オーディンスフィア 終焉の予言

オーディンスフィア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/09 02:45 UTC 版)

終焉の予言

終焉の予言とはエリオンに伝わる、何時の日か訪れる世界の破滅の事である。バレンタインに伝わるものと、タイタニアの先王、ガロンがまとめた叙情詩「エリオン叙情詩」の二種類があり、どちらも要約すると「世界は“獣”“死の王”“炎”“大釜”“竜(蛇の王)”の五つの災厄によって滅びる」とするものである。大釜”がコルドロン、“竜(蛇の王)”がレヴァンタンという名前であるという事以外、一切が謎に包まれている。

バレンタインの予言

絶望の獣は人を喰らい 希望を砕く 枷の外れた死の狂乱は 生命の光を弄ぶ
荒れ狂う紅蓮の進軍が 玉座の周りを焼き払い 絶望を吐き出す大釜に 大陸の古き血が煮えたぎる
最後の竜レヴァンタンが 血の石を飲み下せば 道は閉ざされ 虚無が世界を覆わん

エリオン叙事詩

第1節
大釜の炎で大地は沈む
鏃と刃で底打てど
たぎりは溢れん
ただ歩をば戒めるのみ

第2節
燭々たる6つ眼の獣が駆ける
救いの御手の導き手
苦痛を払うるは我が息子

第3節
死の凱旋で冥府の王は現る
漆黒を脅かすは
時に亡き彼の主の影

第4節
森を焦がし灼熱が来たる
人には抗えぬ炎の奔流は
いずれ世界樹に阻まれ消える

第5節
蛇の王が残りを喰らい尽くす
混沌と炎から生じ
母の手で眠る
大地に生命は絶え
終焉が満ちる

登場人物

本の読者

アリス
こじまかずこ
とある家の屋根裏で、「オーディンスフィア」という名の絵本を読む小さな女の子。全ての物語は彼女が本を読むという形で進行していく。一番の友達は黒猫のソクラテス。
ソクラテス
アリスの家で飼われている黒猫。

