ティグリス川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 15:03 UTC 版)
伝説と神話
シュメール神話では、ティグリス川はエンキ神が川を流水で満たしたことで作られた[12]。
ヒッタイトとフルリ人の神話ではAranzah(ティグリス川のフルリ語名、ヒッタイト語単数主格形ではAranzahas)は神格化されていた。Aranzah(ティグリス川)はクマルビ神の息子でありテシュブ神とSuwaliyat(Tašmišu)神の兄弟であり、Kanzuras山でクマルビ神の口から生まれた3柱の神の一神であった。その後Aranzahはクマルビ神を打ち滅ぼすためにアヌ神およびテシュブ神と共謀した(クマルビの歌
ティグリス川は旧約聖書に2度登場する。最初は創世記であり、エデンの園から流れ出る川が分岐した4つの川のうちの3番目である[4]。2度目の言及はダニエル記にあり、ダニエルは「わたしがティグリスという大川の岸に立っていたとき」啓示(visions)の1つを受けたとしている[13]。
ティグリス川はまたイスラームにおいても言及される。イマームのアフマド・ビン・ハンバルとサイード・アブドゥル・ラザク・ジーラーニーの墓はバグダードにあり、ティグリス川の流れが参拝者の数を制限している。
ティグリス川は1932年から1959年までイラクの国章に採用されていた。
関連項目
- ^ a b Isaev, V.A.; Mikhailova, M.V. (2009). “The hydrology, evolution, and hydrological regime of the mouth area of the Shatt al-Arab River”. Water Resources 36 (4): 380-395. doi:10.1134/S0097807809040022.
- ^ Kolars, J.F.; Mitchell, W.A. (1991). The Euphrates River and the Southeast Anatolia Development Project. Carbondale: Southern Illinois University Press. pp. 6-8. ISBN 0-8093-1572-6
- ^ F. Delitzsch, Sumerisches Glossar, Leipzig (1914), IV, 6, 21.
- ^ a b 創世記 2:14
- ^ E. Laroche, Glossaire de la langue Hourrite, Paris (1980), p. 55.
- ^ 大プリニウス『博物誌』, VI, XXVI, 128-131
- ^ “Mesopotamia, Tigris-Euphrates, 1914-1917, despatches, killed and died, medals”. naval-history.net. 2015年11月28日閲覧。
- ^ Vidal, John. "Water supply key to outcome of conflicts in Iraq and Syria, experts warn" The Guardian, 2 July 2014.
- ^ “Analysis & Water Agenda”. ORSAM. 2015年11月28日閲覧。
- ^ Borger, Julian (2016年2月29日). “Iraqi PM and US issue warnings over threat of Mosul dam collapse”. The Guardian. The Guardian 2016年2月29日閲覧。
- ^ “US warns of Mosul dam collapse in northern Iraq”. BBC News. BBC (BBC). (2016年2月29日) 2016年2月29日閲覧。
- ^ Jeremy A. Black, The Literature of Ancient Sumer, Oxford University Press 2004, ISBN 0-19-926311-6 p. 220-221
- ^ ダニエル書 10:4
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