモラ(Alohomora / 開け)   
扉にかかっている鍵を開けることができる。反対呪文は「コロポータス(閉まれ)」。この魔法を無効にする魔法も存在する。

イモビラス(immobilus /縛れ)

「縛り術」。対象の動きを止め、その場で動けなくする。防犯ブザーの機能を止める機能もある。

インカーセラス(Incarcerous / 縛れ)
対象にロープを巻きつけ、縛り上げる。対象の首にロープを巻きつけ、窒息に至らしめることも可能。ドローレス・アンブリッジケンタウルスに対して使用し[5]、怒りをかう。
インセンディオ(Incendio / 燃えよ)
対象を炎上させる。煙突飛行粉にもこの呪文が使われている。反対呪文は「アグアメンティ(水よ・水増し)」。
インパービアス(Impervius / 防水・防火せよ)
水をはじくことができる[6]。第3巻『アズカバンの囚人』で、ハーマイオニー・グレンジャーハリー・ポッターの眼鏡に使用。
インペディメンタ(Impedimenta / 妨害せよ)
対象を妨害し、その人物の動作を遅延・一時停止させる。相手を吹き飛ばすことも可能。
ウィンガーディアム・レヴィオーサ(Wingardium Leviosa / 浮遊せよ)
「浮遊術」。ホグワーツでは1年生の「呪文学」で習う。呪文の発音がやや難しく、ロン・ウィーズリーは初めての妖精の魔法の授業ではよく「ウィンガディアム・レヴィオサー」と発音を間違えて失敗するが、その後トロールと戦った際には成功し、この呪文でトロールを気絶させる。
映画『賢者の石』ではロンの言い間違いが「ウィンガーディアム・レヴィオサー」となっている。また、シェーマス・フィネガンは「ウィンガード・レヴィオーサ」と言い間違え、対象物が爆発する。
また、原作では、「ウィンガーディアム・レビオーサ」と発音し、「ウィンガーディアム・レヴィオーサ」は間違いとなっている。
エイビス(Avis / 鳥よ)
杖から鳥を出す。第4巻『炎のゴブレット』でオリバンダー老人が使用。
アプリ『Harry Potter』では読みが「アビス」になっている。
エクスパルソ(Expulso / 爆破)
対象を爆破する。第7巻でアントニン・ドロホフが使用。
エクスペクト・パトローナム(Expect patronum / 守護霊よ来たれ)
「守護霊の呪文」。銀白色で半透明の守護霊を創り出す。形状はさまざまな動物(魔法生物を含む)を模しており、どの動物の形状かは術者によって異なる。守護霊を出現させることで吸魂鬼(ディメンター)を追い払うことができる[注 5]ほか、熟練者になると守護霊に伝言を託すことも可能となる。
守護霊を創り出すためには幸福なこと[注 6]を思い浮かべる必要がある。そのため術者の精神状態や人間関係に影響されやすく、守護霊の形状が変化することもある[注 7]。第3巻で、ルーピンがハリーに教える。
ハーマイオニーが唯一苦手な呪文。
エクスペリアームス(Expelliarmus / 武器よ去れ)
「武装解除呪文」。紅の閃光を放ち、対象の持っているもの[注 8]を強制的に吹き飛ばす。術の当て場所や練度しだいで、武器を持つ人間も同時に吹き飛ばしたり、吹き飛ばした武器を自分の手元に誘導したりすることもできる。ハリーが得意とする呪文のひとつ。