各話の主人公達

グウェンドリン
声:川澄綾子
『ワルキューレ』の主人公。魔王オーダインの次女。白い髪に紫色の瞳をした美しい少女。
戦場では青い翼の付いた鎧をまとい、姉・グリゼルダから継いだサイファーの槍で勇敢に戦うワルキューレで、「オーダインの魔女」と畏れられている。物語の中盤からは髪を下ろし、母親の形見のドレスを着た姿も見られる。
冷淡な父親の寵愛を得ようと必死に戦うも一向に顧みられず、敬愛するグリゼルダが戦死しても全く悲しんだ様子を見せない父に、深い葛藤と自己への疑問を持ち始め、たびたび自分の前に現れる青い鳥に本音を吐露しては一人泣き崩れている。
ベルベットとイングヴェイはかつてオーダインがバレンタイン国王女との間にもうけた子で、グウェンドリンにとって異母兄姉にあたる。オーダインがベルベットを娘として愛しつつも王という身分からかばう事が出来ずにいる事を知ると、彼のために自らの地位を捨ててベルベットを助け、オーダイン自らの手によって眠りの呪いをかけられる。そして自らを目覚めさせたオズワルドに次第に惹かれていく。
実は父であるオーダインからは「眠りの魔法」しかかけられておらず、「目覚めたときに見た者を愛する」という魔法はかかっていないことを、オズワルドの章で知ることになる。つまり辺境の古城での物語において、彼を目にしたグウェンドリンが赤面するシーンは、彼女の心からの思いによって感情が昂ぶっていることがわかる。
モデルとなったのは人間の剣士と結ばれ、子を授かったとされるワルキューレのブリュンヒルデ
コルネリウス
声:浪川大輔
『呪われ王子の冒険』の主人公。 タイタニアの王子。金髪碧眼の美青年だが、プーカにされてしまう。
王族としての誇りと気品に溢れた勇敢な性格だが、同時にやや世間知らずで青臭い理想を掲げる事も多い。ベルベットとは互いに想い合う恋人同士で、ある日愛を伝えようと出向くが、気がつけば不思議な獣の姿にされ、しかも生きながらにしてエンデルフィアで倒れていた。そこで祖父ガロンからサイファーの剣を与えられ、プーカの呪いを解こうと奔走する。彼の章で事件を解決した後、父から王権を受け継ぐように言われるが、プーカが王になることは国民が納得しないだろうということで辞退する。その後、ベルベットに愛の告白をしながら自分の身を顧みて身を引くが、それでもなお自分を慕う彼女の必死の想いに応えることとなる。
メルセデス
声:能登麻美子
『妖精の国の物語』の主人公。 リングフォールドの幼い姫。蝶の羽根と金色の髪に白い花の冠を被った可憐な少女。
その外見通りお転婆で世間知らずな面の目立つ幼い性格をしている。だが妖精の国の女王、母・エルファリアの死により否応なしに女王として立つことを求められる。そして周囲の支えを得ながら、やがてはエルファリアに見紛うばかりの立派な女王として成長していく(実際にある時期を境に口調が変わる。この辺りは他主人公シナリオで出てきた際にも反映される)。生前のエルファリアから譲り受けたサイファーの石弓を武器として持ち、後にブロムによってサイファーを破るサイファーとして生まれ変わる(設定だけでゲーム中では変化なし)。また、彼女にたびたび付いてきては助言を与えてくれたカエル、ひいては本来の姿であるイングヴェイにほのかな恋心を抱く。
その真の名は「ユグドラシル」であり、予言にある炎を阻む世界樹であることが後に判明する。彼女だけは、真のエンディングにおいて唯一死亡する主人公として描かれる。終章において、イングヴェイと再会する可能性としては、彼と戦うか、灼熱の化身と戦うことで果たされるが、どちらも悲劇の再会となる。だが、あるエンディングでその思いは果たされることになった。
武器が石弓で遠距離武器ということもあり射程は主人公内でも最も長いが、通常攻撃でもPOWを使用する特殊なものになっている。またレイヴスラシルでは、横スクロールシューティングステージが追加されている。
オズワルド
声:千葉進歩
『死と闇黒の剣』の主人公。リングフォールドの重臣、メルヴィンお抱えの剣士。漆黒の鎧に身を包む白髪の青年。
幼い頃に実の両親に捨てられた自分を育ててくれたメルヴィンに心酔しており、彼のためならどんな無謀な戦いも厭わない。メルヴィンから授けられた「魔剣」を操り、それにかけられた契約により竜のハインデルさえも殺める力を振るうことから「竜殺しの魔剣使い」と呼ばれている。だがメルヴィンが起こしたリングフォールドの反乱で、自分が彼の道具でしかなかった事を告げられ、失意のままに契約の代償として死の国に連れ去られるが、青い鳥に導かれて現世に舞い戻り、青い鳥を重ね見たグウェンドリンを愛し、眠り続ける彼女を目覚めさせる方法を探して奔走する。
最終章において、冥府の王となったガロン王に勝利すると、彼がガロン王の息子であり、タイタニア王エドマンドの兄であるエドガーを父としていることが判明する。この事実を見ると、コルネリウスとは従兄弟の関係であることが分かる。また、当初は両親に捨てられたと思い込んでいたが、メルヴィンによって人さらいにあっていたことを彼の死の間際に知り、ガロンとの会話では父王に対する復讐のため、エドガーが意図的に逃がした所をメルヴィンに拾われたことが示唆されている。
モデルとなったのはブリュンヒルデの夫であり、竜殺しの伝説を残した英雄シグルズ
主人公5人の中で唯一アルターでフィギュアが製作・販売されていない。
ベルベット
声:沢城みゆき
『運命とともに』の主人公。 亡国バレンタインの姫。アラビア風の赤い衣服に身を包む美女。容姿が母親に生き写しらしく、実父のオーダインと祖父のバレンタイン王から面影を見いだされている。
普段はおっとりとした性格だが、過酷な運命にも挫けず、抗う芯の強さを持っている。双子の兄イングヴェイがおり、彼とベルベットはバレンタインの民で唯一プーカになっていない。国が滅亡してからは森に隠れ住んでおり、「森の魔女」と恐れられながらも生活を送っている。母の忘れ形見である鎖のサイファーを武器として振るう。亡き母が予言した世界の終末と自身の死の運命に立ち向かうために奔走する。幼少期にバレンタイン王からを使った虐待を受けており、それがトラウマとなっている。
偶然から異母妹・グウェンドリンの存在を知るも、オーダイン同様最初は敵としか見ていなかったが、彼の娘に対する思いとグウェンドリンの優しさに触れたことで次第に姉妹としての情を抱くようになっていく。
彼女だけは終焉に際してコルドロンの危険性を知っており、核を傷つけずに停止させることが出来る。その際にバレンタイン王の怒りを買うが、愛する娘にそっくりのベルベットを殺すことは出来なかった。最終的にコルドロンを動かした際にバレンタイン王のかけた呪いによってプーカに成り果てるが、後にコルネリウスと共に呪いを解き、千年後に結ばれることになる。
モデルとなったのは、美と豊穣をはじめとする多くの概念を司る地母神フレイヤ

