グランド・セントラル駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 15:12 UTC 版)
駅構造
- 乗り場
44面のプラットホームがあり、単一の駅としては世界最大である[8][9]。駅構内の位置に応じて線路番号が割り振られており、67の線路は通常の旅客用である[10]。上階には42の線路があり、1番線から10番線は現在は留置線として用いられている[11]。旅客用は東から西に11番線から42番線である。22番線から31番線は1990年代にグランド・セントラル・ノースのコンコース建設のために取り壊された。12番線は11番線から13番線の間のプラットホームを拡張する際に撤去された。14番線はゴミ運搬用の列車専用となっている。下階には東から西に100番線から126番線の27線が存在する。現在、102-112番線と114-116番線が旅客専用である。奇数番の線路は東側に、偶数番の線路は西側にある。[12]
116番線-125番線はロングアイランド鉄道の乗り入れプロジェクトイースト・サイド・アクセスのために撤去されることになっている[13]。ロングアイランド方面の線路は、301-304番線および401-404番線の8線が新設される予定である[14]。
その他にも、プライベート専用線、61番線が同駅の地下に存在する。これはもともと、フランクリン・ルーズベルト大統領のために建設されたもので[15]、この線路専用の入り口とエレベーターが存在する。ルーズベルトの没後も時折使用されている[16][17]。この路線はウォルドルフ=アストリアへとつながっており[18][19]:67、1929年のニューヨーク・タイムズに最初に記載されたが、最初に使用したのは1938年のジョン・パーシングである[20]。
- 駅構内
駅舎の中央にあるメイン・コンコースは、東西84メートル (275 ft)、南北37メートル (120 ft)、天井高38メートル (125 ft)の大空間となっている[3][4][21]:74。天井にはプラネタリウムを想像させる星座が描かれている[19]:57。この星座を描くとき、鏡に映しながら描いたため裏返しの星座が描かれている。これは天球を外側から俯瞰した、神の視点による星座を表現している。これは、Whitney Warrenとポール・セザール・エリューによる発案で、James Monroe HewlettとCharles Basingが施工した[22]。
朝夕は多くの人でごった返しており、待ち合わせ場所としてもよく使われる[23]。コンコース内にはチケット販売ブースが設置されているが、現在では駅構内各所に散らばる券売機が主に用いられており、このブースは別の用途で用いられるようになっている[23]。コンコースの中央には駅のメイン・インフォメーション・センターが置かれている[23]。このインフォメーション・ブースの屋根の上には四面の真鍮の時計が設置されている。これはHenry Edward Bedfordによるデザインで、コネチカット州ウォーターバリーで鋳造された[23]。四面のそれぞれの時計盤には直径61センチメートル (24 in)のオパール様のガラス(オパール・ガラスまたはミルク・ガラスとも呼ばれる)がはめ込まれている[24]。都市伝説では、これは本物のオパールでサザビーズやクリスティーズは1000-2000万ドルの価値があると推定しているという話がある。ブース中央の大理石と真鍮でできた塔には秘密の隠し扉があり、内部には地下のインフォメーション・ブースへとつながる階段がある。
駅構内には、多くのショップやレストランが入居している。代表的なものは、アップル・ストアやオイスターバー(同駅内で最も古くから続いている店)、マイケル・ジョーダン・ステーキハウス、シェイク・シャックなどである。メイン・コンコースの地下はダイニング・コンコースとなっている。メイン・コンコースの東側にはグランド・セントラル・マーケットという食料品市場がある。また、ニューヨーク交通博物館の別館も同駅構内にある。
ヴァンダービルト・ホール (Vanderbilt Hall) は、メイン・コンコースの隣42丁目側にある多目的ホールである。出入り口はパーシング・スクエアの地点にある。その名前は、同駅の出資者で所有者であったヴァンダービルト家から付けられている。以前は駅のメインの待合室だったが、現在はクリスマス・マーケットや特別展示、またはプライベート・イベントなどを行うスペースとなっている。毎年1月にはトーナメント・オブ・チャンピオンズというスカッシュ大会が行われている。
キャンベル・アパートは、エレガントなカクテル・ラウンジで、43丁目とヴァンダービルト・アベニューのすぐ南に入り口がある。かつては1920年代の実力者ジョン・キャンベルのオフィスであった。これは13世紀のフィレンツェの宮殿のギャラリー・ホールを模して建設された[25][26]。
グランド・セントラル・ノースは、45丁目から47丁目および48丁目の間にある同駅に通じるエリアである[27]。
- 駅外装
42丁目側の正面ファサードには4.0メートル (13 ft)の時計が飾られており、この時計には世界最大級のティファニーのガラス細工がはめ込まれている。このガラス細工の周りは商業の栄光 (Glory of Commerce) と呼ばれる彫刻群が取り囲んでいる。この中の三体の像はミネルウァ、ヘラクレス、そしてメルクリウスを表している。この彫刻はフランスの彫刻家Jules-Felix Coutanによるデザインで、John Donnelly Companyによって制作された。1914年にこの彫刻が公開された時、この15メートル (48 ft)の三体の像は世界で最も大きい彫刻群であると見なされていた。
- ^ National Park Service (23 January 2007). "National Register Information System". National Register of Historic Places. National Park Service. 2020年10月12日閲覧。
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- ^ a b 常盤新平 『キミと歩くマンハッタン』 講談社、1988年、p117
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