第2巻の日本語版ではスネイプが「エクスペリアーム」と唱える。
第5巻でダンブルドア軍団に入ったチョウ・チャンはハリーにこの呪文を教わるが「エクスペリアーミウス」「エクスペリメリウス」と言い間違える。前者は何も起こらず、後者は対象物が燃える。
また、ニワトコの杖の所有者に対しこの呪文を命中させると、ニワトコの杖の忠誠心を得ることができる。
映画版では作品によって術の表現が変わっている。
エネルベート(Enervate / 活きよ)
失神した者の意識を回復させることができる。反対呪文は「ステューピファイ(麻痺せよ)」。文庫版『炎のゴブレット』では下記の「リナベイト」に変更されている。
エバネスコ(evanesce / 消えよ) 
その場にあるものを消失させる。ミネルバ・マクゴナガルが語るところによると、消失したものは「非存在に。つまりすべてに」いく。上下水道設置前のホグワーツではトイレの代わりにこの呪文が使われていた。生物にこれを行使する際は対象の生物が複雑になるにつれ行使が困難となる。最大の難関は子猫の消失で、ハーマイオニーは5年次にこれをなんとか成功させる。
エピスキー(Episkey / 癒えよ)
対象の負傷部位に杖を向けて呪文を唱え、対象に応急処置を施す。骨折などの場合には痛みをともなうこともある。
ルーナ・ラブグッドがハリーに使用し、ハリーの鼻の骨折を治すが、勢いよく骨折が治ったためハリーは痛そうに鼻を抑える。
エマンシパレ(Emancipare / 解け)
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でドラコ・マルフォイが自身に使用。拘束から解放される。
エレクト(Erecto / 立て)
対象を立たせる。第7巻でハーマイオニーがテントを設営するために使用。
エンゴージオ(Engorgio / 肥大せよ)
対象を肥大させることができる。反対呪文は「レデュシオ(縮め)」。第4巻でアラスター・ムーディが蜘蛛を大きくするのに使用。
オーキデウス(Orchideous / 花よ)
杖に花を咲かせる。第4巻でオリバンダー老人が使用。
オパグノ(Oppugno / 襲え)
第6巻でハーマイオニーが使用。ロンに対して鳥による攻撃をしかける。
オブスキューロ(Obscuro / 目隠し)
対象の目を隠す。第7巻でハーマイオニーがナイジェラスの絵に唱える。また、『呪いの子』で、ハリー・ポッターがドラコ・マルフォイに使用するものの、つけられた目隠しを一瞬で外す。
オブリビエイト(Obliviate / 忘れよ)
「忘却術」「記憶修正術」。対象の記憶を修正・消去する。術者の力量次第では、対象の持つすべての記憶を消去することも可能。忘却術は強力な魔法使いなら破ることができる[注 9]
ギルデロイ・ロックハートがもっとも得意とする呪文で、これを使ってなんらかの功績を残した人物から話を聞き出し、その部分の記憶を消去することで、他人の功績を自分のものにしてきた。ロンに使用した際は、折れていた杖を使ったため術が逆噴射し、自身の記憶をすべて失う。
魔法省魔法事故惨事部には、魔法を見たマグル(非魔法族)の記憶を修正することを仕事とする「忘却術士」が勤務している。