各地の王

オーダイン
声:立木文彦
長い髯を蓄えた、ラグナネイブルの統治者。魔王の通り名で知られる優れた魔法使いであると同時に、巨大な鎖付き鉄球のサイファー、バロールを自在に操る屈強な戦士でもある。若い頃に身分を偽って使用人として三賢人に近付き、エンデルフィアと現世を行き来する抜け道を知ったため、生きた身で自由に現世と死の国を行き来する事が出来る。生命の循環を司る結晶にしてオデットの宝石、魔石を武器の材料にするため勝手に強奪していく事から彼女に敵視されている。唯一愛した女性、バレンタイン王女やその生き写しの容貌を持つ娘・ベルベットを愛する反面、それ以外の人物、たとえそれが妻や娘達であっても冷厳に相対する。しかし、それらの行動は全て「国王」としての責務と「父親」としての振る舞いとの葛藤に悩み苦しむが故のものであり、その裏ではどちらにも愛情を抱いていた事がうかがえる。
ゲーム中では常時目を閉じているような表情だが、実際は右目が失明しているためである(ゲーム中では向きを変えても画像が反転するため、開いている目を見ることは僅かな回数しかない)。
モデルは北欧神話の主神オーディン
オデット
声:本田貴子
漆黒のドレスに身を包み、時に優しげな声色で生者を惑わす死の国エンデルフィアの女王。その驕慢な性格は、見える者に高貴な印象を与えるほどである。冥界と現世を繋ぐ存在であり、彼女の存在によって生者の世界に死の国が現出できている。すべての命は死後、彼女に平伏することになるが、彼女の束縛を振り切って死の国から出る方法も存在しており、そういった「摂理に反する者」に対しては、無上の冷酷さをもって応える。
オニキス
声:関智一
赤黒い筋骨隆々の体に白い髪を生やし、黄金の王冠を頂いた炎の国ボルケネルンの王。国で唯一の男であり、国民にして妹、そして兵隊でもあるバルカン達に愛されている。若い青年の姿をしているが、実際はオーダインよりも遥かに長い時を生きている。普段は気品のある礼儀正しい態度をとるが、執着心が強く高慢な性格をしている。グウェンドリンのその気高い心に惹かれており、彼女を自分のものにしたいと願っている。その想いは純粋で一途だが、同時に自分が彼女を所有出来さえすれば良いと言う、グウェンドリンの感情を全く考えない独善的なものでもある。普段は人の姿をとっているが、その本当の姿は全身が溶岩で出来た巨大な異形であり、戦闘時はその正体を表す。
エルファリア
声:本田貴子
花冠を頂き、右手には杖を持つ妖精達の国リングフォールドの美しき女王。真の名は「フィンブルヴェトル」。メルセデスの母親で、黄金色の髪が血縁をうかがわせる。温和でありながらも、賢明で、威厳を備えており、妖精族から絶対的な支持を集めていた。しかし、コルドロン戦争の中でオーダインによって致命傷を受け、辛くも王宮に戻るがメルセデスに遺言を遺して息絶える。本来は破壊も争いも好まない穏健派だが、妖精族が生きるためにコルドロンを巡ってラグナネイブルと争い続けていた。元々はドワーフ族と妖精族は仲が悪かったが、彼女の努力もあり現在の形になっている。
エドマンド
声:松岡文雄
歴史ある東方の大国タイタニアを治める王。国を襲った魔獣を倒した英雄として知られるが、今やその面影は無く、小柄で臆病な老人と化し、果ては側近の魔法使いウルズールの傀儡と成り下がった。コルネリウスをベルベットから引き離して、より国益に資する異国の王女との結婚を推し進めようと奔走する。かつての魔獣討伐の真相は、自国防衛のためにダーコーヴァの獣となるも心を蝕まれた父ガロンを止めるため、ガロン自身の意思で彼を殺めたというものであった。今でこそ臆病な人物だが、彼が国と民を救うべくタイタニア王族の宿命たる「父殺し」を決然と行い、変身の秘術の制御法が確立していなかった当時、父王の二の舞を演じることを厭わず、自らもダーコーヴァの獣になる覚悟をもって、バレンタイン王に侵略を諦めさせたのも事実である。また、父王が目にかけていた優秀な兄王子のエドガーが、反抗心から村娘と駆け落ちし出奔していたことが後に発覚しており、気弱な性格に堕ちたのは自身への劣等感の反動と捉えることも出来る。

