チョウセンハマグリ 分布

チョウセンハマグリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 05:36 UTC 版)

分布

日本国内では房総半島以南の太平洋側、能登半島以南の日本海側。ほか、台湾海南島[5]フィリピン[6]

形態

殻長100ミリ、殻高70ミリ、拡幅40ミリ[7]に達する、ハマグリ属としては大型の種である。

殻は丸みを帯びた三角形[6]。ハマグリに似るが、殻はより厚く、膨らみはやや弱く、腹縁の湾曲が弱く[1]、また鉸歯(こうし)がより大きく強い[5]など、殻全体がより頑強なつくりになっている。外套線湾入は丸く、ハマグリよりもやや深い[6]

殻の表面の外見は淡褐色を典型に個体差が大きく、全体にチョコレート色になるものなどもある。幼貝のうちは筆でかすったような褐色斑が現れることもあるが、老成すると模様の鮮明な個体は少なくなる[8][4]。斑紋があっても淡くぼんやりとして目立たない[1]

生態

外洋に面した海域の、潮間帯下部から水深20メートル程度の砂底に生息する[5]

植物プランクトンを餌とする[9]

産卵期は7 - 8月。孵化から約3年で殻長3センチまで成長する[9]

人との関わり

食用にする。ただし肉質は少し硬く[7]、味はハマグリに劣るとする意見もある[2]。おもな産地は鹿島灘九十九里浜日向灘など[7]。 また、半化石を碁石の材料として利用する[5]ことから、ゴイシハマグリの別名を持つ。かつては宮崎県が有名な産地であった(スワブテハマグリと呼ばれた同地産のチョウセンハマグリが最上の品質をたたえられた)が、近年ではメキシコ産のメキシコハマグリ Tivela stultorum を輸入して使うことも多い[10]

参考文献

  • 髙重博『温帯域・浅海で見られる種の生態写真+貝殻標本 日本の貝』誠文堂新光社、2019年1月21日。ISBN 978-4-416-51834-2 
  • 『子どもと一緒に覚えたい 貝殻の名前』秋山信彦, 吉川尚, 野口文隆(監修)、マイルスタッフ、2019年8月1日。ISBN 978-4-295-40336-4 
  • 『日本大百科全書』 8巻、小学館、1986年3月10日。ISBN 4-09-526008-4 
  • 『日本大百科全書』 15巻、小学館、1987年5月1日。ISBN 4-09-526015-7 
  • 『改訂新版 世界文化生物大図鑑 貝類』世界文化社、2004年6月15日。ISBN 4-418-04904-5 
  • 奥谷喬司(編著)『日本近海産貝類図鑑』(第二版)東海大学出版部、2017年1月30日。ISBN 978-4-486-01984-8 
  • 小倉久米雄et al. 編『語源・由来 日本料理大事典』 下巻、ニチブン、2000年7月15日。ISBN 9784931336049 
  • 河野友美 編『魚Ⅱ』真珠書院〈新・食品事典4〉、1991年7月20日。ISBN 4-88009-104-9 
  • 生物学御研究所 編『相模湾産貝類』丸善、1971年。ISBN 4-621-01217-7 

  1. ^ a b c d 日本大百科全書 1987o, p. 668.
  2. ^ a b ニチブン 2000, p. 123.
  3. ^ 秋山et al 2019, p. 138.
  4. ^ a b 髙重 2019, p. 310.
  5. ^ a b c d 世界文化社 2004, p. 335.
  6. ^ a b c 奥谷 2017, p. 1250.
  7. ^ a b c 河野 1991, p. 393.
  8. ^ 生物学御研究所 1971, p. 648.
  9. ^ a b 鹿島灘はまぐり(チョウセンハマグリ)”. i-saibai.or.jp. 公益財団法人茨城県栽培漁業協会. 2016年11月19日閲覧。
  10. ^ 日本大百科全書 1986h, p. 522.


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