か行

カーベ イニミカム(Cave inimicum / 敵を警戒せよ)
第7巻で、ハリー、ロン、ハーマイオニーがキャンプを張るときに使用する防衛呪文のひとつ。
グリセオ(Glisseo / 滑れ)
階段等を滑るように変える呪文。第7巻でハーマイオニーが使用し、足下の階段が滑り台に変化する。
クワイエタス(Quietus / 静まれ)
ソノーラス(響け)」によって響かせた自分の声をもとに戻す。第4巻でルード・バグマンが使用。
コロポータス(Colloportus / 閉まれ)
扉を完全に閉鎖する。この呪文で扉を閉めると、「グチャ」と音がする。
アロホモーラ(開け)」の反対呪文。
コンファンド(Confundo / 錯乱せよ)
対象を錯乱させる「錯乱呪文」。物に対して掛けることも可能であり、第4巻では、三大魔法学校対抗試合の選手を選ぶゴブレットが錯乱させられる。
映画版(『ファンタスティック・ビースト』シリーズも含む)では、呪文名が「コンファンダス」となっている。
コンフリンゴ(Confringo / 爆発せよ)
「爆発の呪い」。対象物を爆発させる。第7巻でハリーやハーマイオニーが使用。

さ行

サーペンソーティア(Serpensortia / ヘビよ出よ)
蛇を出現させる。第2巻の決闘クラブでドラコ・マルフォイが使用。
サルビオ・ヘクシア(Salvio hexia / 呪いを避けよ)
第7巻で、ハリー、ロン、ハーマイオニーがキャンプを張るときに使用する防衛呪文のひとつ。
ジェミニオ(Geminio / そっくり)
対象のダミーを作る。第7巻では、グリンゴッツ魔法銀行にあるレストレンジ家の金庫に「双子の呪文」が施されている。
シレンシオ(Silencio / 黙れ)
対象を一時的に黙らせる。
第5巻でハーマイオニーがアントニン・ドロホフに対して使用し、呪文の威力を軽減させる。
スコージファイ(Scourgify / 清めよ)
対象を清める。「清める」といってもその効果はさまざまで、廃棄物に使用すると対象は消失し、人に使用すると対象の口の中から無数の泡が発生する。これはジェームズ・ポッターがスネイプに使う。
ステューピファイ(Stupefy / 麻痺せよ)
「失神呪文」「麻痺呪文」。対象を失神させることができる。
失神させられると、一定時間経つか「エネルベート(活きよ)」を使用されるまで失神状態が解けず、戦闘では一時的に戦闘不能状態に追い込まれる。また呪文が複数から個人に放たれた場合には生命に影響を及ぼし、第5巻では魔法省の役人4人から同時にこの呪文を撃たれたマクゴナガルが、一時生死の境をさまようことになる。原作小説では、赤い閃光として表現される。
映画『不死鳥の騎士団』では失神に加え、「相手を吹き飛ばす」という効果もある。
ソノーラス(Sonorus / 響け)
自分の声をスピーカーを用いたように響かせる。反対呪文は「クワイエタス(静まれ)」。第4巻でルード・バグマンが使用。
スペシアリス・レベリオ(Specialis Revelio / 化けの皮 剥がれよ)
第6巻でハーマイオニーが、ハリーの「上級魔法薬」の教科書(元はスネイプの教科書)に使用。しかし何も起こらず、効果は描かれていない。

た行

タラントアレグラ(Tarantallegra / 踊れ)
対象にクイック・ステップを踏ませる。第5巻の神秘部の戦いで、ドロホフがネビル・ロングボトムに対して使用する。
ディセンド(Descendo / 落ちろ)
対象を落下させる。第7巻でロンが天井に向かって唱え、跳ね上げ式の梯子を下ろす。また、ビンセント・クラッブは物を積み上げた壁に向けてこの呪文を使い、壁を崩落させる。
ディフィンド(Diffindo / 裂けよ)
対象を引き裂く。人体に行使した場合は対象の身体に切り傷を生じさせる。また、第7巻ではハリーが池の氷を割るのに使用する。
デイフォディオ(Defodio / 掘れ)
第7巻でハーマイオニーが使用。穴掘り呪文。グリンゴッツ魔法銀行から脱出を図るドラゴンを助ける。
デパルソ(Depulso / 退け)
対象を遠くへ吹き飛ばす。『呪いの子』でスネイプがアンブリッジに対して使用する。もとはゲームオリジナルの呪文。
デプリモ(Deprimo / 沈め)
第7巻でハーマイオニーが使用。ラブグッド家の2階の床にかけ、家を崩壊させる。
デューロ(Duro / 固まれ)
呪文が当たったものを固まらせる。第7巻でハーマイオニーが使用。タペストリーを石に変える。
デリトリウス(Deletrius / 消えよ)
第4巻でエイモス・ディゴリーが使用。「プライオア・インカンタート(直前呪文)」によって出現した「闇の印」を消去する。
テルジオ(Tergeo / 拭え)
対象の汚れなどを拭う。
デンソージオ(Densaugeo / 歯呪い)
第4巻でドラコが使用。ドラコはハリーにかけようとするが、ハリーの「ファーナンキュラス(鼻呪い)」の光線とぶつかってハーマイオニーにかかり、ハーマイオニーの歯がリスの前歯のように伸びる。

