ニコ 経歴

ニコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 01:28 UTC 版)

経歴

初期

多くの資料では、ニコは1938年10月16日ドイツケルンで生まれたとされるが、少なくとも2つの資料では1943年3月15日ハンガリーブダペストで生まれたとしている[2]

ニコは10代の頃から180cmという長身を生かしパリを中心に『ヴォーグ』、『エル』といったファッション誌のモデルとして活動し、その後、フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』(1960年)等の映画に端役で出演している。ニコはこの頃にニューヨークに移り、しばらくの間、ヨーロッパとアメリカの両方で活動を行った。

1962年に俳優アラン・ドロンとの子供、クリスチャン・アーロン・ブローニュ(ブロングと書かれていることもある)、愛称はアリという男児を出産し世間を騒がせた。アルバム『マーブル・インデックス』に収録された「アリの歌」(Ari's Song)はその名の通りアリのことを歌ったものであり、アルバム『Desertshore』に収録された「Le Petit Chevalier」では、幼い頃のアリのボーカルを聴くことができる。成人したアリは写真家になっている。

1963年にはジャック・ポワトルノー監督の『Strip-Tease』という映画に出演し、セルジュ・ゲンスブールのプロデュースでタイトル曲を録音した。1965年には、ローリング・ストーンズブライアン・ジョーンズの紹介によりイギリスでファースト・シングルを出すが、商業的には成功しなかった。このシングルのB面はジミー・ペイジが作曲・プロデュースしている。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドへの参加

この頃、ボブ・ディランの紹介でアンディ・ウォーホルに出会ったニコは、ウォーホルが主宰する「ファクトリー」の実験映画に参加する。ウォーホルは自らがプロデュースしていたルー・リード率いるヴェルヴェット・アンダーグラウンドにニコを参加させ、1967年3月のファースト・アルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』では4曲でニコがリード・ボーカルをとった。しかし、いわばウォーホルにゴリ押しされた形のニコは他のメンバーに受け入れられず、ニコはデビュー作への参加のみでグループを去る。

ソロ歌手として

同年10月、ボブ・ディラン、ジャクソン・ブラウン等が曲を提供し、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのメンバーも参加したファースト・ソロ・アルバム『チェルシー・ガール』が発売される。また1969年にはイギー・ポップとの録音を残し、そのビデオも制作している。その後も自身が演奏するハーモニウムの音色が耳に残るアルバムを数枚発表するが、1973年の『ジ・エンド』を最後に長い低迷期に入る。

1969年からフランスの映画監督フィリップ・ガレルと交際をし始め、その後結婚するが1979年に離婚している。

1981年に久しぶりに発表されたアルバム『ドラマ・オブ・エクザイル』は、リリースをめぐるいざこざはあったものの、ジョイ・ディヴィジョンバウハウスエコー&ザ・バニーメン、ザ・キュアーのロバート・スミス、モリッシー、ビョーク、パティ・スミス、ソフト・セルのマーク・アーモンド、ザ・カルトといったバンドなどに代表されるゴシック・ロックニュー・ウェイヴ・ムーブメントの中で高い評価を受ける。この時期から、日本を含む世界各地でライブを活発に行い、その模様は多くのライブ・アルバムに記録されている。

1988年7月18日、息子のアリと共に休暇で訪れていたスペインのイビサ島自転車から転倒、頭部を強打し病院に運ばれた。レントゲン写真で脳内出血が確認され、数時間後に息を引き取った。享年49歳。


  1. ^ a b c Unterberger, Richie. “Nico | Biography & History”. AllMusic. All Media Network. 2021年7月4日閲覧。
  2. ^ The Marble IndexでのRichard Williamsによる解説には後者の説が記載されている。






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