ワーグナー
声:立木文彦
強大な力を持つ竜の中でも抜きん出た力を持つ世界最強の竜。口から火を吐き、巨大な翼は幾つもの竜巻を起こすほどで、オーダインですら正面から挑もうとはしない。しかし決して凶暴と言う訳ではなく、高い知性と神々しいまでの威厳を持ち、仲間の竜が傷付けられれば復讐し、借りを作れば必ず返す義侠心も持ち合わせている。竜という種族に強い誇りを持っており、竜をも殺せるサイファーの武器や、それを造る者、使う者を憎んでいる。
ベリアル
声:飯塚昭三
紫と黄の鱗を持ち、頬まで裂けた大きな口を持つ巨大な地竜。聡明で心優しく、竜でありながら人間達と共存しようとした。その結果、三賢人に騙されて心臓を魔法の鎖で締め付けられ、隷属させられてしまった。多くの場合ベルドーに使役されており、彼がリングフォールドに加担していたため、結果として妖精達に力を貸す事が多かった。それゆえに妖精達からは「守護竜」と呼ばれていたが、ベリアル自身は使役される事に辟易しており、最後には自ら死を望んだ。
レイヴスラシルに追加された隠しステージ(ボスラッシュマップ)において唯一、2回登場するボスでもある(単体での登場とウルズールとの共闘)。
ハインデル
声:若本規夫
両頬に大きなひれを持ち、黄金色の鱗で全身を覆う地竜。博識にして探究心の強い性格で、未来を見通す能力を持っており、世界の終焉すらも予見している。その性質故に古くからバレンタインの王族と深く関わっていたが、ハインデル自身は彼等の事を友人と思っていた訳ではないようだ。人間に興味を持っており、悩みの解決を求めて訪れた人間の問いに答える事もある。自分がオズワルドに殺される事さえも見通し、それが世界の成り行きに必要な事だと受け入れており、訪れたオズワルドに僅かな助言を遺した後討ち取られた。
レヴァンタン
バレンタイン王が世界を滅ぼすために竜の卵を改変して生み出した竜。バレンタイン王からその力のほとんどを授けられており、幼いながらもオニキスやオズワルドが苦戦する程の力を持つ。頭に卵の殻をかぶっており、その上にバレンタイン王が被っていた王冠を頂いている。一度はコルネリウスに倒されるがバレンタイン王に回収され、予言に相応しい強大な力を得るためにボルケネルンの原初の炎を喰らい続けていた。後にコルドロンの制御に成功したバレンタイン王の指示によりコルドロン内に入り、その莫大なエネルギーをむさぼったために空を覆うほどの竜へと変身する。