な行

ノックス(Nox / 闇よ・消えよ)
ルーモス(光よ)」の反対呪文であり、杖先に灯った明かりを消すことができる。ラテン語で「闇」という意味がある。

は行

パック(Pak / 詰めよ)
トランクの中などに物を詰め込む。熟練者の場合、かけるだけでひとりでに衣服が畳まれ、そのまま収納できる。
ピエルトータム・ロコモーター(piertotum locomotor / すべての石よ、動け)
石像を動かすための呪文。なかなか使うことがない呪文でもある。
第7巻でミネルバ・マクゴナガルが使用。ホグワーツ城内の石像が、生きているかのように動き出す。
映画『死の秘宝 PART2』では「すべての兵よ、動け」と訳されている。マクゴナガルはこの呪文を使用したあと、モリー・ウィーズリーに「この呪文、一度使ってみたかったんですよ」と嬉しそうに話す。
ファーナンキュラス(Furnuculus / 鼻呪い)
第4巻でハリーが使用。ハリーはドラコにかけようとするが、ドラコの「デンソージオ(歯呪い)」の光線とぶつかって、グレゴリー・ゴイルにかかり、鼻に醜いできものができる。
フィニート・インカンターテム(Finite Incantatem / 呪文よ終われ)
呪文そのものを終わらせる。短縮形の「フィニート(Finite / 終われ)」だけでも同一の効果が得られる。
フェルーラ(Ferula / 巻け)
対象に包帯を巻く。
プライオア・インカンタート(Prior Incantato / 直前呪文)
杖が最近使った呪文の効果を再現させる。第4巻でエイモス・ディゴリーが使用。
ブラキアビンド(Brachiabind / 腕縛り)
相手を縛り上げる。『呪いの子』でハリーやハーマイオニーが使用。
フラグレート(Flagrate / 焼印)
第5巻でハーマイオニーが使用。神秘部の扉に×印の焼印をつける。
フリペンド(Flipendo / 撃て・回転せよ)
物や敵などを撃つことができる。『呪いの子』でドラコがハリーに対して使用する。
もとはゲームオリジナルの呪文。アプリ版ではどちらも衝撃呪文の扱いになっており、相手を吹き飛ばせる。
フルガーリ(Frugari / 閃光)
『呪いの子』で、デルフィーニ・ディゴリーアルバス・セブルス・ポッタースコーピウス・マルフォイに対して使用。この呪文をかけられたふたりは、邪悪に光る紐で両腕を縛られる。
プロテゴ(Protego / 護れ)
「盾の呪文」。許されざる呪文などの一部の呪文を除くほとんどの呪文、さらには矢などの物理攻撃までも防ぐことができる。護身用としてなど幅広く使用できるため、第7巻では魔法省がこの呪文を習得するように指令を発布するが、習得するのは困難であるらしく、フレッド・ウィーズリージョージ・ウィーズリーが開発した「盾の帽子」には注文が殺到する。
プロテゴ・トタラム(Protego Totalum / 万全の守り)
防衛呪文のひとつ。第7巻でハリーたちがキャンプを張る際の防御に使用する。
プロテゴ・ホリビリス(Protego Horribilis / 恐ろしきものから守れ)
防衛呪文のひとつ。魔法を用いた攻撃に対してバリアを発生させ、魔法から身を護る。第7巻で、フリットウィックが城の防衛のために使う。
ペスキ・ピクシ・ペステルノミ (Peschi, pixi, pester flea / ピクシー妖精よ去れ)
第二巻でロックハート教授がピクシー妖精を退散させるために使用しかし失敗に終わる。
ペトリフィカス・トタルス(Petrificus Totalus / 石になれ)
「全身金縛り術」。この呪文が命中した人間は全身が動かせなくなる。声帯や舌も動かせなくなるため話すこともできないが、意識や思考は保たれる。物にかけることもでき、防犯ブザーにこの呪文を行使するとブザー自体が機能しなくなる。
映画版では青い閃光として表現されている。
ポイント・ミー(Point me / 方角示せ)
「四方位呪文」。杖が北を指す。
ホメナム レベリオ(Homenum Revelio / 人現れよ)
隠れている人間の存在を知ることができる。
第7巻でラブグッド家を訪れたトラバースが、ハリーの存在を調べるために使用する。このとき、ハリーは「何かが自分の上にスーッと低く飛んできて、その影の中にハリーの体を取り込むような奇妙な感じがした」という。
ポータス (Portus)
「移動キー」を作ることが可能。

