ディスポーザー 問題点

ディスポーザー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 15:57 UTC 版)

問題点

使用の奨励と自粛

日本で普及しはじめた1960年代は、下水道の処理施設が整備されている地域は大都市の一部で当時は合併処理浄化槽も義務付けられておらず、粉砕処理された厨芥物は最終排水処理されないまま川へ放流される地域が多く存在した。(下水道+合併処理浄化槽率:1970年10.6%、2012年82.8% H24年統計 環境省調査)

日本の製造業者が特に宣伝もせずに年間1万台以上販売したことにより環境悪化を懸念して製造を自粛。米国製品の輸入も増加したために当時の建設省が各自治体に対しディスポーザーの「使用の自粛」を通知した。中には権限もないのに使用の禁止を一般市民に求めた自治体職員の例もあった。

かつて建設省が地方自治体当局へディスポーザーの使用について「慎重に対処」するよう求めたことを、1999年12月に米国の貿易交渉担当者に認めているが、現在は下水道接続に対し何の権限もないと主張している[2]。国内においても複数のディスポーザ社会実験の調査結果により排水管や汚水処理施設に影響のないことが根拠をもって科学的に確認された現在では使用を推奨し補助金を支出する自治体も出現(群馬県伊勢崎市、岐阜県岐阜市、新潟県南魚沼市、富山県黒部町、他)。ディスポーザー導入に対し検討段階に入っている自治体も多くある反面、ディスポーザー使用の問い合わせに対しては今だにディスポーザーの使用自粛を要望している自治体も存在する。これは古い前世代からの慣例の体質が継承されているためである。国土交通省は、ディスポーザーを導入することにより、生ごみだけでなく「紙おむつ」を下水道で受け入れることを2018年に発表した。これは使用済の紙おむつは重量がかさばるうえに不衛生であり、もしこれをディスポーザーで粉砕し下水道に流すことができれば、保管やごみ出しが不要になり、高齢者介護や子育ての負担軽減につながる利点があるからである。通常のディスポーザーは台所の排水口にディスポーザーを設置、生ごみを粉砕処理することにより生ごみの保管や運搬、臭気から解放され下水処理施設には影響が無い事が確認されていることに対し、紙おむつ用のディスポーザーはトイレ内での設置を想定。下水処理にどのような影響が出るのか課題を洗い出し2023年までに実用化できるよう検討している。

並行輸入品の影響

インターネット販売などにより、海外仕様のディスポーザーが非正規の並行輸入品や個人輸入品として流通している事例もある。これらは日本国内とは電圧、周波数等が違うため正規の出力が得られず、結果配水管の詰まり、電波障害、火災等の原因になりうると正規輸入元や製造業者は正式に警告している。


  1. ^ 意匠分類定義カード(D5) 特許庁
  2. ^ a b “米国通商代表部 (USTR) 外国貿易障壁報” (プレスリリース), 米国大使館, (2000年3月31日), http://japan2.usembassy.gov/j/p/tpj-j050.html#_Toc483278817 
  3. ^ [1]
  4. ^ [2]
  5. ^ ニューヨーク市環境保全部レポートより
  6. ^ 東京新聞. (2004年5月21日) 






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