三賢人

スカルディ
声:西川幾雄
三賢人の一人で、赤いローブに黒いマントで上半身を覆う老人の魔法使い。知的だが陰険な性格で、その口は三賢人以外の誰かに対しての侮辱の言葉を頻繁に吐き出す。ベルベットやイングヴェイらバレンタインの生き残りの前に何度も姿を表す。後にグウェンドリンをさらった事でオズワルドの怒りを買い、戦いの末に殺される。
ウルズール
声:平松慎吾
三賢人の一人で、白いローブに青紫の尖り帽子を被った老人の魔法使い。タイタニアの宮廷魔法使いとしてエドマンドの側近を勤める。だが実際は、魔法と謀略によって裏からエドマンドを唆す逆臣である。タイタニア王族に伝わる秘術を得ようとしており、断固としてそれを出さないエドマンドに業を煮やし、最後にはタイタニアの地下水路にベリアルを呼び出して彼を脅迫した。ベリアルが敗れた際に、術の重要な部分である心臓を失っていることによって操ることが出来なくなり、ベリアルの死に際の行動によって命を落とす。
ベルドー
声:立木文彦
三賢人の一人で、緑のローブに黒いマント、そして赤い尖り帽子を被った老人の魔法使い。リングフォールドでエルファリアに仕えており、ベリアルを操る魔法使いとして重宝されていた。だが後に反逆したメルヴィンに加担し、メルセデスを暗殺しようとした。優れた技術と知識を持ち合わせているが高慢な性格で、自分の意にそぐわない者を従わせようと固執し、周りが見えなくなる事も多い。後にイングヴェイによってプーカに変身させられ、メルセデスの命令で冥界への道案内をすることになる。その後はメルセデスの目を盗んで逃げだそうとするが死神に見つかり命を落とす。しかしプーカの呪いのおかげで魔法と正気を失わなかったためにオデッド亡き後に冥界を脱出、ダーコーヴァの秘術で変身したイングヴェイを以前に研究していた魔法で操ることに成功する。最終章での顛末はキャラによって異なるものの、正気を取り戻したイングヴェイに殺されるか、失った秘術の書を探しさまよう事となる。

