サボイ・トラッフル
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背景・曲の構成
ジョージ・ハリスンは、1968年9月に「サボイ・トラッフル」を書いた[4]。同月21日に発行された『NME』誌に掲載された記事で、ハリスンは「『おい、あれは何なんだ?あれはどういう意味なんだ?』と聞いてくる連中には、少しばかりウンザリしていて、何の意味もない曲を書こうと思っている」と語っている[5]。ハリスンは、1965年に発表された「ノルウェーの森」でシタールを演奏したのをきっかけに、1966年よりラヴィ・シャンカルのもとでシタールについて学んでいたが、1968年に入ってからは再びギターを主体とした楽曲を書くようになっていた[6][7][注釈 1]。これについて、『NME』誌の記事でハリスンは「僕は再びロッカーになった」と宣言し、「もう『神秘的なビートル・ジョージ』のイメージに拘泥するつもりはない。未だに万事が『ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー』だけど、もうそっち方面に向かうつもりはない。なぜなら今の僕はロックンロール・スターになろうとしてるんだ!」と語っている[12][13][5]。
「サボイ・トラッフル」のキーは、基本的にEマイナーに設定されているが[14]、同主調(Eメジャー)に何度も転調を繰り返し[15]、Gメジャーで一時的に終止する。全体的に4分の4拍子で[15]、主にソウルの要素を持っている[1]。
ヴァースの歌詞では、「Creme tangerine(クリーム・タンジェリン)」、「Montelimart(モンテリマ)」、「Ginger sling(ジンジャー・スリング)」など、チョコレートの名前が含まれており[16]、歌詞に登場する「Good news(グッド・ニューズ)」もイギリスの菓子メーカー、ロントリー・マッキントッシュ社のチョコレートの詰め合わせの名前で 、歌詞の大部分はグッド・ニューズの箱の蓋に記載されている名前を流用している[17][18][5]。歌詞について、ハリスンは「エリックとつるんでいた時期に書いた笑える曲。当時の彼は虫歯がたくさんあって、本当なら歯医者に行かなきゃならなかった。いつも歯が痛いと言っているのに、たらふくチョコレートを食べていた。とにかく我慢できなくて、チョコレートを見ると食べずにはいられなかったんだ」と語っている[19][5]。
ビートルズの広報担当であったデレク・テイラーも作詞を手伝っており[19]、2回目のブリッジの「You know that what you eat you are(知ってのとおり、食は人なり)」というフレーズは、テイラーによるアイデアによるもので[20]、テイラーの友人が制作した映画の題名(You are what you eat)に由来している。[21]。なお、同じセクションでは、「We all know Obla-dibla da / But can you show me, where you are?...(みんなオブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダを知っているけど、教えてくれないか、君はどこにいる?)」というマッカートニー作の「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」への言及が見られる[22][21]。音楽ジャーナリストのロバート・フォンテノットは、ジョン・レノンと同様にハリスンも同作を嫌っていることから、「マッカートニーの歌に対する、ハリスンなりの意見」と見ている[23]。
注釈
出典
- ^ a b Ingham 2006, pp. 52–53.
- ^ Thompson, Dave (25 January 2002). “The Music of George Harrison: An album-by-album guide”. Goldmine: 15.
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