ま行

メテオロジンクス・レカント(Meteolojinx Recanto / 気象呪い崩し)
魔法省の窓から見える天気を変えるのに有効といわれる呪文。第7巻でコーバン・ヤックスリーから部屋の雨降りを直すように言いつけられたレジナルド・カターモールに変身したロンに、アーサー・ウィーズリーがこの呪文の使用を提案する。
アプリ『ハリー・ポッター:魔法同盟』では天候魔法のように変化した混乱呪文を相殺し消し去る魔法になっている。
モースモードル(Morsmordre / 闇の印を)
ヴォルデモートと死喰い人が「闇の印」を上空に打ち上げるときに使用する。
モビリアーブス(Mobiliarbus / 木よ動け)
木を動かす。第3巻でハーマイオニーが鉢植えを移動させる。
モビリコーパス(Mobilicorpus / 体よ動け)
第3巻でリーマス・ルーピンが使用。気絶して動かなくなったスネイプをそのままの状態で浮遊させ、運べるようにする。
モリアーレ(Molliare / 緩めよ)
クッション呪文。『呪いの子』でアルバスらがホグワーツ特急から飛び降りる際に使う[注 10]。無重力状態で地面に着地できる。また、飛行用箒(ほうき)には座り心地をよくするためにこの呪文がかけられており、見えない座布団効果がある。

ら行

ラカーナム・インフラマレイ(Lacarnum Inflamarae / 服よ燃えろ)
身にまとっているものを燃焼させる。

 第1巻でハーマイオニーがスネイプのマント に対して使用。

リクタスセンプラ(Rictusempra / 笑い続けよ)
「くすぐりの術」。銀色の閃光として放たれ、命中した対象者をくすぐり、笑わせる。第2巻でハリーが使用。
映画版では呪文の効果が変更され、ドラコを回転させながら吹き飛ばす。意味も「宙を舞え」となっている。
リディクラス(Riddikulus / ばかばかしい)
まね妖怪(ボガート)を退治する呪文。心の中に滑稽なものを想像しつつ使用する。この呪文により、人を怖がらせるはずのまね妖怪をばかばかしい姿に変える。
映画版では「バカ笑い」と訳されている。
リナベイト(Renervate / 蘇生せよ)
失神した生物を蘇生させる。すでに死んでいるものに対しては効かない。文庫版『炎のゴブレット』では上記の「エネルベート」がこの呪文に変更されている。

ルーマスソレム(Lumus Solem /太陽の光よ)