重要人物

イングヴェイ
声:森久保祥太郎
亡国バレンタインの王子で、ベルベットの双子の兄にあたる青年。暗褐色のマントとターバンに身を包み、三賢人の協力を得つつコルドロン破壊のために各地で暗躍する。過去の悲劇的な経験からか、目的のためなら手段を選ばない独善的な思想を持つ。最愛の妹ベルベットと想いを通わせるコルネリウスを厭み、プーカの呪いをかけたシスコンでもある。だが面倒見の良い一面もあり、ウルズールの呪いを受けている間はメルセデスと行動を共にし、彼女の成長を手助けした。かつて実父・オーダインのためにバレンタインを滅ぼすも彼からの心無い言葉に傷付き、指輪をエルファリアに贈る。その後もベルベットへの兄弟愛やオーダインへの恨みのままに行動する。一方その裏ではカエルの姿となって女王の責務に思い悩むメルセデスに助言を与えて導き、無自覚ながら彼女に惹かれていく。だが、彼の行動の全ては常に彼の望みとは正反対の結果を生み出し、最後には五つの災厄の一端を担う事となる。
バレンタイン王
声:平松慎吾
亡国バレンタインの王で、ベルベットとイングヴェイの祖父にあたる。かつては穏健な心と偉大な魔力によって民から人望を集めた名君だったが、魔法のコインを造った頃から人が変わり、同時期にオーダインと密通し不義の子をもうけた娘のバレンタイン王女を絞殺した上に孫のベルベットを虐待し、最後にはコルドロンを用いてバレンタインを滅亡させ、国民をプーカに変えた。自身も呪いによってレブナントに成り果て、エンデルフィアを放浪していた。だがコルネリウスの出現によってエンデルフィアの外に逃げ、再び世界を滅ぼそうと竜の卵を盗み出し、「予言の竜」レヴァンタンを生み出す。骸骨を剥き出した躯の姿に変わり果てたが、その心は深い憎しみが刻み込まれ、世界を呪い、復讐しようとしている。だが、ベルベットの章では娘の残した手記からその真意を悟り、怒りの衝動で死なせてしまった後悔と悲しみに苛まれて泣き崩れる、哀れな姿を見せた。
あるエンディングでは、生前の人格が変わる前のバレンタイン王を見ることが出来る。
ブリガン
声:飯塚昭三
全身が筋肉で覆われたラグナネイブル軍の屈強な将軍。巨体と豪腕を誇る戦士だが傲慢かつ陰険な性格で、権力に対する欲も深く、言動にも男尊女卑の思想がありありとうかがえる。自分が一番優れた存在であると考え、内心ではラグナネイブルの王座はオーダインよりも自分にこそ相応しいと考えている。大変な大酒飲みで、休みがあればワルキューレ達を侍らせて暴飲暴食をしている。物語の中盤でグウェンドリンによって殺された後、オデットによって亡霊として復活しオーダインの肉体を奪うものの再び倒される。胸に4つある盾は魔法の盾で、その全てを剥がさないとダメージを与えることができない。
グリゼルダ
声:大原さやか
オーダインの娘でグウェンドリンの姉にあたるワルキューレ。妹と似た紫色の鎧をまとっている。
多くのワルキューレ達から信頼を集める勇敢なワルキューレの将で、王の娘として、自ら進んで危険な戦場に飛び込んでいく。ラグナネイブル以外の人間に対して冷酷非情な振る舞いをとるが、それも王の娘としての責任感ゆえであり、本人は相当無理をしているらしい。コルドロンを巡る戦争の中で命を落とし、自らが使っていたサイファーの槍をグウェンドリンに譲る。その後、真のエンディングにてレイス達とともに幽体となって現れ、グウェンドリンを導き、オーダインとも和解した。また、グウェンドリンとオズワルドの章では二人の前にたびたび青い鳥が登場しており、グウェンドリンは当初自分の心の声が実体化したものだと思っていた様だが、実際は彼女の魂の一部であることが示唆されている。
ガロン
声:中田譲治
エドマンド王の父、コルネリウスの祖父にあたる人物で、タイタニアの先王。バレンタインによる侵攻から国を守るため、タイタニアの王族に伝わる秘術で魔獣となった。その凄まじい力でバレンタイン軍を撃退するが、次第に心を侵され、守る事を望んだタイタニアで七日七晩暴れ回ってしまう。やがて自ら死を望み、当時若かったエドマンド王にサイファーの剣で自らを殺させた。その後はエンデルフィアの奥で鎖に繋がれ、封じられている。本人はこのまま放置されて安らかに過ごす事を望んでいるが、三賢人によって再び現世に呼び戻され、世界を滅ぼした後の王に据えられようとしている。オデットによる不滅の呪いと、タイタニア王族が抱える「王族は王族によってのみ殺す事が出来る」という宿命から、決して消し去る事の出来ない存在となった。
メルヴィン
声:速水奨
エルファリアの甥で、リングフォールド女王の側近を勤める長髪の美男。オズワルドの上官であり育ての親。真の名は「ニーズヘッグ」。各国との戦争の中でサイファーの有用性に気付き、武器として量産することで国力を強めたいと想っている。非情な野心家だが、全ては祖国を想うが故の行動であり、「リングフォールドのため」という大義名分の下に様々な計略を巡らせる。
ブロム
声:松岡文雄
ドワーフ族(リングフォールドに加担しているためリリパットに分類される)の名鍛冶で、魔石からサイファーを造り出す事が出来る数少ない存在でもある。多くのサイファー武器を制作しており、メルセデスの石弓やオズワルドの魔剣を造ったのも彼である。しかし本人は魔剣を造った事を酷く後悔しており、オズワルドに対して深い罪の意識を抱きつつ、彼と共に行動する。メルヴィンに反抗したために、生きたまま死の国に送られるがメルセデスによって連れ戻され、オーダインのバロールを破るための武器としてリブラムを完成させる。
マシュウ
声:西川幾雄
ドワーフ族(リングフォールドに加担しているためリリパットに分類される)の男で、女王に仕える忠実な執事。幼少の頃からメルセデスの世話係を任されており、彼女からは「爺や」と呼ばれている。エルファリア亡き後はメルセデスの忠臣となり、女王として成長するのを助ける。他のリリパットと違い茶色の帽子を被る。

