アエルマッキ MB-339
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/01 02:44 UTC 版)
アエルマッキ MB-339
概要
MB-339は、MB-326の後期型より機体構成の多くが受け継がれ、アビオニクス及び前部胴体を除き変更点は少ない。前部胴体については、練習生であるパイロットの頭上から可視性を得るため、インストラクターの座席位置を高く配置し直されている。これによる方向安定性の低下を補うため、垂直尾翼の大型化とベントラルフィンの追加も行われた。MB-326と同様、主翼下6箇所のハードポイントに武装を搭載することが可能である。
初飛行は1976年8月12日に行っており、イタリア空軍への引渡しは1979年より開始された[1]。MB-326と同様に、コックピットを単座化し固定機関砲を搭載した攻撃機型MB-339KベルトロIIも開発されたが、諸外国の関心を得られず試作のみに終わっている。ロッキード社と提携しTバードIIとしてアメリカ軍の統合基本航空機訓練システム計画(JPATS計画)選定にも売り込んだが、T-6 テキサンIIに敗北している。
輸出セールスではMB-326ほどの成功を収められなかったものの、1990年代にはコクピットを近代化した改良型も開発され、2000年以降も依然として生産が続けられた。生産機数は200機を超え、その半分はイタリア空軍へ納入されている。
派生型
- MB-339X
- 試作機。
- MB-339A
- イタリア空軍向け量産機。
- MB-339KベルトロII
- 1980年代に開発された単座対地攻撃機。試作のみ。
- MB-339B
- 攻撃強化型練習機。試作のみ。
- MB-339C
- エンジンを強化型に換装し、航法・攻撃システムをアップグレードした改良型。若干延長された機首と大型化した翼端増槽が特徴。空中給油プローブの取り付けも可能。
- MB-339CD
- グラスコックピットを導入した近代化型。エンジンはA型に準ずる。
- MB-339 TバードII (ロッキード TバードII)
- アメリカ空軍とアメリカ海軍の統合基本航空機訓練システム計画(JPATS計画)向けに、ロッキードと共同で改良を施した型。不採用。
採用国
- イタリア
- アラブ首長国連邦(ドバイ) - ジェット練習機をアブダビも採用したBAe ホークに統一することになったため、現在はアルフルサンでのみ使用されている。
- アルゼンチン - フォークランド紛争では当時配備されていた10機の内6機が投入されたが、本国に帰還できたのは1機のみで、他は全て戦闘で失われるかイギリス軍に鹵獲された。
- エリトリア - エチオピアとの国境紛争にて使用。
- ガーナ
- ナイジェリア
- ニュージーランド - 戦闘機部隊の廃止に伴い退役。退役した機体の一部は民間軍事会社ドラケン・インターナショナルで使用されている。
- ペルー - 2017年までにKT-1Pに代替されて退役。
- マレーシア
- 1 アエルマッキ MB-339とは
- 2 アエルマッキ MB-339の概要
- 3 仕様 (MB-339A)
- 4 関連項目
固有名詞の分類
練習機 |
ピアッジョ P.148 ピュッツァー エルスター アエルマッキ MB-339 MU-300 モラーヌ・ソルニエ AI |
イタリアの爆撃機 |
サヴォイア・マルケッティ SM.81 サヴォイア・マルケッティ SM.79 アエルマッキ MB-339 サヴォイア・マルケッティ SM.85 トーネード IDS |
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