エマヌエル・スヴェーデンボリ フリーメーソン

エマヌエル・スヴェーデンボリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 22:47 UTC 版)

フリーメーソン

また、フリーメーソンリーの友愛組合の一つとして、スヴェーデンボリ教義英語版が存在する。これはスヴェーデンボリの教えを基に設立された、とされており、その組織は徒弟、職工仲間、新しい親方、光輝な神智論者、青の兄弟、赤の兄弟、の計6つの位階からなる[15][注 2]

1773年、Thorn侯爵によってアヴィニョンに設立され、当初は当時のフリーメーソンリーの悪評に対する権利を主張する目的を持った政治色のある組織であったが[17]、最初の10年のうちに廃れてしまった。

1870年になるとこの儀礼はヘルメス主義組織として復活したが、1908年頃には次第に衰退をしていった[18]1982年にこの儀礼の免状は、大英博物館の居室において英国メーソンのデズモンド・バークによって、メーソンの作家であるミケーレ・モラマルコに伝達され、彼はそれをアンティコ・リト・ノアキタというイタリア儀礼の伝統の復古したような形に再編集した。

またスウェーデンにおいても、スヴェーデンボリの思想は、セーデルマンランド男爵に大きな影響を与え、彼は現地のフリーメーソンリー(Svenska Frimurare Orden)のグランドマスターとして、独自の位階制度を作り、その儀典を執筆した。

しかし、スヴェーデンボリの主要著作には、フリーメーソンに関する記述は一切ないのが事実であり、誹謗中傷の人物評と同様、誤解されていることも多い。

  • 『天界と地獄』柳瀬芳意訳 静思社 1962
  • 『天界とその驚異及び地獄』柳瀬芳意訳 静思社 1962
  • 『真のキリスト教』鳥田四郎訳 新教会 1972
  • 『真の基督教2』柳瀬芳意訳 静思社 1984
  • 『神の摂理』柳瀬芳意訳 静思社 1985
  • 『スウェーデンボルグの霊界日記 死後の世界の詳細報告書』高橋和夫訳編 たま出版 1992
  • 『スウェーデンボルグの惑星の霊界探訪記』高橋和夫訳編 たま出版 1993
  • 『スウェーデンボルグの夢日記』鈴木泰之訳 たま出版 1995
  • 『天界と地獄』高橋和夫編訳 春秋社 1997
  • 『霊界日記』高橋和夫訳編 角川ソフィア文庫 1998
  • 『天界と地獄』宮崎伸治訳 ミヤオビパブリッシング(宮帯出版社) 2012

注釈

  1. ^ 文理書院版の訳書の翻訳者・笹岡康男は元大本信者である[7]。『天界と地獄』6-7頁につけた註の中では一柱の創造主と天之御中主神を結び付け、日本神話の神を三つの位格に当てはめて対応させている。
  2. ^ なお、現代のジェネラルチャーチにおいても、最高聖職者(第三位階)は赤のストールを身に着け、次点の者(第二位階)は青のストールを、それに次ぐ司祭(第一位階)は白のストールを身に着ける[16]

出典

  1. ^ a b ジョージ・トロブリッジ 著、鈴木泰之 訳『スヴェーデンボリ―その生涯と教え』スヴェーデンボリ出版、2011年4月1日。 [要ページ番号]
  2. ^ スウェーデンボルグ 1998, p. 151(4412番).
  3. ^ Spiritual Diary, by Emanuel Swedenborg: 4111”. 2019年6月24日閲覧。
  4. ^ スウェーデンボルグ 1998, p. 163(5834番).
  5. ^ マイケル・タルボット 著、川瀬勝 訳『投影された宇宙』春秋社、2005年4月。ISBN 4393366247 [要ページ番号]
  6. ^ スエデンボルグ、大拙訳『天界と地獄』および、自身の著書『スエデンボルグ』が新版再刊(各・講談社文芸文庫、2016年)。後者に大拙訳「新エルサレムとその教説」を収録。
  7. ^ 日本スウェーデンボルグ協会 2007, p. 288.
  8. ^ 尾形 1996, p. 56.
  9. ^ 尾形 1996, p. 不明[要ページ番号].
  10. ^ Swedenborgianism”. Christian Apologetics & Research Ministry. 2019年6月24日閲覧。
  11. ^ 教皇庁文化評議会 and Catholic Church. Pontifical Council for Interreligious Dialogue『ニューエイジについてのキリスト教的考察』カトリック中央協議会、2007年。全国書誌番号:21235968https://id.ndl.go.jp/bib/000008530012 
  12. ^ ジェネラルチャーチ東京[出典無効]
  13. ^ 一色哲「軍事占領と地域教会:1950年代中盤の沖縄教会を事例に」『キリスト教史学 』第57巻、キリスト教史学会、2003年7月、36-59頁、CRID 1520290883894367232ISSN 04539389NAID 40005876543 
    古澤健太郎「信仰告白制定の経緯に見る「沖縄キリスト教会」の特質」『基督教研究』第68巻第1号、基督教研究会、2006年8月、49-61頁、CRID 1390009224913035776doi:10.14988/pa.2017.0000011232ISSN 0387-3080NAID 110006534344 
  14. ^ 翻訳者紹介”. アルカナ出版. 2019年6月24日閲覧。
  15. ^ Albert Gallatin Mackey and H. L. Haywood, Encyclopedia of Freemasonry Vol. 2, p. 997 reprinted by Kessinger Publishing, 2003 ISBN 0-7661-4720-7
  16. ^ ジェネラルチャーチ 東京グループ”. 日本新教会. 2019年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月24日閲覧。
  17. ^ Augustus Row (1868). "Illuminati of Avignon or Swedenborg Rite". Masonic Biography and Dictionary. Philadelphia: J.P. Lippincott & CO. p. 139.
  18. ^ R. A. Gilbert (1995-09-14). "Chaos Out of Order: The Rise and Fall of the Swedenborgian Rite". Grand Lodge of British Columbia and Yukon A.F. & A. M.






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