プーカ族

ミリス
声:伊藤美紀
ラグナネイブルに奉公に来ている心優しいプーカの女性。グウェンドリンを慕い、身の回りの世話をするだけでなく心の支えにもなっている。彼女のためなら自らの命も惜しまぬほどで、当初はオズワルドがグウェンドリンを狙っていると考え、怯えながらもオズワルドの前に立ち塞がった。
クロイツ先生
声:松岡文雄
ベルベットやイングヴェイに子供の頃から勉学を教えてきた老教師。幅広い知識と年長者らしい落ち着き払った気風を持つ。終焉の予言について研究も行っており、終焉に立ち向かうベルベットに協力する。
メリル
声:南央美
クロイツ先生の娘。世話好きで働き者な性分で、クロイツ先生と共にベルベットを助け、プーカの呪いについて調べていたコルネリウスに呪いを解く方法を教えた。

その他の種族

レイス
声:若本規夫
死の国の番人で、オデットの使いとして生者の命を刈り取る存在。人にとってはいわゆる死神にあたる存在で、人はその姿を見て戦慄と恐怖に身を震わせ、「死」と称する。エンデルフィアと生者の世界を自在に行き来する事が出来る。
バルカン
声:大原さやか
炎の国の住人であり、炎を体から吹きだす火の化身。オニキスのみを愛する妹でもある。普段は人間の女性の姿をとるが、戦いになると本来の姿である炎の髪と黒炭の体を現し、宙を飛びながら炎の剣を振るう強力な戦士と変貌する。
レブナント
大きな燭台を肩に担ぎ、エンデルフィアの闇を照らす死霊。生前に罪を犯した罪人達の魂であり、その咎として燭台で死の国を照らして回る事をオデットに命じられている。肉も内臓も崩れ落ち、枯れ果てた白髪を生やした骸と化しているが、それでも贖罪を終えることは出来ず、たとえ砂粒にまで砕かれても苦しみ続ける存在。
一部の敵はレブナントの持っている燭台(もしくは一部アイテム)で照らされている範囲に入ると実体化して攻撃が当たるようになるため、戦闘にも関わってくる。
ドワーフ族
工芸に長け、様々な武器や防具を造り出す小人達。魔石からサイファーを造り出すことで強力な武器を制作する事も出来る。古くはリングフォールドに住む妖精だったが些細な事から妖精達と反目しあい、戦に負けて二派に分かれた。現在では、女王に忠誠を誓いリングフォールドに留まった者達と、ラグナネイブルに逃げ延びて魔王に忠誠を誓った者達がいる。リングフォールドに残った者達は「リリパット」と呼ばれ、工芸こそ禁じられたが女王に忠誠を誓う従者となっている。対してラグナネイブルに属する者達は、オーダインが盗み出した魔石からサイファーを生み出す技術者となり、また爆弾兵として戦場に出る。
ゴブリン
イルリットの森やタイタニアのスラム街を根城とする卑劣な追い剥ぎ達。生きながらにしてその身は腐り始めており、それを隠すために目元以外の体全てをボロ布で覆っている。手持ちの短剣には毒が塗られ、自分よりも弱い者を襲って生きている。その正体は性根の悪いプーカ族の成れの果てであり、悔い改めぬ限り体は腐り続けてしまう。マップによっては商人として登場する。
ウォーリアー
ラグナネイブルに住む、巨大な斧を持つ屈強な戦士達。筋骨隆々な体型と、肩までを覆うほどの直毛のヒゲが特徴で、バイキング風の姿をしている。壮年期のベテラン兵士である。
バーサーカー
獣の皮を纏ったラグナネイブルの戦士たち。ラグナネイブルに住む男はバーサーカーになるか死ぬかのどちらかとされている。巨大な盾と斧を持ち、豪腕で周囲を薙ぎ払う強力な戦士である。
ユニコーンナイト
ユニコーンを模した銀の鎧を纏う重装備の騎士。リングフォールドではドワーフ族が造った鎧を着ている戦士が聖騎士を名乗れる。右手には盾、左手にはランスを持ち、女王に絶対の忠誠を誓っている。

スタッフ

  • ディレクター・キャラクターデザイン・シナリオ:神谷盛治
  • プロデューサー:山本晃康
  • サウンドスーパーバイザー・コンポーザー:崎元仁



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