あの頃、マリー・ローランサン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/18 20:25 UTC 版)
『あの頃、マリー・ローランサン』 | ||||
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加藤和彦 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1983年初夏 一口坂スタジオ 日活スタジオ | |||
ジャンル | AOR | |||
時間 | ||||
レーベル | CBS/SONY | |||
プロデュース | 加藤和彦 | |||
チャート最高順位 | ||||
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加藤和彦 アルバム 年表 | ||||
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『あの頃、マリー・ローランサン』収録のシングル | ||||
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解説
『あの頃、マリー・ローランサン』は、東京で暮らす男女の情景をテーマとしたコンセプト・アルバムである[1]。加藤によれば、いにしえのヨーロッパ退廃美を表現した前作『ヨーロッパ三部作』[2]とは対照的な、現代の東京を舞台とする短篇集のような内容で[3]、サラリーマンになって音楽離れしてしまった大人たちにも聴ける[4]、部屋のインテリアのような良い意味でのBGMを目指したという[5]。
レコーディングはウディ・アレンの映画のような雰囲気を得るためにニューヨークで行なう案もあったが、同じ都会でもまったくテンションが異なるという事情から東京で行なうこととなった[3]。プレイヤーがリラックスできる録音環境を作るためにセッションにはお互いに気心の知れたミュージシャンを集め[5]、全員が一斉に演奏するスタイルでレコーディングされたが[6]、加藤は何よりも乗りを重視し、気分の乗らない日はセッションを中止することもあったという[7]。その結果、レコーディングはほぼワン・テイクで完了した[8]。
ヴォーカルはテイクを重ねたものの、結果的に仮歌を使用[9]し、ストリングスはアンビエント音を混ぜるためにスタジオの扉を開け放して録音している[10]。 MTRは当時主流だった24トラックの機器よりもトラック毎のテープ幅が広く、音の情報量が多いという理由で[9][10]ステューダー社製の16トラックMTR[11]なども使用され、演奏された楽音はほとんどミキシング・コンソールを経由させずに生音のままMTRに送られている[11]。
アートワーク
アート・ディレクションは渡邊かをるが担当し、アルバム・カバーには金子國義の絵画[12]が使用された。前作『ベル・エキセントリック』では金子の既存の作品から選ばれたが、本作では新たに描かれたものが使われた[3]。アナログ・レコードに付属した縦書きの歌詞カードには坂田栄一郎が撮影したアーティスト写真があしらわれ、初回出荷分にはアルバム・カバーと同じ絵柄のポストカードが封入されていた。なお、帯には、初発売時から継続して以下のキャッチコピーが記載されている。
CBS・ソニー移籍第一弾アルバム!!
ネオンの海を見おろしながら、物語は始まった。
メッセージ・カード
アナログ・レコードの初回出荷分には、加藤からのメッセージ・カードが封入されている。
ファンの皆様へ
久々のソロ・アルバムをお届けしました。CBS・ソニー移籍第一弾として、いつもにも増して意欲的に取組んだこのアルバム、気に入ってもらえましたか。
一枚のレコードがリリースされるまでには、息の合ったミュージシャン、アレンジャー、レコード会社など、数えきれないほどの友人、スタッフが関わっています。当然、それらの人々の才能や労働には正当な報酬が支払われなければなりません。ところが、最近では、貸レコードやエアチェックなどの安易な複製が横行し、レコード売上が圧迫されています。
このままでは、音楽にたずさわる人みんなが危機を迎えるだけではなく、新譜の制作や新人のデビューが制限されたり、レコード価格の引上げを招くことにもなってしまいます。このような、アーティストにとってもファンにとっても不幸な事態を防ぐためにも、レコードはプライベートな楽しみだけに使ってください。音楽を愛するすべての人にお願いします。 — kazuhiko kato
- ^ (加藤 1983)
- ^ 『パパ・ヘミングウェイ』(1979年)、『うたかたのオペラ』(1980年)、『ベル・エキセントリック』(1981年)の3枚の海外レコーディングによるアルバム。
- ^ a b c d (MS 1983)
- ^ a b NHK-FM 『サウンドストリート』 1983年10月25日放送
- ^ a b (アンアン 1983)
- ^ 加藤によれば、本作は「連帯責任制」と称して、誰かが間違えば最初からやり直すという方針でレコーディングしたという。(加藤 & 前田 2013)
- ^ (文藝 2010, p. 49)
- ^ a b 『あの頃、マリー・ローランサン2004 A TRIBUTE TO K.Yasui & K.Kato』(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ) ブックレットより
- ^ a b c (加藤 & 前田 2013)
- ^ a b (中村 2020, p. 90)
- ^ a b c (MM 2004, p. 43)
- ^ 油彩画 『優雅な条件』 (平地 2008, p. 14) この絵は本アルバムの発表後程なくして刊行された書籍『加藤和彦スタイルブック あの頃、マリー・ローランサン』(1983年)の表紙にも使われた。後年の加藤と安井の共著『カリフォルニア・レストラン夢時代』(1991年)にもこの絵をアレンジしたものが使われている。
- ^ (RC 1996, p. 90)
- ^ (中川 & 小川 2010)
- 1 あの頃、マリー・ローランサンとは
- 2 あの頃、マリー・ローランサンの概要
- 3 評価
- 4 クレジット
- 5 発売履歴
- 6 外部リンク
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