太陽の光を出す呪文。1巻でハーマイオニー・グレンジャーが悪魔の罠を退治するために使用。

ルーモス(Lumos / 光よ)
杖の先に灯りを灯す呪文。反対呪文は「ノックス(闇よ / 消えよ)」。
ルーモス・マキシマ(Lumos Maxima / 強き光を)
ルーモスの強化版で、杖先に強い光を灯す。映画版でハリーが使用する。
レジリメンス(Legilimens / 開心)
「開心術」。相手の心をこじ開け、記憶や思考を読み取る。閉心術を使うことで防げる。
レダクト(Reducto / 粉々)
「粉々呪文」。対象物を粉々に破壊する。
レデュシオ(Reducio / 縮め)
対象を縮ませる。反対呪文は「エンゴージオ(肥大せよ)」。
レパロ(Reparo / 直れ)
壊れた物を直す呪文。なお、なかに液体が入っていた場合、液体は戻らない。
レペロ・マグルタム(Repello Muggletum / マグルを避けよ)
「マグル避け呪文」。マグルがこの呪文をかけた物に近づくと、急用を思い出し、対象物から遠ざかるようになる。
レラシオ(Relashio / 放せ)
「追い払い呪文」。火花を飛ばして相手を追い払う効果があるが、第4巻でハリーが水中で使用したときは火花の代わりに熱湯が噴射される。また第7巻ではハーマイオニーがドラゴンの足枷に対して使用し、これを爆発させてドラゴンを解放する。
ロコモーター・○○ (Locomotor)
移動のための呪文 (Locomotion Charm) 。物を浮かせ、杖を向けた方向に運ぶ呪文。○○には運びたい物の名前が入る(作中ではトランク)。
ロコモーター・モルティス (Locomotor Mortis)
足縛りの呪い (Leg-Locker Curse) 。第1巻でスネイプがクィディッチの審判をするとき、ハリーを守るため、ハーマイオニーとロンがスネイプにかけようと練習する。ラテン語のmortisは、英語で死後硬直を意味する "rigor mortis" の語源である。
映画『賢者の石』の未公開シーンでは、ネビルがこの呪文をかけられる。

わ行

ワディワジ(Waddiwasi / 逆詰め)
逆詰め呪文。何かに詰められた物を、詰めた者に詰め返す。第3巻でルーピンがピーブズに対して一度使用するだけで、鍵穴にガムを詰めていたピーブズの鼻の穴に、鍵穴から飛び出したガムが詰まるという呪文の鮮やかさからルーピンは生徒に賞賛される。使用する機会は少ないが、必要時にはとても役に立つとされる。

注釈

  1. ^ 第7巻『死の秘宝』で防衛呪文の重ねがけを行うときに、教師たちが呪文を唱える。
  2. ^ 例として後述の「フィニート・インカンターテム(Finito Incantatem、呪文よ終われ)」が原型なのに対して、省略形「フィニート」だけでも同じ効果が得られる。
  3. ^ 鼻呪いとクラゲ足の呪いを同時に使うと身体じゅうにクラゲの足が生える。
  4. ^ 例外もあり、「ロコモーター」という呪文は、第1巻『賢者の石』では足を硬直させる呪い (Leg-Locker Curse) として、第5巻『不死鳥の騎士団』では物を移動させる魔法 (Locomotion Charm) として登場する。
  5. ^ 幻の動物とその生息地』ではレシフォールドという魔法生物への唯一の対抗手段としても紹介されている。
  6. ^ 現実にあったことではない想像でも使用可能で、第5巻ではドローレス・アンブリッジの解任を想像して使用する場面がある。
  7. ^ 作中ではニンファドーラ・トンクス、セブルス・スネイプのふたりが該当。それぞれ、トンクスはおそらくは狼人間(のちに夫となる人狼リーマス・ルーピンの影響)、スネイプは牝鹿(長年の思い人であるリリー・ポッターの守護霊と同じ)になっている。
  8. ^ 魔法使い・魔女にとっての重要な武器として、おもに杖。
  9. ^ ヴォルデモートバーサ・ジョーキンズにかけられた忘却術を破り、聞き出した情報をもとに三大魔法学校対抗試合に罠を仕掛ける。
  10. ^ 第7巻において、グリンゴッツでトロッコから空中に投げ出された際にもハーマイオニーがクッション呪文を使用するが、呪文名は記されていない。映画の同場面では「アレスト・モメンタム」が使用されている。
  11. ^ この呪文で死亡したトム・リドル・シニア一家を検死したマグルの医師団は「毒殺、刺殺、射殺、絞殺、窒息の跡もなく、死亡していること以外は、健康な状態と全く変わらない」と報告した。医師団は、(死体に何とか異常を見つけようと決意したように)「それぞれの顔には恐怖の表情が見られた」と記している。
  12. ^ 原書では「Destination,Determination,Deliberation」。
  13. ^ 術を行使した際、身体の一部がその場に残ること。原書では「splinch」と表記されるが、これは作者ローリングの造語である。
  14. ^ 守人本人が書いた手紙でもよい。
  15. ^ 第6巻でスネイプはベラトリックスに対し、自分は不死鳥の騎士団の本部の場所を知っているが、自分は守人ではないため教えられないと話す。
  16. ^ 不死鳥の騎士団本部の守人だったダンブルドアの死後は、本部の場所を打ち明けられていた団員全員が守人になる。しかし「守人は20人ほど居るから、『忠誠の術』も相当弱まっている」とアーサーが語る。第7巻前半ではハーマイオニーがヤックスリーを連れたまま騎士団本部に姿現しを行ない、秘密を明かすかたちとなる。
  17. ^ 魔法界では17歳以上を成人としている。
  18. ^ 第2巻でドビーが使った浮遊術がハリーの仕業とされ、ハリー宛に魔法不適正使用取締局からの警告文が届く。また、第7巻において「臭い」をつけているという理由から、ムーディらはハリーを付き添い姿くらましさせることを回避する。
  19. ^ 原書では「Furnunculus curse」となっているので「ファーナンキュラス、鼻呪い」のこと。
  20. ^ 以下は『クィディッチ今昔』の15ページからの引用[11]
    人の姿のままで、なんの助けも借りずに飛ぶことを可能にするような呪文は、いまだに考案されてはいない。

