なぎなた
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/09 05:19 UTC 版)
基本
構え
通常は最初左に構えるが5種類の構えは、それぞれ左右の半身どちらでも構えることができる。
- 中段の構え
- 半身に構え、元手(石突側の手)を後ろ足の付け根に置き、切先で相手の鳩尾を狙うように構える。
槍術にも通じる基本的な構えであり、攻撃にも防御にも転じやすい。 - 八相の構え
- 元手を前足側の腰骨、もう一方の手を後ろ足側の耳の横に置き、なぎなたを立てて構える。
- もっとも攻撃的な構えの一つである。剣道の同名の構えと異なり、現代の試合等でも頻用される。
- 下段の構え
- 元手を後ろ足側の顔の横におき、刃筋を上向きにして前足の脛を守るように構える。
- 相手の中上段への攻撃はやや難しいが、相手の足元を攻めつつ自分を守る構え。
- 上段の構え
- なぎなたを頭上にあげ、石突で相手を狙いつつ切っ先を振りかぶるように構える。
- 胴体や下段への防御は薄くなるが、攻撃的且つ気位のある構えである。
- 脇構え
- 両手をまっすぐ下ろし、石突で自分の正中を守りつつ相手を狙い、水平に構える。
- 上段への防御は弱く攻めに転ずるのにも時間がかかるが、相手から見ると攻撃の出所が見えにくく最もトリッキーでもあり、変化に応じて打突できる構えである。
体捌き
送り足、歩み足、開き足、踏みかえ足、継ぎ足などの歩法として指導される。
打突部位
面(正面・側面)、小手、胴、脛、咽喉(突き)の5か所。
突きは競技では成人にのみ許可されている。
形として胴への突き技があるが、試合競技においては禁止されている。
打突法
面・小手・脛を打突する方法として、振り上げ・持ち替え・振り返しの方法がある。
突き方としては直突・繰り込み突きがある。
振り方
上下振り、横振り、斜め振り、振り返しがある。
それらを連続して振ることを八方振りといい、上下振り、斜め振り(上から)、横振り、斜め振り(下から)を8呼間の場合、各4回ずつ行う。
打ち返し
振り上げて面、左右面、左右脛、間合いを取って振り上げて面の順番で行う。
基本的な打突で構成され、連続打ちの要領や間合いの取り方、体捌きなどを総合した練習として、ウォーミングアップや有効打突になるようにするための練習として行う。
形
全日本なぎなたの形と仕掛け応じと呼ばれる演技の形の2種類がある。
仕掛け応じは二段技・三段技などの連続技、体捌き、払いや巻き落としなどの基本的な技法が盛り込まれており、繰り返し稽古をすることで正しい所作を習得する。
- ^ a b c d e 前畠ひとみ『「薙刀 (長刀)」から「なぎなた」へ』2006年12月20日。doi:10.18878/00001787 。2020年4月23日閲覧。
- ^ 榊田八重子『薙刀(古武道)の沿革と新しいなぎなたについて』1976年。doi:10.11214/budo1968.9.2_84 。2020年4月23日閲覧。
- ^ “なぎなたの服装・防具”. 公益財団法人全日本なぎなた連盟. 2020年4月23日閲覧。
- ^ “なぎなたの見方”. 公益財団法人全日本なぎなた連盟. 2020年4月23日閲覧。
- ^ a b 福田啓子 (2013), 「リズムなぎなた」の発祥から伝播・発展に関する研究, 日本武道学会, doi:10.11214/budo.46.31 2020年4月23日閲覧。
なぎなたと同じ種類の言葉
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