トリック (テレビドラマ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/24 04:28 UTC 版)
概要
自称天才マジシャン・山田奈緒子と、日本科学技術大学物理学教授・上田次郎のコンビが、超常現象や、奇怪な事件に隠されたトリックを解決していくミステリードラマのことである。
ミステリー(謎解き)をアウトラインとした構成は、横溝作品を踏襲した内容が多い。その一方で全体的にコメディ要素やパロディ要素、バラエティ番組の要素を取り入れた構成になっており、『金曜ロードショー』をはじめとした裏番組などの他局ネタや時事ネタ、出演者・制作スタッフや舞台裏の事情にまつわる楽屋ネタなどの小ネタ、更にはストーリーには関係のないギャグやおちゃらけ、効果音が随所に挿入され、台詞や視覚・聴覚的効果内に笑わせる演出が多用されているが、その中には伏線になるものも含まれていることがある。
第1シリーズから一貫して「奈緒子・上田vsインチキ霊能者」という図式を通しているものの、稀に犯人捜しから始まるパターンも存在する。また先述の通り、コメディ要素が全面的に押し出されている反面、「犯人が逮捕前に死亡する」「事件解決してもなお被害者が救われない」など、シリアスなバッドエンドも持ち味である。
出演者には芸人やコメディアン、また過去に話題になったタレント、堤と親交がある役者が多数起用されている。
基本的には1エピソード2話構成である(例外的に第1シリーズの「母之泉」は3話、「千里眼の男」は1話、第2シリーズの「六つ墓村」及び「100%当たる占い師」は2.5話<第3話が2部構成>となっている)。
「人間が引き起こす"超常現象"の種を暴く」というスタンスだが、超能力の実在を示唆するエピソードも存在する[注 2]。
主役二人の恋愛要素は思わせぶりな場面はあるものの、製作サイドの意向で極力排除されている。
2000年、2002年に金曜日深夜の「金曜ナイトドラマ」の枠で放送され、好評だったことから2002年末に映画化され、ヒットする。その影響から2003年には10-12月期の「木曜ドラマ」枠でゴールデンに進出し、その後、ブランクを経て、『TRICK 新作スペシャル』と『TRICK 劇場版2』が立て続けに製作され、2005年11月13日に「日曜洋画劇場」枠で新作スペシャルを放送。2006年6月10日から劇場版2が公開された。
2009年11月12日、トリックの新公式サイトにて「祝!十周年トリック大感謝祭」の開催が発表され、同時に3作目の劇場版『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』の公開が明らかとされた。2010年5月8日の同映画公開に合わせ、2010年4月9日から5月14日まで「金曜ナイトドラマ」の枠で、スピンオフドラマ『警部補 矢部謙三』が放送された。
また、2010年5月15日には「土曜ワイド劇場」枠で『TRICK 新作スペシャル2』が放送された。
2013年7月5日より『警部補 矢部謙三』の続編『警部補 矢部謙三2』が放送され、2014年1月11日公開の映画『トリック劇場版 ラストステージ』および同月12日放送の『日曜エンタ・スペシャルドラマトリック新作スペシャル3』にてシリーズは完結した[1][2]。「ラストステージ」発表と同時に「さよなら!トリック祭り!!」の開催が発表された。
注釈
- ^ ロゴではKの文字が左右反転。
- ^ 一例を挙げると、「母之泉」の霧島澄子は教祖として行った様々な現象を奈緒子と上田によって科学的に解明されたものの、本人は本物の読心能力があると自負しており(本人曰く「教祖となって人を騙すようになったのは津村にそそのかされたため」)、死に際には奈緒子の幼少期の記憶を詳細に語っている。
- ^ 20:58 - 21:00に『今夜のドラマスペシャル』も別途放送。
- ^ ケーシーはこれ以降ドラマには1度も出演しないまま、その後2019年4月8日に死去した。
- ^ 書道教室の場面で必ず言っているイメージがあるが、実際、この台詞の初出はテレビドラマ第1シリーズの最終エピソードである。
- ^ 慣用句としては「笑顔がこぼれる」は誤用で、正しくは「笑みがこぼれる」。
出典
- ^ “『トリック劇場版 ラストステージ』OFFICIAL SITE”. 2013年7月5日閲覧。
- ^ “トリック 新作スペシャル3”. テレビ朝日. 2013年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月29日閲覧。
- ^ a b “仲間由紀恵&阿部寛の『トリック』最新作が登場!”. ORICON STYLE (2005年11月11日). 2015年12月4日閲覧。
- ^ a b “『TRICK』が劇場版、スピンオフに続き4年半ぶりのSPドラマも放送決定”. ORICON STYLE (2010年3月15日). 2015年12月4日閲覧。
- ^ a b “『トリック』、完全新作SPでドラマも有終の美 来年1月に放送”. ORICON STYLE (2013年11月21日). 2015年12月4日閲覧。
- ^ 文化放送『センパツ!』トリックスペシャルでの堤インタビューより。
- ^ 『オトナファミ』2010年6月号20頁より。
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