シルベスター数列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/24 13:50 UTC 版)
エジプト式分数との関係
について考える。この級数の部分和は次のような単純な形で書ける:
これは、帰納法によって、またはより直接的に、任意の i に対する次の等式
から、級数の畳み込みを行うことによって示される:
部分和が j → ∞ で1に収束することから、級数全体が1に収束することがわかる。従って私たちは、これによって無限の長さを持つ1のエジプト式分数表示を得たことになる。
このとき、級数を適当な長さで切って、最後の分母を1小さいものに置き換えることで、任意の長さを持つ1のエジプト式分数表示を得ることができる。
また、無限級数の最初の k 項の和は、k 項からなるエジプト式分数表示のうち1未満で最も大きいものを提供する[3]。例えば、最初の4項の和は 1805/1806 となるため、開区間 (1805/1806, 1) に含まれる数のエジプト式分数表示は少なくとも5つの項が必要になる。
シルベスター数列は、各ステップごとにその部分和が1以下となるような最小の分母を選ぶ貪欲法の結果として見ることもできる。あるいは、(初項である1/2を除外して、) 1/2の奇数貪欲法によるエジプト式分数展開 (Odd greedy expansion) だと考えることもできる。
補注
- ^ 数列の増加速度と級数の無理性については、例えば数列 {an} が十分に速く増加するとき、 が無理数となることが知られている (Erdős & Graham 1980, p. 64)。
- ^ Andersenはこの区間で1167の素因数を見つけた[6]ため、おそらくこれは誤記である。
- ^ p < 5 × 107 かつ n ≦ 200 を満たす範囲において、全てのシルベスター数 sn の素因数 p はVardiによってリストされている。Ken Takusagawa は s9 までの素因数分解[9]と s10 の素因数分解[10]をブログに記している。それ以外の因数分解については、Jens Kruse Andersen によるリスト[6]を出典としている。
- ^ 佐々木多様体でもあるアインシュタイン多様体
- ^ 論文中でSeidenとWoegingerは、シルベスター数列を Salzer (1947) の仕事にちなんで「Salzer's sequence」という名前で言及している。
出典
- ^ Finch (2003, p. 444)
- ^ Golomb (1963), Aho & Sloane (1973, §2.5)
- ^ Curtiss (1922)、Miller (1919) あるいは Soundararajan (2005) を参照。
- ^ Erdős & Graham (1980)
- ^ Guy & Nowakowski (1975).
- ^ a b Andersen (2007–20)
- ^ Jones (2006).
- ^ Odoni (1985).
- ^ Takusagawa (2006a)
- ^ Takusagawa (2006b)
- ^ Boyer, Galicki & Kollár (2005, §7)、特に Prop. 44–Prop. 48
- ^ Brenton & Hill (1988)
- ^ Domaratzki et al. (2005).
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