カルビン・クーリッジ 大統領職

カルビン・クーリッジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/24 23:44 UTC 版)

大統領職

1920年に共和党の大統領候補指名を争ったが、オハイオ州選出連邦上院議員ウォレン・ハーディングに敗れた。ハーディングを支持した者のなかには副大統領候補にウィスコンシン州の上院議員アーヴィン・レンルートを求める声が多かったが、結局共和党はマサチューセッツ州知事のクーリッジを指名した。大統領選でハーディング=クーリッジのチケットは、民主党の大統領候補オハイオ州知事ジェイムズ・コックスと副大統領候補海軍次官フランクリン・ルーズベルトのチケットに勝利した。

副大統領としては目立たない存在だったが、1923年8月2日にハーディングが遊説先のサンフランシスコで急死すると、翌日の未明に大統領に昇格した。彼の家には電気も電話も通じていなかったので、クーリッジは大統領死去の知らせを伝言人から口頭で受けた。日付が替わった8月3日の午前2時47分、自宅の応接室で公証人である父親の立ち会いの下、灯油ランプの灯りの中、大統領就任宣誓を行った。クーリッジは直ちにワシントンD.C.に戻った。その後、8月21日にコロンビア特別区裁判所英語版陪席判事のアドルフ・A・ヘーリング・ジュニア英語版の立ち会いの下で改めて就任宣誓を行った。

内閣

副大統領のドーズ
前年に航空機による初の北極点への飛行を成功させた司令官リチャード・バード(左)と責任者フロイド・ベネットに名誉勲章を授与(1927年2月19日)
職名 氏名 任期
大統領 カルビン・クーリッジ 1923年 - 1929年
副大統領 不在(1期目) 1923年 - 1925年
チャールズ・ドーズ(2期目) 1925年 - 1929年
国務長官 チャールズ・ヒューズ 1923年 - 1925年
フランク・ケロッグ 1925年 - 1929年
財務長官 アンドリュー・メロン 1923年 - 1929年
陸軍長官 ジョン・ウィークス 1923年 - 1925年
ドワイト・デイヴィス 1925年 - 1929年
司法長官 ハリー・ドーガティ 1923年 - 1924年
ハーラン・ストーン 1924年 - 1925年
ジョン・サージェント 1925年 - 1929年
郵政長官 ハリー・ニュー 1923年 - 1929年
海軍長官 エドウィン・デンビー 1923年 - 1924年
カーティス・ウィルバー 1924年 - 1929年
内務長官 ヒューバート・ワーク 1923年 - 1928年
ロイ・ウェスト 1928年 - 1929年
農務長官 ヘンリー・ウォレス 1923年 - 1924年
ハワード・ゴア 1924年 - 1925年
ウィリアム・ジャーディン 1925年 - 1929年
商務長官 ハーバート・フーヴァー 1923年 - 1928年
ウィリアム・ウィッティング 1928年 - 1929年
労働長官 ジェームズ・ディヴィス 1923年 - 1929年

1924年アメリカ合衆国大統領選挙に現職の大統領として出馬・当選した。選挙中のキャッチフレーズの1つは"Keep cool with Coolidge this summer."というものであった。クーリッジはその任期中に新媒体のラジオを利用し、1924年2月12日ラジオ演説を行った初の大統領になった。また2月22日にはホワイトハウスからラジオ演説を行った初の大統領になった。

クーリッジは景気循環に自然の経過をたどらせて自由市場に干渉することを試みなかった最後の大統領だった。彼の大統領職中にアメリカ合衆国は著しい経済成長を遂げ、その期間は「狂騒の20年代」と呼ばれた。クーリッジは税を低減させるだけでなく国の債務の縮小にも有能だった。彼は「必要以上の税を集めるのは合法的強盗である」との名言を残している。後の共和党政権のレーガン大統領はクーリッジを敬愛し、大統領執務室に肖像画を掲げていた。

いわゆる、排日移民法と呼ばれる移民政策もクーリッジが大統領の時代に成立した。クーリッジ自身は「この法案は特に日本人に対する排斥をはらんでいるものであり、それについて遺憾に思う」という声明を出して否定的な立場をとったが、最終的には議会に屈して法案に署名をして成立させた[要出典]。一方でクーリッジは移民規制について「人種の混血は自然の摂理に反する事である」と談話を発表している[1]


  1. ^ Coolidge, Calvin (1921), “Whose Country is This?”, Good Housekeeping: 14 
  2. ^ 『ちょっと笑える話』ベネット・サーフ著、常盤新平訳、文藝春秋文春文庫、p257。
  3. ^ 『アメリカ大統領を読む事典』宇佐美滋著、講談社+α文庫、p62。






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