    羽のある動物に変身できる数少ない「動物もどき(アニメーガス)」は、飛ぶことができるが、これはごく稀な例である。コウモリに変身した魔女や魔法使いは、空中に舞い上がることができるが、なにしろコウモリの脳みそでは、飛び上がった瞬間、どこに行くつもりだったか忘れてしまうに違いない。

    浮上術はごく普通に行われるが、我々の祖先は、たかだか地上1.5メートルに浮かんでいるだけでは満足できなかった。もっと何かしたかった。羽を生やすという手間なしに、鳥のように飛びたかった[11]
  21. ^ 原書では「Gemino and Flagrante Curses」だが、邦訳は「『双子の呪文』と『燃焼の呪い』」となっている。
  22. ^ 第5巻第28章で、この呪文が命中したジェームズ・ポッターの頬がぱっくりと割れる。
  23. ^ 第7巻第5章で、この呪文が命中したジョージ・ウィーズリーは左耳を失う。
  24. ^ 第1巻第16章で、「スネイプにしかけたのと同じリンドウ色の炎が植物めがけて噴射した」という記述がある。

出典

  1. ^ クリストファー・ベルトン『「ハリー・ポッター」が英語で楽しく読める本』コスモピア、2006年、239頁。
  2. ^ J・K・ローリング公式HP(日本語版)そのほかのこと>その他>呪文の定義
  3. ^ J・K・ローリング公式HP(英語テキスト版)あ Stuff>Miscellaneous>Spell Definitions
  4. ^ 第5巻第28章「スネイプの最悪の記憶」。
  5. ^ 第5巻第33章「闘争と逃走」。
  6. ^ 第4巻第9章「恐怖の敗北」。
  7. ^ 第5巻第3章。
  8. ^ Eleanor Bley Griffiths (2018年3月15日). “JK Rowling reveals the curse on Defence Against the Dark Arts teachers in Harry Potter was inspired by Spinal Tap”. Radio Times. 2020年9月14日閲覧。
  9. ^ 2010: "J.K. Rowling at the White House Easter Egg Roll"”. Accio Quote. 2020年9月14日閲覧。 “"(...) because the job was cursed, as you know."”
  10. ^ Kara Hedash (2020年1月25日). “Harry Potter: How Voldemort Cursed The Defense Against The Dark Arts Position”. ScreenRant英語版. 2020年9月14日閲覧。
  11. ^ a b c ローリング 2001, p. 15.
  12. ^ Ashley Ross (2014年12月17日). “J.K. Rowling Debunks Severus Snape Rumor”. Time. 2020年9月14日閲覧。


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