コースとセヴェンヌの地中海農牧業の文化的景観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/10/18 07:55 UTC 版)
保護
登録範囲はセヴェンヌ国立公園やグラン・コース地域圏自然公園 (Parc naturel régional des Grands Causses) によって保護されてきた[11]。しかしながら、シェール・ガス採掘の可能性が取りざたされて、脅かされている地域もある[12]。とはいえ、ICOMOSの勧告で特に問題視された脅威は、伝統的な農牧畜業の衰退への懸念であった[13]。
登録基準
- (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- 世界遺産委員会は基準 (3) の適用理由について、「コースとセヴェンヌは地中海農牧業の一類型の顕著な例を示している。特徴的な社会構造と地元の牧羊に基礎を置くこの文化的伝統は、景観の構成、とりわけ農場、施設、草原、水利、移動家畜の通り道、開放された共有牧草地の型に反映されており、その伝統のとりわけ12世紀以降の諸要素の発展様式について明らかにするものにも反映されている。その農牧業の伝統は今もなお生き続けており、この数十年の間にも再び活性化されてきたのである」[14]とした。
- (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
- 世界遺産委員会はこちらの基準の適用理由については、「コースとセヴェンヌは地中海性農牧業の模範、より正確にいえば、南西ヨーロッパにおける共通の反応を代表するものと考えられている。それらの景観の地域は時代の流れ、とりわけ数千年来の流れに沿って発展してきたシステムの様式へともたらされた傑出した反応を例証している」[14]とした。
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- ^ a b ICOMOS 2011, p. 34
- ^ a b ICOMOS 2011, pp. 34-35
- ^ ICOMOS 2011, pp. 40-41, 45-46
- ^ 日本ユネスコ協会連盟 2012, p. 26
- ^ a b 日本ユネスコ協会連盟 2012, p. 22
- ^ a b 世界遺産検定事務局 2012, p. 189
- ^ a b 古田 & 古田 2013, p. 144
- ^ 市原 (2012) 「世界遺産一覧表に新規記載された文化遺産の紹介」『月刊文化財』2012年1月号、p.21
- ^ 谷治正孝監修 (2013) 『なるほど知図帳・世界2013』昭文社、p.155
- ^ a b Site officiel Rubrique Présentation > Localisation en France
- ^ ICOMOS 2011, p. 42
- ^ Languedoc-Roussillon Unesco : Démission de Rama Yade et gaz de schiste plombent Causses-Cévennes Midi Libre 18
- ^ ICOMOS 2011, p. 41
- ^ a b Centre du patrimoine mondial 2011, p. 239より翻訳の上、引用。
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