シルベスター数列 シルベスター数列の概要

シルベスター数列

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/24 13:50 UTC 版)

シルベスター数の逆数和 1/2 + 1/3 + 1/7 + 1/43 +… が1に収束することのグラフィカルな実演。各行は一辺が 1/k である正方形 k 個からなり、従って面積は 1/k となり、それら正方形の全体は一辺が1の正方形をちょうど被覆する。一辺 1/1807、あるいはそれ以下の正方形は小さすぎて図中で見ることはできない。
2, 3, 7, 43, 1807, 3263443, 10650056950807, ... (オンライン整数列大辞典の数列 A000058)

「シルベスター数列」という名称は、1880年にこの数列を最初に調査したジェームス・ジョセフ・シルベスターに由来している。数列の各項の値はシルベスター数 (: Sylvester number) と呼ばれることもある。

シルベスター数列の値は二重指数関数的に増加し、その逆数の和は他の単位分数級数よりも速く1に収束する。シルベスター数列を定義する漸化式は、各項の数の素因数分解をより容易にさせるが、数列の増加速度が急速であるために、完全な素因数分解はいくつかの項に対してしか知られていない。

シルベスター数は1のエジプト式分数表現、佐々木・アインシュタイン多様体、オンラインアルゴリズムの実装などに応用されている。

形式的定義

シルベスター数列の第 n 項は次の式で定義される:

0個の項の積 (空積) は 1 であるため、s0 = 2 である。

あるいは、次のような漸化式で定義してもよい:

閉形式での表現とフェルマー数

シルベスター数列は n の関数として、二重指数関数的に増加する。具体的には

という形式で書くことができる。ここで E はおよそ 1.2640847353...である[1] (オンライン整数列大辞典の数列 A076393)。

シルベスター数列が二重指数関数的増加を示すことは、フェルマー数列 Fn と比較すると驚くべきことではない。フェルマー数は通常、二重指数関数による表式 によって定義されるが、これはシルベスター数列のような総積を使った漸化式によっても定義が可能である[2]


補注

  1. ^ 数列の増加速度と級数の無理性については、例えば数列 {an} が十分に速く増加するとき、 が無理数となることが知られている (Erdős & Graham 1980, p. 64)。
  2. ^ Andersenはこの区間で1167の素因数を見つけた[6]ため、おそらくこれは誤記である。
  3. ^ p < 5 × 107 かつ n ≦ 200 を満たす範囲において、全てのシルベスター数 sn の素因数 p はVardiによってリストされている。Ken Takusagawa は s9 までの素因数分解[9]s10 の素因数分解[10]をブログに記している。それ以外の因数分解については、Jens Kruse Andersen によるリスト[6]を出典としている。
  4. ^ 佐々木多様体英語版でもあるアインシュタイン多様体
  5. ^ 論文中でSeidenとWoegingerは、シルベスター数列を Salzer (1947) の仕事にちなんで「Salzer's sequence」という名前で言及している。

出典






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